1.住宅ローン審査に通る年収は?
住宅ローンを使ってマイホームを購入したいと思っても、自分の年収で借りられるのかどうか不安で、一歩を踏み出せないという人もいるかもしれません。
どのくらいの年収があれば審査に通過できるのでしょうか?
下限の目安は300万円
審査に通過する年収の下限は『300万円』が目安といわれています。年収300万円以上であれば、住宅ローンを借りられる可能性は十分あるでしょう。
住宅金融支援機構の2023年度の調査でも、フラット35の契約者のうち19.8%は年収400万円未満です。
年収が少なければその分借りられる金額も少なくなってしまいますが、申し込みや審査通過は可能です。
参考:2023年度 フラット35利用者調査 P.8|住宅金融支援機構
借入額の上限は年収の7倍が目安
住宅ローンの借入額は、年収が同じでも契約者の状況によって異なります。おおよその目安は『年収の7倍』です。
審査に通過する下限の目安である年収300万円であれば、2,100万円まで融資を受けられると考えられます。
またフラット35を契約した人の年収倍率は、2023年度の調査で下記の通りです。
- 土地付注文住宅:7.6倍
- マンション:7.2倍
- 建売住宅:6.6倍
- 注文住宅:7.0倍
- 中古マンション:5.6倍
- 中古戸建て:5.3倍
ただしこの年収倍率は全国平均の数値です。物件の種類や地域によっては、年収倍率が8倍近いケースもあります。
参考:2023年度 フラット35利用者調査 P.12 |住宅金融支援機構
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2.審査は年収以外の要素も重要
年収は住宅ローンの審査結果を左右する大きな要素です。
ただし審査で見られているのは年収だけではありません。審査基準の中でも重要視される『返済比率』について見ていきましょう。
基準となるのは返済比率
『返済比率』は年収に対する1年間の返済額の割合で、『返済負担率』ともいいます。『1年間の返済額÷年収×100=返済比率(%)』という計算式で求められる数値です。
金融機関はそれぞれ返済比率の基準を設けています。返済比率が高いと、ローンの負担が重くのしかかり生活が立ち行かなくなるでしょう。返済が滞る可能性もあります。
そのため基準を超える返済比率になる希望融資額で住宅ローンに申し込むと、審査に通過できません。
返済比率の目安は?
金融機関は独自に返済比率の基準を設定していますが、公開しているのはフラット35のみです。公開されている下記のフラット35の返済比率で計算すると、年収600万円なら年210万円の返済額までは融資を受けられるでしょう。
- 年収400万円未満:30%以下
- 年収400万円以上:35%以下
また一般的に無理なく返済しやすい返済比率は『25%以下』といわれています。同じく年収600万円なら、年150万円までの返済額は大きな負担とならずに返済しやすい金額です。
余裕を持った返済計画を立てるなら、返済比率が25%以下になるような融資額を意識し、住宅ローンの利用を考えるとよいでしょう。
参考:【フラット35】ご利用条件:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】
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3.年収が高くても住宅ローン審査に落ちるケース
年収が高くても、住宅ローンを借りられないケースはあります。どのような場合に審査に落ちるのか、代表的なケースを紹介します。
勤続年数が短い
一般的に金融機関は、完済まで滞りなく返済し続けられる人に融資したいと考えています。そのため『勤続年数』が極端に短い人には、年収が高くても貸したがりません。
勤続年数が短くてもその職場で長く働き続けるかもしれませんが、すぐに辞めてしまう可能性もあります。国土交通省の調査によれば、全体の93.6%の金融機関が勤続年数を審査基準に採用しているという結果です。
基準は下記の通り、1年以上・2年以上・3年以上と回答している金融機関が回答総数の8割以上と、大半を占めています。
- 1年以上:598
- 2年以上:47
- 3年以上:138
- その他:175
中には勤続1年未満で申し込みできる金融機関もありますが、全体で見ると少数派といえます。
参考:令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書P.12・P.19|国土交通
自営業や非正規雇用
安定した収入が重視される住宅ローンの審査は『自営業』や『非正規雇用』だと、審査基準が厳しめに設定されます。
働き続けていれば安定した収入を得られる会社員と違い、収入に波が生じやすいからです。
自営業の方は節税のため所得を抑えているケースが多いことも、審査が厳しくなる要因となります。
そのため、自営業や非正規雇用で高収入を得ているとしても、審査に落ちる可能性はあります。単に今の年収が高いだけでなく、継続してその年収を稼ぎ続ける安定性が求められるからです。
例えばスポーツ選手や人気の芸能人であれば、年収1,000万円を超える人はいるでしょう。しかしその年収が一過性のものと判断されると、年収が高くても審査に落ちてしまいます。
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信用情報に問題がある
どれだけ多く稼いでいるとしても『信用情報』に問題があると、審査に通過するのは難しいでしょう。金融機関は住宅ローンの申し込みが入ると、信用情報機関へ情報照会し、信用情報に問題がないか確認します。
そこで過去に金融事故を起こしていると分かれば、まず審査に通過しません。債務整理や代位弁済はもちろん、クレジットカードの支払い延滞なども対象です。
ほかにスマホの機種代を分割払いで支払っている場合、その料金を払い忘れていたというだけでも金融事故として扱われます。信用情報には最長5年間記録が残る仕組みです。
忘れてしまっていることもあるため、信用情報機関であらかじめ自分の信用情報を調べておくと安心でしょう。
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4.借入額を増やす方法
住宅ローンの借入限度額は年収によって変わります。現状では希望の借入額で融資を受けられない場合、借入額を増やす方法はあるのでしょうか?代表的な方法を解説します。
ペアローンや収入合算を使う
1人の収入で希望額を借りられないなら、安定収入のある配偶者や同居の親族と協力し『ペアローン』や『収入合算』を利用するとよいでしょう。2人分の収入で計算するため、借入額を増やせる可能性があります。
ペアローンは1軒の住宅に対し、2本のローンを組むのが特徴です。夫婦で契約する場合には、夫と妻がそれぞれ別の住宅ローンを契約し、お互い連帯保証人になります。
収入合算は契約者の収入に配偶者や同居の親族の収入をプラスし、申し込みできる方法です。申込時の収入額が増えるため、借入額を増やせます。
ペアローンや収入合算についてはこちらの記事もチェック!
