1.不動産物件選びの注意点
マイホームを探す際に気を付けるべきポイントを紹介します。以下に挙げる注意点を押さえておけば、物件選びでの失敗を防げるでしょう。
希望条件に優先順位を付けておく
物件探しで数多くの家を調べていると、どの物件も魅力的に見えてしまいがちです。悩むのは悪いことではありませんが、決断までに時間がかかる上、自分にとってベストな家を見逃すことにもなりかねません。
物件を比較する前に、マイホームの希望条件に優先順位を付けておくことが重要です。目先の魅力に気持ちが揺らいだときに、正しい判断ができるようになります。
希望条件に順位を付ける場合は、立地・周辺環境・床面積など、後から変更できない条件の優先度を上げるとよいでしょう。家が欲しいと感じた当初の理由を思い出しながら、条件を決めることも大切です。
資金計画は余裕を持って
住宅ローンを利用する場合、住宅購入の予算は借入可能額を基準として決めることになります。借入可能額が多いほど、物件探しで妥協するポイントを減らせるでしょう。
しかし、借りた金額は長期間にわたり返済しなければなりません。いくら借りられるかだけでなく、無理なく返せるかを考えることも大切です。
余裕を持った資金計画を立てるためには、『返済比率』を重視しましょう。返済比率とは、年収に占める年間総返済額の割合です。多くの金融機関において、融資可否を判断する返済比率の基準は30~35%と定められています。
ただし、返済比率を基準ぎりぎりに設定すると、借入額を増やせる一方で返済負担は重くなります。理想の返済比率とされる20%以下を目指して設定するのがおすすめです。
物件価格以外に諸経費など費用がかかる
住宅を購入する際は、物件価格だけでなく諸経費などの費用が発生することに注意が必要です。不動産購入時とローン契約時のそれぞれで、さまざまな費用がかかります。
物件購入時に発生する主な費用は、仲介手数料・税金・保険料・ローン保証料・登記費用です。中古物件を購入するなら、リフォーム代も想定しておかなければなりません。
諸経費の金額の相場は、物件価格の3~10%が目安です。一般的に、諸経費はローンに含まないため、物件購入時に現金で支払えるように用意する必要があります。
ランニングコストも把握しておく
住宅購入後の返済計画には、ランニングコストを反映することも大切です。マイホームを所有している間は、ローンの返済以外にもさまざまなランニングコストが発生します。
戸建てとマンションに共通する主なランニングコストは、固定資産税・都市計画税・火災保険料・地震保険料です。マンションの場合は、さらに管理費・修繕積立金・駐車場代が毎月徴収されます。
戸建ても建物は経年劣化していくため、自分で修繕費を積み立てておく必要があるでしょう。それぞれのランニングコストがどのくらいの金額になるのか、前もって把握しておくことが重要です。
2.中古物件を購入する際の注意点
中古物件は、基本的にパンフレットやモデルルームなどが用意されていません。購入前に現地へ足を運び、物件の状態をきちんとチェックしておくことが大切です。
物件の状態をよく確認
中古物件を購入する際は、物件の状態を現地でしっかりと確認しましょう。室内だけでなく、建物の状態をチェックすることも大切です。
眺望・日当たり・風通しなどは、実際に内見をしてみなければ分かりません。床や壁のダメージといった目に見える部分以外に、五感を研ぎ澄ませてにおいや騒音なども確認する必要があります。
内見で室内をチェックしておけば、後から自分で変更できそうな部分も把握することが可能です。中古物件は価格が安い分、適度なリフォームも想定しておかなければなりません。
現地に到着した際の第一印象も大事にしましょう。感覚的に強く気になる部分がある場合、入居後にストレスの原因となる恐れがあります。
管理状況や修繕計画も確認
中古マンションを購入する場合は、建物の管理状況を確認しておきましょう。エントランスやゴミ置き場などの共有部分をチェックすれば、そのマンションが適切に管理されているか判断できます。
建物の管理状況が悪いと大規模修繕のサイクルが早まるため、修繕積立費の値上げや一時金徴収が実施されやすくなるでしょう。資産価値が下がってしまう点もデメリットです。
十数年に一度実施される大規模修繕に関しては、管理組合で修繕計画が組まれています。理事会や総会の議事録を見せてもらえれば、物件購入前にマンションの管理状況を細かくチェックすることが可能です。
3.不動産購入直前の注意点
購入物件が決まってから実際に購入するまでの注意点を紹介します。購入してから後悔することのないように、以下二つのポイントを押さえておきましょう。
立地や周辺環境をチェック
購入物件の絞り込みができたら、立地や周辺環境をチェックしましょう。利便性に関わること以外にも、さまざまな視点から検討することが大切です。
実地調査を行う際は、周辺を実際に歩いてみれば、資料では分からない面も見えてきます。夜間の明るさや死角の有無、治安の状況など、防犯面の確認は特に見落としがちです。
