1. 住宅ローンの借り換えタイミング
借り換えを検討するにあたり、まず確認しておきたいのがタイミングです。適したタイミングかどうかは条件により異なるため、紹介する基準を参考にチェックしましょう。
10年以上の返済期間が残っている
適したタイミングか判断するためにまず確認するのは『返済期間が10年以上』残っているか、という点です。住宅ローンは、返済が終わりに近づくにつれて支払い利息が少なくなります。
返済期間が残り10年を切ってから借り換えると、金利が低いローンを利用できたとしても、支払い利息の減少分より諸費用の方が高額になる可能性があるのです。これではトータルでかかる費用が高くなってしまいます。
一方10年以上の返済期間が残っているケースでは、利息の減少分が多くなるため、借り換えのメリットを受けやすくなります。
借り換えを検討するなら、残りの返済期間が多く残っているうちがおすすめです。
住宅ローン残高がほとんど減っていない
ローン残高が『1,000万円以上』ある場合も、よいタイミングといえます。残高が多いほど、低金利の住宅ローンに借り換えることで総返済額を抑えられるからです。
例えば返済期間が20年間、ローン残高が1,000万円のケースでは、金利3.0%だと総支払い額は約1,331万円と計算されます。金利2.0%の住宅ローンへ借り換えると、総支払い額は約1,214万円になり、その差はおよそ117万円です。
同条件でローン残高が2,500万円のケースでは、金利3.0%で総支払い額が約3,328万円、金利2.0%で総支払い額が約3,035万円となり、差はおよそ293万円です。
ローン残高ができるだけ多いうちに借り換えした方が、総支払い額を抑えやすいことが分かります。
当初固定期間が終わるとき
当初固定金利型の住宅ローンを契約しているなら『当初固定期間が終わるタイミング』で借り換えるのもよいでしょう。当初固定期間中は優遇金利が適用されますが、終了後は優遇幅が縮小され金利が上がるからです。
商品によっては、変動金利型であるにもかかわらず、固定金利型より高い金利が適用されることもあります。このタイミングで金利の低い住宅ローンへ借り換えができれば、総返済額を減らすことも可能です。
2. 住宅ローン借り換えのメリット
適切なタイミングで行う借り換えには、複数のメリットがあります。具体的にどのようなメリットが得られるのか解説します。
借り入れ条件が有利になる
現在よりも低い金利で有利に住宅ローンを借りられる可能性がある点は、借り換えの代表的なメリットです。金利が低くなれば、元金にかかる金利が下がるため、支払い利息を低く抑えられます。
借り換え前の住宅ローンとの金利差が大きいほど、支払い利息は小さくなります。総返済額を減らすことも可能です。
借り換えメリット額を知りたい方はこちら:
条件により引き続き住宅ローン控除も対象
借り換えをすると、原則として住宅ローン控除の対象から外れます。しかし下記の条件を満たすことで、借り換え後も住宅ローン控除の対象となります。
- 借り換え後の住宅ローンが当初の住宅ローンを返済するためのものと明らかに分かること
- 返済期間が10年以上であることなど住宅ローン控除の対象となる要件に当てはまること
支払い利息を少なくするために、借り換えを機に返済期間を短くすることもあるでしょう。この場合、返済期間が10年より短いと住宅ローン控除の対象外になるため注意が必要です。
どちらがお得か比較し、返済期間を決めることが大切です。
出典:
借り換え後の住宅ローン控除について詳しくはこちら:
年末調整の時期!住宅ローンを借り換えたらローン控除はどうなる?