ペアローン、連帯債務、連帯保証の賢い利用方法とは?メリット・デメリットも解説
夫婦で住宅ローン控除を受けられる借り方は二つ。申請手続きも解説
他の借入を返済する
申し込みする住宅ローン以外に借入があるなら、返済することで借入額の増額が可能です。
年収に対する年間返済額の割合である返済比率は、住宅ローンだけで計算されるわけではありません。マイカーローン・教育ローン・キャッシングなど、他の借入も含めて計算します。年間返済額100万円まで借りられたとしても、マイカーローンで年36万円返済しているなら、住宅ローンの利用は年64万円が上限です。
このケースではマイカーローンを完済することで、年100万円まで住宅ローンを借りられるでしょう。ただし完済しても個人信用情報機関へ反映されるまでには時間がかかります。
タイムラグがあるため、早めに手続きするか、完済証明書を発行してもらうとよいでしょう。
返済期間を延ばす
借入額は返済期間にも左右されます。同じ3,500万円の住宅ローンを借りるとしても、20年で返済するのと35年で返済するのでは、返済比率が異なります。
20年で返済するケースでは、1年間に175万円ずつ返済しなければいけません。年収500万円なら返済比率は35%です。一方35年で返済すると、1年間の返済額は100万円で、返済比率は20%と計算できます。
返済比率35%では上限金額に達してしまう金融機関も多いでしょう。しかし返済比率20%であれば、まだ借入額を増やせる余地があるはずです。
ただし総支払額が増加することや完済までに時間がかかる点には、十分に注意しなければいけません。
5.年収は住宅ローン審査における一つの要素
住宅ローンの審査を受ける際、基準の一つとして年収が挙げられます。目安として年収300万円以上あれば、審査に通過する可能性があります。ただし年収さえ高ければよいわけではありません。
勤続年数が極端に短い・自営業や個人事業主といったケースでは、不安定と判断され借りられない可能性があります。また過去に金融事故を起こしている記録が残っていても、審査通過は難しいでしょう。
融資を受けられたとしても、希望する物件を購入するには足りないかもしれません。そのようなときには、ペアローンや収入合算の利用・他の借入の返済・返済期間の延長が役立ちます。
年収は複数ある審査基準の一つと理解し、住宅ローンへ申し込むようにしましょう。
住宅ローン審査、ここがポイント!
通らない理由や対策を解説
住宅ローンの審査は仮審査(事前審査)→本審査の流れで進みます。仮審査と本審査は目的が異なり、仮審査は「その人に融資が可能かどうか」、そして物件の売買契約後に行う本審査では「本当に融資をしていいか」の観点での審査になります。
仮審査では審査の受付基準に合致しているかどうかや本人の返済能力、個人信用情報などが比較的簡易にチェックされます。本審査ではたくさんの書類のチェックや物件の担保価値の精査など、多岐にわたる項目を仮審査よりも厳密に審査されます。
本審査も通過したら金融機関とローン契約し、住宅の決済を行うことになります。
| 審査にかかる期間
仮審査は即日〜1週間程度、本審査は1〜2週間程度を要します。住宅購入時はなにかと慌ただしくなるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
| 仮審査のポイント
仮審査では大きく3つ、「本人の属性情報」「返済能力」「個人信用情報」がチェックされます。細かく見ていきましょう。
・「本人の属性情報」
申込時の年齢や完済時の年齢、年収や雇用形態、勤続年数など、金融機関が個別に定めている受付基準に合致しているかが審査されます。「正規雇用であること」「勤続1年以上であること」「年収は300万円以上」など細かな条件が金融機関ごとに定められており、それらに合致している必要があります。具体的な基準は非公表のケースが多いものの、「◯◯銀行 商品概要」と検索するとある程度は銀行公式サイトで確認できます。
・「返済能力」
収入に対して借り入れ額が過大でないかが審査されます。代表的な指標として年収に占める年間返済額の割合である「返済比率」があります。住宅ローンの年間返済額の計算には実際の金利ではなく、審査上のみ使われる「審査金利」が使われます。金融機関によって異なるものの、概ね3%前後という高めの審査金利でストレスをかけて計算されます。また、年間返済額には住宅ローンだけでなく自動車ローンやカードローンなどの借り入れの返済も考慮されます。
返済比率の上限は多くの金融機関が非公表ですが、目安は30%〜35%です。フラット35の場合は年収400万円未満なら30%、400万円以上なら35%と公表されています。
・「個人信用情報」
