この予想は、2022年7月21日に住宅金融支援機構が発表した第183回貸付債権担保住宅金融支援機構債券(以下、機構MBS)の発行条件に基づき、モゲチェックが算出したものです。
金融の中心地アメリカでインフレ沈静化に向けた政策金利の利上げが歴史的な規模・スピード感で続いている影響から、日本の代表的な市場金利である長期金利(10年国債利回り)は2016年以来の高金利が続いています。現在長期金利は、日銀(日本銀行)がコントロールする上限値の0.25%付近で推移しています。
前回の機構MBS発行条件が発表された6月下旬頃と比べると現在の長期金利はほぼ同水準であるものの、MBS利率は今回0.03%上がりました。そのため、2022年8月のフラット35の金利は7月よりも0.03%高い1.54%になると予想します。これにより、フラット35の金利は現行制度の商品(機構団信付き)の提供が始まった2017年10月以来での最高値を更新することとなります。
なお、民間住宅ローンの8月の固定金利も、引き続き上昇する可能性があります。理由は、多くの民間銀行は長期金利をベースにプライシングするフラット35と異なり、住宅ローンの平均的な返済期間に対応した期間の金利を参照して固定金利を決めるからです。
住宅ローンは最長35年なので平均的な返済期間は10年より長いと考えられますが、長期金利(10年)よりも長い期間の金利は6月末と比べて上昇しているため、ネット銀行やメガバンクといった民間銀行の固定金利は8月も上昇が続く可能性が高いでしょう。
モゲチェックでは今後変動金利は安定した低金利が続き、固定金利は高止まりする可能性があると予想しています。固定金利の代表格であるフラット35金利が高止まりしていることで、相対的に安定した低金利が続く変動金利の魅力が高まるでしょう。
長期固定金利住宅ローンの代表格であるフラット35の金利動向に今後も注目し、発信していきます。
1.フラット35の金利推移と予想
2.フラット35の金利条件
|
2022年7月 |
2022年8月(予想) |
差 |
機構MBS利率 |
0.50% |
0.53% |
+0.03% |
対国債スプレッド |
0.26% |
0.28% |
+0.02% |
フラット35金利 |
1.51% |
1.54%(予想) |
+0.03% |
フラット20金利 |
1.38% |
1.41%(予想) |
+0.03% |
参照元:
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