団体信用生命保険の内容を見直せる
住宅ローンの借り入れ時には、団体信用生命保険(団信)へ加入することがほとんどです。そして借り入れ時に加入した団信は、返済の途中で変更できません。しかし借り換え時には、見直しや変更が可能です。
以前は、返済期間中に死亡か指定の高度障害状態になった場合にのみ、住宅ローン残高が0円になりました。しかし最近では保障の範囲がより広いものも多くあります。
例えば、がんや生活習慣病でもローン残高が0円になる団信があるのです。より充実した保障を受けられるよう見直せるのも、借り換えのメリットといえます。
団体信用生命保険について詳しくはこちら:
3. 住宅ローン審査のポイントをおさらい
借り換えをするときには、新たな住宅ローンへの申し込みが必要です。そこで、住宅ローンの審査を受けるときのポイントをチェックしておきましょう。
返済負担率に問題がないか
まずは『返済負担率』を確認することが大切です。金融機関はそれぞれ返済負担率を定めており、その範囲内であれば住宅ローンの審査はスムーズに進むことがほとんどです。
返済負担率を考える場合、住宅ローン以外のローンも全て含めなければいけない点に注意しましょう。自動車ローンやカードローンなども対象です。
例えば年収400万円で返済負担率が30%の場合、年間に120万円までが全てのローンの返済に充てられる金額と計算できます。ここから他のローンの返済額を差し引くと、住宅ローンの返済に充てられる金額が判明します。
借り換え予定の住宅ローンが年間返済額の範囲内であれば問題ありませんが、収まっていない場合には他のローンの整理をしなければいけません。
無理のない返済計画を立てるコツについて詳しくはこちら:
住宅ローンは月々いくらの支払いが最適?無理のない計画を立てる方法
団体信用生命保険に加入可能か
新規で住宅ローンを借りたときと比較して、借り換え時は年齢を重ねています。そのため病気のリスクが高まっていると考えられるのです。生活習慣病や大病の過去がある場合には、さらに高リスクと判断されます。
その結果、団体信用生命保険に加入できず、一般の金融機関では借り換えできない可能性も出てきます。審査要件が緩和された『ワイド団信』もありますが、金利が高く借り換えのメリットを得られないかもしれません。
ワイド団信について詳しくはこちら:
心配な場合は複数の審査に申し込む
返済負担率や団体信用生命保険への加入に不安がある場合には、複数の金融機関に審査を申し込むとよいでしょう。一つしか申し込みしていない場合、審査に落ちたり減額されたりすると借り換えできなくなります。
そこで有効なのが、複数の金融機関へ審査を申し込むことです。審査の基準は金融機関によりさまざまなので、どれか一つは希望の額で審査に通過するかもしれません。スムーズな借り換えのために大切なポイントです。
借り換えの審査について詳しくはこちら:
住宅ローンの借り換え審査とは?審査の流れ・手順・必要書類など徹底解説!
本審査の有効期限
住宅ローンの審査には、事前審査と本審査という2種類があります。このうち本審査には『有効期限』がある点に注意が必要です。有効期限は金融機関ごとに異なりますが、承認日から180日と設定している銀行もあります。
この期間を経過すると審査結果は無効です。自動的にキャンセル扱いとなるため注意しましょう。
事前審査と本審査について詳しくはこちら:
住宅ローンの事前審査(仮審査)と本審査、2つの審査のポイントを徹底解説!
審査にかかる期間もチェック
審査は申し込みしてすぐに結果が分かるものではありません。金融機関ごとに日数は異なりますが、事前審査であれば『3~4日間』、長くて1週間程度です。本審査は『1週間』が平均で、長い場合には2~3週間かかります。
借入額が年収に対して高額な場合や、自営業で経営状況の確認が必要なケース、住宅ローン以外にも複数のローンがあるときには、審査にかかる日数が長くなる傾向があります。
4. 時間や手間がかかることも頭に入れておこう
実際に借り換えするとなると、時間も手間もかかります。2・3日で終わるようなものではないため、計画的に実行することが大切です。
住宅ローンの申込みの流れについて詳しくはこちら:
役所や会社での書類請求が必要
新しく別の住宅ローンを借りるときには、新規で借り入れるときよりも用意する書類が増えます。現在借りている住宅ローンの返済状況をチェックするための書類が必要だからです。
具体的には、返済予定表・返済口座通帳・収入の明細をそろえます。ほかにも所得証明関係書類が必要ですが、これは勤め先に発行を依頼しなければならず、時間が取られるケースも多いようです。
また住民票や印鑑証明の取得のために、平日に役所へ行かなければなりません。全ての書類をそろえるのに1カ月以上かかる場合もあるでしょう。
