1.世帯年収1,000万円の住宅ローン目安
年収1,000万円の世帯は、どのくらいの金額のローンを組めるのでしょうか。年収から割り出せる借入額上限の目安について解説します。
手取り額は700万円台
住宅ローンの借入可能額を年収から考える際は、審査時に使われる額面年収だけでなく、手取り額も把握しておきましょう。実際の返済負担は手取り年収にのしかかるためです。
夫婦のいずれか1人の年収が1,000万円の場合、保険料や税金が引かれた後の手取り額は700万円台まで減ります。夫婦共働きで世帯年収が1,000万円あるなら、それぞれの所得にかかる税率が低いため、1人で1,000万円稼ぐより手取り額は多いでしょう。
家計のやり繰りを計算する際は、月々の手取り額からローン返済額が引かれることを考えなければなりません。手取り年収が700万円台なら、月々の手取り額は60万円台となります。
借入額上限は年収の7倍程度
住宅ローンで借入できる金額の上限は、年収からある程度判断できます。一般的に、借入額上限の目安は年収の7倍程度です。
住宅金融支援機構がローン利用者を対象に実施した調査からも、借入額の年収倍率が分かります。2019年度における借入額の年収倍率の全国平均は、新築物件で6~7倍です。
具体的には、土地付注文住宅7.3倍・マンション7.1倍・建売住宅6.7倍などとなっています。首都圏や近畿圏では、全国平均よりさらに年収倍率が高いことも分かります。
年収倍率で考えた場合、世帯年収が1,000万円なら、借入額上限の目安は約7,000万円です。ただし、限度額ぎりぎりまで融資を受けると返済負担が重くなる点にも注意しなければなりません。
参考:2019年度 フラット35利用者調査 P.13〜16 |住宅金融支援機構
頭金は1割以上用意するのがおすすめ
住宅ローンを組む際は、頭金を入れることも検討しましょう。頭金とは、住宅購入価格のうち、借入以外の自己資金でまかなう部分です。
頭金の割合が大きいほど借入額が減るため、返済負担を抑えられます。一方、無理に頭金を用意すると手元の余剰資金が少なくなり、急な出費が必要なときに困った事態になりかねません。
頭金は、最低でも住宅価格の1割を目安に用意するのがおすすめです。例えば、全期間固定金利型住宅ローンの代表格であるフラット35は、頭金の割合が1割以下だと金利が高くなってしまいます。
2.返済比率から計算する借入可能額
住宅ローンの借入額を考える際は、『いくらまで借入できるか』だけでなく、『いくらなら返せるか』も重視しましょう。返済比率を考慮した借入可能額について解説します。
返済比率を重視する
住宅ローンの返済比率とは、額面年収に占める年間返済額の割合です。『年間返済額÷額面年収×100』で算出します。
借入額を増やそうとすると、返済比率が高くなりがちです。しかし、返済比率が高くなるほど返済負担が増すため、返済できなくなるリスクを考慮されて審査が厳しくなります。
多くの金融機関では、年収に応じた返済比率の上限を定めています。一般的な上限値は30~35%です。フラット35では、年収400万円未満なら返済比率30%以下、400万円以上なら35%以下でなければ借入できません。
年収1,000万円でフラット35を利用する場合、年間返済額は1,000万円×35%=350万円まで設定できることになります。
理想の返済比率は20%以下
金融機関が設定している返済比率30~35%という基準は、あくまでも審査に通過するぎりぎりのラインです。この比率に設定し、実際に返済し続けられるのかを考慮する必要があります。
