1.日銀による金融政策の概要
日銀は2016年1月に日銀当座預金に対するマイナス金利(▲0.1%)を導入し、同年9月からは大規模な国債買入を通じて10年物国債金利(以下、10年金利)を0%付近に留めおく政策も採用しています。加えて今年3月の会合では、新型コロナウイルス感染拡大への対策として国債買入等の強化を行っています。
こうした日銀の政策はイールドカーブ・コントロールと言われ、国内景気を回復させ物価の安定を図る目的のもと、短期金利から長期金利まで市場金利の全体を低く抑えるものです。日銀が市場金利を低くコントロールする状況が続く中、日本の住宅ローン金利も、変動金利・固定金利ともに低金利が続くと見られます。
2.まとめ
金利は経済の体温計と言われ、市場金利は大きく景気拡大する局面で上昇し、景気後退局面で低下します。住宅ローン金利も、景気に伴って市場金利とともに上下します。
新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に景気が冷え込み、回復ペースが緩やかである中、国内住宅ローン市場でも低金利環境が続くと予想します。
・日銀は大規模な金融緩和政策を維持
・変動金利の短期金利:従来からのマイナス金利(▲0.1%)を維持
・長期金利:10年金利が0%近辺で推移するような国債買入を維持
・市場金利が低位安定することで、それをベースとする住宅ローン金利も低金利が続く