現在の借り入れ先での手続き
借り換え先の金融機関だけでなく、現在の借り入れ先でも手続きが必要です。借り換えの審査に通過したら、現在借り入れている金融機関へ全額繰り上げ返済する旨を伝えます。
すると返済金額の試算結果が届くため、確認の後、書面で申し込みましょう。全額繰り上げ返済には手数料がかかる場合もあるため、確認しておくと安心です。
給与振込口座の変更が必要になるケース
低金利で借り換えるために、給与振込口座を変更しなければいけないケースもあります。金融機関によっては、給与振込口座の指定が優遇金利の適用条件ということもあるからです。
残高不足を避けるため借り換えと同時に給与振込口座を変更したいけれど、会社の規定でできないこともあるでしょう。この場合、給与振込口座はそのままに、毎月定額引き落としサービスを利用する方法もあります。
他の金融機関の口座から毎月決められた日に定額を引き落とし、自動的に返済口座へ入金するサービスを使えば、残高不足になる心配がありません。
5. 失敗例1 諸費用を考えていなかった
住宅ローンの借り換え時には、つい金利に注目してしまいがちです。しかし金利だけでなく諸費用に注目しなければ、借り換え失敗につながる可能性があります。
借り換えでは手数料や登記費用などが発生
借り換えの手続きには『諸費用』がかかります。例えば事務手数料・全額繰り上げ返済手数料・登記費用・保証料・印紙税・火災保険料・団体信用生命保険料などです。
諸費用を考えず金利のみで借り換えを決めると、総支払い額が高くなる可能性があります。逆に諸費用の安さにばかり注目すると、金利で不利になることも考えられます。両者のバランスを取ることが大切です。
諸経費は借り入れ時にまとめて一括で支払うほか、住宅ローンへ上乗せする方法もあります。どちらで支払う場合にも、諸費用を含めた支払い総額が、借り換え前より高くならないようシミュレーションなどを行って確認しましょう。
借り換えメリット額を知りたい方はこちら:
諸費用だけ見て借り換えると損をする?
借り換えで発生する諸費用だけで比較して銀行を選ぶと、損してしまうことがあります。
例えば、事務手数料を安く設定している金融機関は金利を高めに設定していることが多いためです。
単なる諸費用の大小だけでなく、金利や団信保障も含めて検討することが大切です。
6. 失敗例2 金利に関する知識がなかった
金利は単に元金に上乗せされるだけではありません。正しい知識がない場合、支払い続けても完済が遠ざかることもあるため注意しましょう。
申し込み時と適用される金利が違った
実際に住宅ローンに適用される金利は、借り換え前の金融機関へお金が振り込まれたタイミングのものです。タイミングによっては、申し込み時より高い金利が適用されるケースもあります。
特に固定金利で借り入れる場合には、毎月金利が変動しているため注意が必要です。例えば審査になかなか通過できず時間がかかると、申し込み時と借り入れ時の適用金利が異なる可能性があります。
無理な計画で優遇金利が取り消される
返済計画に無理があると、計画通りに返済が進まないことがあります。場合によっては遅延が発生することもあるでしょう。ペナルティーとして優遇金利の取り消しが行われるかもしれません。
すると翌月からは、基準金利という高い金利が適用された状態で返済しなければいけないのです。住宅ローンの場合、1回目の滞納でも優遇金利の取り消しが行われるケースもあります。無理のない返済計画を立て、確実に支払い続けることが大切です。
無理のない返済計画を立てるコツについて詳しくはこちら:
住宅ローンは月々いくらの支払いが最適?無理のない計画を立てる方法
7. 失敗例3 借り換えが難しいといわれた
長期間かけて返済する住宅ローンでは、返済中に起こるさまざまな出来事により、借り換えが難しくなる場合もあります。借り換えができないケースを具体的に見ていきましょう。
不動産の価値が著しく下がった
住宅ローンの借り換えでは、住宅の不動産価値がローン残高より高いことが重視されます。住宅の不動産の価値は経年劣化により下がるものと考えられていますが、それだけではありません。
例えば住宅より駅に近い場所にタワーマンションが建設されると、相対的に住宅の価値が低く判断されることがあります。このように新築で借り入れたときと状況が変化することで価値が目減りした場合、借り入れ可能額が少なく借り換えできないケースがあるのです。
返済額に困っていると相談した
借り換えの理由が『月々の返済が大変だから』では、審査は厳しくなり借り入れできない可能性が高まります。金融機関によっては、利用中の金融機関へ相談することを案内され、取り合ってもらえないこともあるでしょう。