額面年収が1,000万円の場合、返済比率35%なら月々の返済額は約29万円となります。この場合、年収額は手取りで約720万円、月々だと約60万円ですので、返済額が月29万円だと生活スタイルによっては実際の家計は苦しくなるケースもあるでしょう。
無理なく返済を続けられる理想の返済比率は額面年収の20%以下といわれています。返済比率20%なら、額面年収1,000万円の世帯でも、月々の返済額を約17万円まで抑えることが可能です。
一般的には、年収1,000万円で返済比率20%に設定した場合、年収の5~6倍程度まで借入できます。借入可能額を考える際は、返済比率も重視しましょう。
3.予算を決める際に考えておきたいこと
住宅ローンの資金計画を立てる際は、以下に挙げるポイントを押さえることが大切です。住宅の購入にはさまざまなお金がかかる点を理解しておきましょう。
住宅購入には諸経費がかかる
住宅ローンを組んで物件を購入する際は、物件購入費以外にさまざまな経費がかかります。諸経費の大まかな内訳は、住宅購入にかかる費用とローンを組む際にかかる費用の2種類です。
具体的には、印紙税・不動産取得税・登記費用・固定資産税精算金・仲介手数料・融資事務手数料・ローン保証料などが発生します。
諸経費の金額の目安は、新築なら住宅購入価格の3~6%、中古や建売なら5~10%です。新築物件は一般的に仲介手数料がかからないため、諸経費が安くなります。
住宅購入にかかる諸経費は、基本的に現金一括払いです。ローンの頭金と併せて、諸経費分も物件購入時に現金の用意が必要となります。
金利によって返済総額が変わる
住宅ローンを選ぶ際に重視すべき要素の一つが金利です。長期の借入となる住宅ローンでは、金利差が返済総額を大きく左右します。
金利がわずか1%違うだけでも、返済総額に数百万円の差が生まれる場合も少なくありません。できるだけ金利が低い商品を選べば、返済総額を少なく抑えられるでしょう。
返済当初の利率が最も低いタイプの金利は変動金利です。スタート時の金利水準を最後まで維持できれば、固定金利に比べ返済総額を大幅に抑えられます。ただし、変動金利には金利上昇リスクがあることにも注意が必要です。
ランニングコストも含めて計算する
ローンの利用中に発生する住宅関連の支出は、ローン返済だけではありません。住宅を所有している間は、さまざまなランニングコストが発生するため、予算に含める必要があります。
マイホームにかかる主なランニングコストは、固定資産税・都市計画税・火災保険料・地震保険料です。マンションを購入する場合は、駐車場代や管理費・修繕積立費も発生します。
戸建てを購入すれば駐車場代がかからない場合が多いですが、建物の老朽化に対応するためのメンテナンス費は必要です。マンションのように管理費・修繕積立費を徴収されるわけではないため、自分で積み立てるなどして備えなければなりません。
ライフイベントに備える
住宅ローンの返済計画を立てる際は、返済中に発生し得るライフイベントを考慮することも大切です。ライフイベントごとの出費に対応できるよう、資金に余裕を持たせておく必要があります。
子どもがいる場合は、教育費としてまとまったお金が必要です。老後まで返済が続くなら、住宅のバリアフリー化にかかる出費も見込んでおく必要があるでしょう。
万が一の病気・けがや急なリストラにより、一時的に収入が途絶えるリスクもゼロではありません。見通しが立つイベントだけでなく、リスクに備えた資金を貯めておくことも重要です。
4.世帯年収1,000万の適正な住居費は?