自然災害の発生リスクは、ハザードマップでチェックできます。地震や台風などの災害は人の力でコントロールできないため、高リスクのエリアにある物件は避けて探すのも一つの方法です。
いざというときの避難場所もきちんと確認しておきましょう。
契約書や重要事項説明をしっかり確認
物件の売買契約時には、宅地建物取引士による重要事項説明が行われます。重要事項説明は法律で定められた義務であり、買主が物件の状態を理解した上で契約できるように行われるものです。
重要事項説明を受ける際は、売買契約書と見合わせながら、物件情報に相違がないか確認する必要があります。権利の状況や管理修繕の実施状況、リフォームの制限などもチェックしておきましょう。
重要事項説明には多くの専門用語が出てくるため、その場ですぐに内容を理解できないケースも考えられます。重要事項説明書のコピーを事前に入手し、前もって目を通しておくのが理想です。
4.住宅ローンを利用する際の注意点
不動産購入時に住宅ローンを組む場合は、事前審査を受けるタイミングに注意しましょう。借入条件や団信の内容を確認することも大切です。
事前審査を早めに通しておく
住宅ローンの審査は、事前審査と本審査の2段階で行われます。主に融資の可否を判断するのが事前審査、申し込み内容が正しいかを主に精査するのが本審査です。
事前審査では借入可能額の目安が分かるため、できれば物件を選ぶ前に事前審査を受けておきましょう。予算を先に決めておけば、物件を探しやすくなります。
事前審査前に物件を決めてしまうと、事前審査で希望借入額が通らなかった場合に、再度物件を探さなければなりません。できるだけ早くマイホームを入手するためにも、事前審査は早めに通しておくのがおすすめです。
借入条件や団信の内容を精査
住宅ローンを利用する際は、選択肢とメリット・デメリットを知った上で選ぶことが重要です。金融機関・金利・返済方法などの違いにより、さまざまな種類の商品が提供されています。
金利を比較する場合は、変動金利と固定金利の違いを理解しておかなければなりません。民間金融機関の審査に通らなかったケースに備えて、公的融資などの存在も知っておく必要があるでしょう。
団信の内容を精査することも大切です。ローン専用の生命保険である団信は、商品ごとに保障内容が異なります。一般の生命保険にも加入している場合は、保障が重複して保険料が割高にならないかチェックしましょう。
5.注意点を把握しトラブルなく購入しよう
物件選び・物件チェック・住宅ローンなど、不動産購入における各ステップではさまざまな注意点があります。注意すべきことを把握した上できちんと備えておけば、物件をスムーズに購入できるようになるでしょう。
物件選びの段階で住宅ローン探しに悩んだら、無料で使える『モゲチェック』の活用がおすすめです。簡単な情報を入力するだけで、条件にマッチした低金利ローンを見つけられます。
ランキング表示された各商品には審査の通りやすさが示されるため、審査に落ちにくいローンに申し込める点も魅力です。仮審査の申し込みはスマホから簡単に行えます。
金利だけでなく審査の通りやすさまで分かるのは、モゲチェックの大きな強みです。住宅ローン選びで困っている人には、モゲチェックの利用をおすすめします。
住宅ローン審査、ここがポイント!
通らない理由や対策を解説
住宅ローンの審査は仮審査(事前審査)→本審査の流れで進みます。仮審査と本審査は目的が異なり、仮審査は「その人に融資が可能かどうか」、そして物件の売買契約後に行う本審査では「本当に融資をしていいか」の観点での審査になります。
仮審査では審査の受付基準に合致しているかどうかや本人の返済能力、個人信用情報などが比較的簡易にチェックされます。本審査ではたくさんの書類のチェックや物件の担保価値の精査など、多岐にわたる項目を仮審査よりも厳密に審査されます。
本審査も通過したら金融機関とローン契約し、住宅の決済を行うことになります。
| 審査にかかる期間
仮審査は即日〜1週間程度、本審査は1〜2週間程度を要します。住宅購入時はなにかと慌ただしくなるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
| 仮審査のポイント
仮審査では大きく3つ、「本人の属性情報」「返済能力」「個人信用情報」がチェックされます。細かく見ていきましょう。
・「本人の属性情報」
申込時の年齢や完済時の年齢、年収や雇用形態、勤続年数など、金融機関が個別に定めている受付基準に合致しているかが審査されます。「正規雇用であること」「勤続1年以上であること」「年収は300万円以上」など細かな条件が金融機関ごとに定められており、それらに合致している必要があります。具体的な基準は非公表のケースが多いものの、「◯◯銀行 商品概要」と検索するとある程度は銀行公式サイトで確認できます。
・「返済能力」
収入に対して借り入れ額が過大でないかが審査されます。代表的な指標として年収に占める年間返済額の割合である「返済比率」があります。住宅ローンの年間返済額の計算には実際の金利ではなく、審査上のみ使われる「審査金利」が使われます。金融機関によって異なるものの、概ね3%前後という高めの審査金利でストレスをかけて計算されます。また、年間返済額には住宅ローンだけでなく自動車ローンやカードローンなどの借り入れの返済も考慮されます。