またほとんどの金融機関は、借り換え後の返済期間を現在の住宅ローンの残り期間以内と定めています。借り換えと同時に期間を延長して返済の負担を減らすことは、基本的にできません。
返済が滞る可能性のある債務者を抱えないために、申し込み前に断られてしまうのです。
期間延長ができる住宅ローンもある
返済期間の延長は基本的にできませんが、中には対応可能な商品もあります。例えば『フラット35』へ借り換える場合、借り入れ可能期間は『35年-住宅取得時に借り入れた住宅ローンの経過期間』で計算可能です。
つまり、もともと30年ローンで借りていて、5年経過後にフラット35へ借り換える場合、上限30年まで返済期間を延ばせます。期間が延びるため、月々の負担を減らすことも可能です。
ただし、フラット35は全期間固定金利であるため、金利水準が高めです。
低金利でありながら期間延長ができる金融機関としては、『SBI新生銀行』がおすすめです。
申し込み時に20歳以上65歳以下・完済時の年齢が80歳未満という条件を満たしていれば、借り換え時に最長35年まで返済期間の延長ができます。
返済期間を延ばす借り換えについて詳しくはこちら:
〜返済期間を延ばす〜 毎月返済額を大きく下げる住宅ローン借り換え
8. 現在の借り入れ先で解決できる場合も
住宅ローンの借り換えは手間がかかりますし、タイミングを誤ると損をする可能性があることも分かりました。そこでまずは現在の借り入れ先で解決できないか検討するとよいでしょう。借り換えせずに解決できるかもしれません。
金利を下げてもらえるよう交渉する
『交渉』により金利を下げてもらえる可能性があります。交渉は、他の金融機関で借り換えのローン審査に通過してから行うと効果的です。
交渉時には審査に通ったことが分かる書類や、借り入れ条件が記載された書類を持参します。そしてこれ以上か同程度の条件でない場合、借り換えを検討していることを伝えましょう。
希望にそった金利に変更してもらえれば、借り換えにかかる費用負担や手間が発生せず、総支払い額の負担を減らせます。
ただし、現在の借り入れ先では、団信を変更することができません。
金利を下げるだけでなく、団信保障も充実させたい場合は、借り換えの方向で検討すると良いでしょう。
期間や金利タイプを変更する
大きなメリットを期待できる借り換えができない場合、返済条件の変更を交渉してもよいでしょう。例えば完済までに65歳を超える契約になっているなら、期間を変更し65歳までに完済する条件に変えてもらいます。
また金融機関によっては、金利タイプの変更が可能なケースもあります。中には、変動金利型から固定金利型への変更を無料でできる銀行もあるのです。
金利の交渉と同様、諸費用は発生しません。手元資金を減らさずに、希望の返済条件を実現できる可能性のある方法です。
変動金利と固定金利の違いについて詳しくはこちら:
9. 悩んだときはプロに相談しよう
仕組みが複雑な住宅ローンは、自分1人で考えていても最適な選択が分からないことがあります。そのようなときにはプロに相談しましょう。
金融機関窓口の担当者に相談
まずは金融機関の窓口で担当者に相談します。借り換えでどのくらいメリットが出るか知るためにも、シミュレーションしてもらうとよいでしょう。
借り換えにかかる諸経費も含め、正確な数字を教えてもらえます。借り換えた方がメリットが大きいと判断すれば、そのまま審査へ申し込むことも可能です。相談も審査も無料でしてもらえます。
ファイナンシャルプランナーに相談
気になる商品が多く絞り込めない場合や、金融機関を比較して選びたい場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)へ相談するとよいでしょう。金融機関の窓口で聞けるアドバイスでは、他社商品との比較はできません。
FPであれば、第三者の立場から公正な意見を出してもらえます。特に住宅ローンに仕事で携わったことのあるFPであれば、これまでの経験を生かしたアドバイスが期待できます。
9.自分では借り換え先を選べない、そんな方には
「自分にピッタリの銀行はどこ?」
「自分で銀行を比較するのは大変」
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10. 借り換えの検討は正しい知識を持って臨もう
住宅ローンの借り換えを検討するときには、正しい知識をもとに適切なタイミングで実施することが大切です。金利や諸費用について知らないまま手続きを進めると、支払い総額が増えてしまうこともあります。
かかる費用や手間について考え、借り換え前後のシミュレーションをした上で判断しましょう。
変動金利・固定金利の違いとは?