年収1,000万円なら、どのくらいの価格の住宅を購入できるのでしょうか。これまで解説してきた返済比率・頭金・諸経費などを含めた、適正な住居費の考え方を解説します。
借入額は6,000万円以下が安心
一般的な借入額上限の目安は年収の7倍程度です。しかし、世帯年収1,000万円で7倍の7,000万円まで融資を受けてしまうと、返済比率が25~30%程度まで上がる恐れがあります。
理想の返済比率である20%以下まで負担を軽減したいなら、借入額を6,000万円以下に抑えるのがおすすめです。5,000万円台で融資を受けられれば、固定金利でも返済比率が20%以下になるでしょう。
さらに、頭金と諸経費を考慮し、自己資金を1,000万円程度用意できれば安心です。頭金と借入金を合わせれば、6,000万円台の物件まで手が届くでしょう。
5.無理のない返済計画を立てよう
住宅ローンの借入限度額の目安は、年収の7倍程度です。ただし、限度額まで融資を受けると、返済負担が重くなる恐れがあります。
理想の返済比率20%以下で、頭金1割を入れてローンを組む場合、年収1,000万円なら借入額を6,000万円以下にするのが安心です。さまざまな視点から予算を考慮し、無理なく返済できる計画を立てましょう。
住宅ローン選びに迷う場合は、無料サービス『住宅ローン診断』を利用するのがおすすめです。簡単なプロフィールを入力すれば、自分にぴったりの商品を探せます。
固定・変動を問わず金利の最新ランキングをチェックできるため、利用時点で最も低い金利の商品を簡単に選べる点も魅力です。総返済額を大幅に減らせる可能性が高まります。
商品ごとに示される『審査の通りやすさ』も参考にすれば、より自分に合ったローンを見つけやすくなるでしょう。ローン探しで困っているなら、ぜひ利用してみてください。
住宅ローン審査、ここがポイント!
通らない理由や対策を解説
住宅ローンの審査は仮審査(事前審査)→本審査の流れで進みます。仮審査と本審査は目的が異なり、仮審査は「その人に融資が可能かどうか」、そして物件の売買契約後に行う本審査では「本当に融資をしていいか」の観点での審査になります。
仮審査では審査の受付基準に合致しているかどうかや本人の返済能力、個人信用情報などが比較的簡易にチェックされます。本審査ではたくさんの書類のチェックや物件の担保価値の精査など、多岐にわたる項目を仮審査よりも厳密に審査されます。
本審査も通過したら金融機関とローン契約し、住宅の決済を行うことになります。
| 審査にかかる期間
仮審査は即日〜1週間程度、本審査は1〜2週間程度を要します。住宅購入時はなにかと慌ただしくなるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
| 仮審査のポイント
仮審査では大きく3つ、「本人の属性情報」「返済能力」「個人信用情報」がチェックされます。細かく見ていきましょう。
・「本人の属性情報」
申込時の年齢や完済時の年齢、年収や雇用形態、勤続年数など、金融機関が個別に定めている受付基準に合致しているかが審査されます。「正規雇用であること」「勤続1年以上であること」「年収は300万円以上」など細かな条件が金融機関ごとに定められており、それらに合致している必要があります。具体的な基準は非公表のケースが多いものの、「◯◯銀行 商品概要」と検索するとある程度は銀行公式サイトで確認できます。
・「返済能力」
収入に対して借り入れ額が過大でないかが審査されます。代表的な指標として年収に占める年間返済額の割合である「返済比率」があります。住宅ローンの年間返済額の計算には実際の金利ではなく、審査上のみ使われる「審査金利」が使われます。金融機関によって異なるものの、概ね3%前後という高めの審査金利でストレスをかけて計算されます。また、年間返済額には住宅ローンだけでなく自動車ローンやカードローンなどの借り入れの返済も考慮されます。
返済比率の上限は多くの金融機関が非公表ですが、目安は30%〜35%です。フラット35の場合は年収400万円未満なら30%、400万円以上なら35%と公表されています。
・「個人信用情報」
個人信用情報とはクレジットカードの支払いなどの履歴情報です。過去に延滞などのネガティブな履歴があると、住宅ローン審査にはマイナスに作用します。
| 本審査のポイント
本審査では様々な資料の提出のうえ、「仮審査の申告内容との相違がないか」「担保評価」が主に審査されます。