個人信用情報とはクレジットカードの支払いなどの履歴情報です。過去に延滞などのネガティブな履歴があると、住宅ローン審査にはマイナスに作用します。
| 本審査のポイント
本審査では様々な資料の提出のうえ、「仮審査の申告内容との相違がないか」「担保評価」が主に審査されます。
・「仮審査の申告内容との相違がないか」
仮審査で申告した年収と源泉徴収票の金額が違っていないか、借り入れがある場合はその内容が仮審査の申告内容と違っていないかなど、仮審査で金融機関に申告した内容との整合性がチェックされます。
・「担保評価」
住宅ローンで物件を購入すると、通常は金融機関によって「抵当権」が設定されます。抵当権とはいわば担保のことであり、申込人が住宅ローンの返済ができなくなったとき、その物件を売却して融資金の回収に充てるためです。そのため、購入しようとする物件の価値が借り入れ額に対して著しく低くないかをチェックされます。また物件そのもののスペック、例えば耐震基準や適法物件かどうかなども、金融機関の定める基準と照らし合わせられています。
| よくある本審査落ちのパターンやNG行為
・仮審査の申告内容と異なる点があった
仮審査と本審査で申告内容に相違があると落ちる確率が高まります。例えば仮審査で申告した年収と提出した源泉徴収票の年収が違えば、返済能力の計算が狂うことになります。
・別の借り入れを行う
住宅ローンの審査中に別の借り入れを行うと返済比率に悪影響が出ます。ローンという名称ではありませんがクレジットカードのリボ払いも借り入れと同じ扱いです。気軽な買い物が原因で住宅ローン審査に落ちる可能性もあるため注意が必要です。また、審査期間中はローンの延滞にも普段以上に注意しましょう。
・転職や退職
審査中に転職すると通過は難しくなります。金融機関は現在の勤務先で長く働き続けることを前提に住宅ローンの返済能力を見繕っているため、その前提が崩れるのです。さらに勤続年数の基準を満たせなくなる可能性が高くなります。
・健康上の問題で団信に加入できない
『団体信用生命保険(団信)』へ加入できず、住宅ローンを利用できないケースもあります。団信とは契約者が死亡したり高度障害に陥ったりした際、ローン残高を肩代わりしてくれる保険です。
生命保険のため、加入するためには過去3年ほどの病歴や治療歴などを告知しなければなりません。そのため健康状態によっては、団信の審査に通過できない場合があります。一般的な住宅ローンは団信への加入が必須とされているため、加入できなければ契約できません。
| 審査に通りやすくなるコツ・対策
・頭金(自己資金)を多めに入れて借入金額を下げる
自己資金を多めに確保して借入金額を引き下げることで審査に通りやすくなります。多くの自己資金を貯蓄できる人と言えるため、金融機関からの信頼を得やすいでしょう。
借り入れ額が少なくて済むため返済負担も軽減され、返済比率を引き下げることもできます。金融機関によっては自己資金の割合に応じて優遇金利を適用してもらえる点もメリットです。
・借り入れがある場合はなるべく返済しておく
自動車ローンやカードローンなどの借り入れがある場合は、なるべく繰り上げ返済をして残高を減らしておくことも大切です。返済比率を引き下げる要因になるため、審査に通りやすくなります。
・ペアローンや連帯債務、収入合算を検討する
配偶者に収入がある場合は、ペアローンや連帯債務、収入合算により審査を通りやすくすることができます。例えば年収が夫500万円・妻500万円の夫婦が5,000万円の住宅ローンを組む場合、夫1名の債務者だけでは年収倍率(年収に対する借り入れ額)は10倍と非常に高いですが、ペアローンや連帯債務で夫婦2名とも債務者になれば、年収倍率は5倍まで下がります。一般的には、年収倍率は高くても7倍以内であれば審査に通りやすくなります。
収入合算とは夫婦の片方が債務者、もう片方は連帯保証人となる方法です。こちらも連帯保証人分の年収を一定程度加味した審査を受けられるので、単独で組むよりは有利です。
| 本審査は複数の金融機関へ申し込もう
住宅ローンの本審査への申し込みは、複数の金融機関で並行することが可能です。万が一審査に落ちたり減額承認されたりしたときに備え、複数の金融機関へ申し込んでおくとよいでしょう。複数の金融機関で本審査承認を得られたら、最も希望に近い条件のプランで契約に進めばOKです。
審査通過後であっても契約に進んでいなければキャンセルできるため、契約を決めたローン以外はキャンセルしましょう。その後は金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、融資実行日を待つだけです。
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