特徴やメリット・デメリットを解説
住宅ローンの基本的な金利タイプで、年2回(4/1と10/1)見直しされることから変動金利と呼ばれています。
金利の急変動で利用者が困らないよう、返済額を5年間据え置く「5年ルール」や月々の返済が25%以上増えないようにする「125%ルール」を設定している金融機関も多く存在します。固定金利に変更するオプションが付帯しており、金利上昇時には固定金利に切り替えることも可能です。
| 変動金利のメリット・デメリット
メリット:銀行間の低金利競争が激しく金利水準が低いため、月々の返済額を抑えることができます。
デメリット:将来金利が上がり、月々の返済額が増えるリスクがあります。対策として、金利が低いうちにしっかり貯蓄をして万が一の金利上昇に備えると良いでしょう。
| 5年ルール・125%ルールとは?
5年ルールとは、変動金利が上がっても月々の返済額を5年間一定とするルールです。5年ルール有りの場合、最初の5年間は変わらず、6年目から返済額が増えることになります。5年ルール無しの場合、翌月や翌々月から返済額が増えます。
金利が上がっても返済はすぐには増えず、5年間は変わらないというメリットがある一方、6年目になるまでは本来より低額での返済となり、完済時に未払利息が発生する可能性がある点がデメリットとなります。
125%ルールとは、5年ルールを適用している金融機関で返済額が増える際、今までの返済額の1.25倍を上限とするルールです。例えば従来の月々の返済が10万円の場合、返済がどれだけ増えても12.5万円が上限となります。
返済額が増えても上限値があるのがメリットとなる一方、5年ルール同様に本来よりも安く返済が進むため、予定通りに残高が減らず完済時に高額返済が必要となる可能性がある点がデメリットです。
| 変動金利の推移・相場は?
変動金利はバブル崩壊以降、ほぼ一貫して低下傾向を続けてきました。しかし2024年になって日銀のゼロ金利解除により、変動金利が遂に引き上げられることとなりました。いよいよ「金利のある世界」に突入したことになります。しかしながら、依然としてネット銀行を先頭に、変動金利が顧客獲得競争の主戦場という状況は続いています。
| 固定金利とは?
文字通り金利が変わらないのが固定金利です。フラット35のような全期間固定金利のほか、5年、10年など一定期間の金利を固定する固定期間選択型もあります。
| 固定金利のメリット・デメリット
メリット:返済額が変わらない安心感があります。変動金利より金利水準は高いものの、一定期間または全期間の返済額が変わらないため、長期の返済計画や生活設計を立てやすいことが特徴です。
デメリット:金利水準が高く、返済額が多くなります。返済中に大規模な金利上昇が起こらない限り、変動金利を使った場合に比べて固定金利を使う方が多額の返済となるでしょう。また固定期間選択型の場合、6年目や11年目など固定期間が終了するタイミングで、当初固定期間よりも高い金利に切り替わることが多いこともデメリットです。
| どんな人が変動金利・固定金利に向いている?
少しでも返済額を抑えたい方やコストパフォーマンスを重視する方には変動金利がオススメです。日本銀行の金融緩和政策や住宅ローン業界の競争激化を踏まえ、モゲチェックでは変動金利は今後も低金利が続くと予想しています。
一方、固定金利は金利や返済額が変化するリスクをなくしたい方に向いています。例えば最初の10年間が子どもの教育費がかさむ時期と重なるなど、住宅ローンの返済額が増えることをどうしても避けたい方には10年固定金利がオススメです。
| 変動金利・固定金利の利用割合
変動金利を選ぶ人の割合が年々増え続け、全体のおよそ7割とほとんどの住宅ローン利用者が変動金利を選んでいます。また、固定期間選択型は2割、全期間固定型は1割であり、年々減少しています。
(出所:独立行政法人住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」より)
| モゲチェックのオススメは?
モゲチェックでは低金利政策が長期化する可能性が高いとの見通しや、住宅ローン業界で顧客獲得競争が激しくなっていることから、変動金利では安定した低金利が続くと予想しています。
迷った方はまず変動金利から検討することをオススメします。最新情報は住宅ローンランキングでチェック!