・「仮審査の申告内容との相違がないか」
仮審査で申告した年収と源泉徴収票の金額が違っていないか、借り入れがある場合はその内容が仮審査の申告内容と違っていないかなど、仮審査で金融機関に申告した内容との整合性がチェックされます。
・「担保評価」
住宅ローンで物件を購入すると、通常は金融機関によって「抵当権」が設定されます。抵当権とはいわば担保のことであり、申込人が住宅ローンの返済ができなくなったとき、その物件を売却して融資金の回収に充てるためです。そのため、購入しようとする物件の価値が借り入れ額に対して著しく低くないかをチェックされます。また物件そのもののスペック、例えば耐震基準や適法物件かどうかなども、金融機関の定める基準と照らし合わせられています。
| よくある本審査落ちのパターンやNG行為
・仮審査の申告内容と異なる点があった
仮審査と本審査で申告内容に相違があると落ちる確率が高まります。例えば仮審査で申告した年収と提出した源泉徴収票の年収が違えば、返済能力の計算が狂うことになります。
・別の借り入れを行う
住宅ローンの審査中に別の借り入れを行うと返済比率に悪影響が出ます。ローンという名称ではありませんがクレジットカードのリボ払いも借り入れと同じ扱いです。気軽な買い物が原因で住宅ローン審査に落ちる可能性もあるため注意が必要です。また、審査期間中はローンの延滞にも普段以上に注意しましょう。
・転職や退職
審査中に転職すると通過は難しくなります。金融機関は現在の勤務先で長く働き続けることを前提に住宅ローンの返済能力を見繕っているため、その前提が崩れるのです。さらに勤続年数の基準を満たせなくなる可能性が高くなります。
・健康上の問題で団信に加入できない
『団体信用生命保険(団信)』へ加入できず、住宅ローンを利用できないケースもあります。団信とは契約者が死亡したり高度障害に陥ったりした際、ローン残高を肩代わりしてくれる保険です。
生命保険のため、加入するためには過去3年ほどの病歴や治療歴などを告知しなければなりません。そのため健康状態によっては、団信の審査に通過できない場合があります。一般的な住宅ローンは団信への加入が必須とされているため、加入できなければ契約できません。
| 審査に通りやすくなるコツ・対策
・頭金(自己資金)を多めに入れて借入金額を下げる
自己資金を多めに確保して借入金額を引き下げることで審査に通りやすくなります。多くの自己資金を貯蓄できる人と言えるため、金融機関からの信頼を得やすいでしょう。
借り入れ額が安く済むため返済負担も軽減され、返済比率を引き下げることもできます。金融機関によっては自己資金の割合に応じて優遇金利を適用してもらえる点もメリットです。
・借り入れがある場合はなるべく返済しておく
自動車ローンやカードローンなどの借り入れがある場合は、なるべく繰り上げ返済をして残高を減らしておくことも大切です。返済比率を引き下げる要因になるため、審査に通りやすくなります。
・ペアローンや連帯債務、収入合算を検討する
配偶者に収入がある場合は、ペアローンや連帯債務、収入合算により審査を通りやすくすることができます。例えば年収が夫500万円・妻500万円の夫婦が5,000万円の住宅ローンを組む場合、夫1名の債務者だけでは年収倍率(年収に対する借り入れ額)は10倍と非常に高いですが、ペアローンや連帯債務で夫婦2名とも債務者になれば、年収倍率は5倍まで下がります。一般的には、年収倍率は高くても7倍以内であれば審査に通りやすくなります。
収入合算とは夫婦の片方が債務者、もう片方は連帯保証人となる方法です。こちらも連帯保証人分の年収を一定程度加味した審査を受けられるので、単独で組むよりは有利です。
| 本審査は複数の金融機関へ申し込もう
住宅ローンの本審査への申し込みは、複数の金融機関で並行することが可能です。万が一審査に落ちたり減額承認されたりしたときに備え、業務形態の異なる複数の金融機関へ申し込んでおくとよいでしょう。複数の金融機関で本審査承認を得られたら、最も希望に近い条件のプランで契約に進めばOKです。
審査通過後であっても契約に進んでいなければキャンセルできるため、契約を決めたローン以外はキャンセルしましょう。その後は金融機関と金銭消費貸借契約を締結し、融資実行日を待つだけです。
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