返済比率の上限は多くの金融機関が非公表ですが、目安は30%〜35%です。フラット35の場合は年収400万円未満なら30%、400万円以上なら35%と公表されています。
・「個人信用情報」
個人信用情報とはクレジットカードの支払いなどの履歴情報です。過去に延滞などのネガティブな履歴があると、住宅ローン審査にはマイナスに作用します。
| 本審査のポイント
本審査では様々な資料の提出のうえ、「仮審査の申告内容との相違がないか」「担保評価」が主に審査されます。
・「仮審査の申告内容との相違がないか」
仮審査で申告した年収と源泉徴収票の金額が違っていないか、借り入れがある場合はその内容が仮審査の申告内容と違っていないかなど、仮審査で金融機関に申告した内容との整合性がチェックされます。
・「担保評価」
住宅ローンで物件を購入すると、通常は金融機関によって「抵当権」が設定されます。抵当権とはいわば担保のことであり、申込人が住宅ローンの返済ができなくなったとき、その物件を売却して融資金の回収に充てるためです。そのため、購入しようとする物件の価値が借り入れ額に対して著しく低くないかをチェックされます。また物件そのもののスペック、例えば耐震基準や適法物件かどうかなども、金融機関の定める基準と照らし合わせられています。
| よくある本審査落ちのパターンやNG行為
・仮審査の申告内容と異なる点があった
仮審査と本審査で申告内容に相違があると落ちる確率が高まります。例えば仮審査で申告した年収と提出した源泉徴収票の年収が違えば、返済能力の計算が狂うことになります。
・別の借り入れを行う
住宅ローンの審査中に別の借り入れを行うと返済比率に悪影響が出ます。ローンという名称ではありませんがクレジットカードのリボ払いも借り入れと同じ扱いです。気軽な買い物が原因で住宅ローン審査に落ちる可能性もあるため注意が必要です。また、審査期間中はローンの延滞にも普段以上に注意しましょう。
・転職や退職
審査中に転職すると通過は難しくなります。金融機関は現在の勤務先で長く働き続けることを前提に住宅ローンの返済能力を見繕っているため、その前提が崩れるのです。さらに勤続年数の基準を満たせなくなる可能性が高くなります。
・健康上の問題で団信に加入できない
『団体信用生命保険(団信)』へ加入できず、住宅ローンを利用できないケースもあります。団信とは契約者が死亡したり高度障害に陥ったりした際、ローン残高を肩代わりしてくれる保険です。
生命保険のため、加入するためには過去3年ほどの病歴や治療歴などを告知しなければなりません。そのため健康状態によっては、団信の審査に通過できない場合があります。一般的な住宅ローンは団信への加入が必須とされているため、加入できなければ契約できません。
| 審査に通りやすくなるコツ・対策
・頭金(自己資金)を多めに入れて借入金額を下げる
自己資金を多めに確保して借入金額を引き下げることで審査に通りやすくなります。多くの自己資金を貯蓄できる人と言えるため、金融機関からの信頼を得やすいでしょう。
借り入れ額が少なくて済むため返済負担も軽減され、返済比率を引き下げることもできます。金融機関によっては自己資金の割合に応じて優遇金利を適用してもらえる点もメリットです。
・借り入れがある場合はなるべく返済しておく
自動車ローンやカードローンなどの借り入れがある場合は、なるべく繰り上げ返済をして残高を減らしておくことも大切です。返済比率を引き下げる要因になるため、審査に通りやすくなります。
・ペアローンや連帯債務、収入合算を検討する
配偶者に収入がある場合は、ペアローンや連帯債務、収入合算により審査を通りやすくすることができます。例えば年収が夫500万円・妻500万円の夫婦が5,000万円の住宅ローンを組む場合、夫1名の債務者だけでは年収倍率(年収に対する借り入れ額)は10倍と非常に高いですが、ペアローンや連帯債務で夫婦2名とも債務者になれば、年収倍率は5倍まで下がります。一般的には、年収倍率は高くても7倍以内であれば審査に通りやすくなります。
収入合算とは夫婦の片方が債務者、もう片方は連帯保証人となる方法です。こちらも連帯保証人分の年収を一定程度加味した審査を受けられるので、単独で組むよりは有利です。
| 本審査は複数の金融機関へ申し込もう
住宅ローンの本審査への申し込みは、複数の金融機関で並行することが可能です。万が一審査に落ちたり減額承認されたりしたときに備え、複数の金融機関へ申し込んでおくとよいでしょう。複数の金融機関で本審査承認を得られたら、最も希望に近い条件のプランで契約に進めばOKです。
審査通過後であっても契約に進んでいなければキャンセルできるため、契約を決めたローン以外はキャンセルしましょう。その後は金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、融資実行日を待つだけです。
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