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【2022.4】固定金利の上昇が続く!利上げの影響は?住宅ローン変動金利・固定金利の動向を解説

  • 最終更新日: 2023年1月4日

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【2022.4】固定金利の上昇が続く!利上げの影響は?住宅ローン変動金利・固定金利の動向を解説のアイキャッチ

住宅ローンの固定金利の上昇が続いています。

2022年4月1日に発表された主要銀行の最新の固定金利は、各行バラつきはあるものの総じて高水準が続いており、フラット35は今月も上昇しました。

固定金利は今年に入って上昇傾向が続いていますが、変動金利は安定した低金利が続いています。



私は3月以降、「住宅ローンの固定金利が上昇中!」、「米国の利上げで住宅ローン金利はどうなる?」といった記事で住宅ローンの金利動向について解説してきました。

 

あまり金利市場や住宅ローン金利に詳しくない方は、「なぜ固定金利ばかりが上がっているの?」「”変動”と名がついているわりに、変動金利が上がらないのはなぜ?」といった疑問を持たれるでしょう。

 

今回は住宅ローン金利の最新動向と、固定金利が上昇し変動金利が変わっていないメカニズム、そして今後の見通しについて改めて解説します。

 

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変動金利は緩やかに上昇していくものの今後も優位と予想。モゲチェックのオススメは低金利と柔軟な審査の「 SBI新生銀行 」と低金利で充実した保障の「 PayPay銀行」。新規顧客の金利は低く抑えられる一方、既存顧客における金利は基準金利上昇により引き上げられており、借換メリットが出やすい状況。モゲチェックの住宅ローン診断で借換メリットも是非ご確認下さい!

 

目次
  • 1.最新の住宅ローン金利動向
  • 2.固定金利上昇の背景には「アメリカの金利上昇」
  • 3.変動金利と固定金利で返済が月1万円以上も違う?
  • 4.まとめ:住宅ローン利用者へのアドバイス

1.最新の住宅ローン金利動向

 

主要ネット銀行・メガバンクの2022年4月の住宅ローン金利は、フラット35が上昇しました。モゲチェックが毎月発表している、各銀行の金利を指標化した「住宅ローン金利インデックス」では、固定金利の上昇傾向が顕著となっています。

一方の変動金利では、キャンペーンなどにより地方銀行の低下が顕著です。

低下傾向の続く変動金利と、上昇傾向の続く固定金利とでは真逆の動きになっているといえます。

 

 

ご参考:住宅ローン金利インデックスや4月の住宅ローンについて、詳しくはこちら



変動金利と固定金利で金利の動きが異なる理由は、その仕組みにあります。

 

変動金利は、「短期プライムレート(短プラ)」という短期の金利がベースとなっており、この短プラは日銀の金融政策に大きく影響を受けます。現在日銀は「マイナス金利政策」という金融緩和によって短期の金利をかなりの低水準に留めているため、変動金利は銀行間競争によって下がることはあっても、上がるような状況にはありません。

 

一方固定金利は、10年国債利回り(長期金利)という長期の金利と高い相関性をもっています。長期金利も日銀によってコントロールされている点は同じですが、短期の金利に比べるとある程度は上下の幅が許容されています。2022年に入り、この「長期金利の上下の幅」の中で上限に近づきつつあることが、固定金利が上昇する背景となっています。

 

 

なお、変動金利が上がりにくい理由についてはこちらの記事で詳しく解説しています。変動金利を使うか迷っている方、変動金利が将来上がってしまうのが怖いという方は、ぜひ住宅ローン選びの参考にしてください。

住宅ローンの固定金利が上昇中!変動金利はなぜ上がらないのか?理由と予想を解説

 

2.固定金利上昇の背景には「アメリカの金利上昇」

 

ではなぜ、2022年に入ってから長期金利が上昇しているのでしょうか。

その理由は、金融市場の中心地であるアメリカで金利が上昇していることにあります。

 

アメリカは2021年秋頃から、インフレ(物価上昇)が深刻となっています。インフレ率は足元では8%近い高水準となっており、賃金上昇も進んでいることから、過度なインフレ進行を防ぐため、アメリカの中央銀行にあたるFRB(※)は「利上げ」という政策金利の引き上げを3月に開始しました。

 

8%近いインフレ率に対し、アメリカの政策金利は4/1現在で0.5%未満と大きな乖離があるため、これから2023年末にかけて急速に利上げを進める方針がすでに示されています。

 

(利上げについて詳しく知りたい方は、後述の [5.補足資料 ]をご覧ください)



FRBの利上げ決定を見越した動きから、2022年に入ってからアメリカの長期金利は上昇が続いています。これが日本の長期金利にも波及したことで、固定金利が上昇しているのです。

 

アメリカの長期金利

Yahoo!Financeより

 

※FRBはFederal Reserve Board(連邦準備制度理事会)の略称です。

 

日本の長期金利

財務省よりMFS作成



3.変動金利と固定金利で返済が月1万円以上も違う?



変動金利と固定金利の金利が広がっていることで、「変動金利を使う場合」と「固定金利を使う場合」とでは、返済額にも大きな差が出ることになります。

 

変動金利を利用した場合と固定金利を利用した場合で、どのくらい返済額が違うのかを計算したのが下表です。



変動金利と固定金利の返済の差

(借入額3,500万円、35年返済、変動金利は0.5%、固定金利は1.5%と仮定)

 

変動金利

固定金利

毎月返済額

約91,000円

約107,000円

固定金利の方が約16,000円返済が多い

総返済額

約3,820万円

約4,500万円

固定金利の方が約680万円返済が多い

 



固定金利を使う場合は、変動金利を使う場合に比べて月額1.6万円もの差が出ることになります。

 

「変動金利」と聞いて将来的に金利が上がって返済額が増えてしまうリスクが気になってしまい、固定金利を検討する方もいるかと思いますが、果たして毎月2万円近く高く支払ってまでヘッジすべきリスクなのかどうかを考える必要があるでしょう。

 

モゲチェックとしては、景気動向や金融政策の観点から、変動金利が本格的に上昇する局面は10年以上先になると予想しています。少しでも月々の負担を減らしたいという方には、変動金利の利用をオススメします。




ご参考記事:

住宅ローンの変動と固定の金利差が1%に拡大!18年11月以来の過去最大に

住宅ローンの固定金利が上昇中!変動金利はいつ上昇?理由と予想を解説




4.まとめ:住宅ローン利用者へのアドバイス

 

ここからは、実際に住宅ローンを利用するうえでのアドバイスになります。住宅ローン選びで迷っている方は参考にしてみてください。

 

(4−1)住宅ローンは最初10年で利息総額の半分を払う

 住宅ローンでは「元利均等返済」という月々の支払いが一定になる返済方式を使うことが一般的です。

毎月の返済は一定ですが、その内訳として最初のうちは多くの利息を支払い、返済が進むにつれて元本返済の割合が高まっていくというものです。

 

図12の通り、この元利均等返済方式では、完済までに支払う利息のおよそ半分を最初の10年で支払うことになります。

そのため総返済額を抑えるためには、目先10年程度はなるべく低い金利を使うことが大切です。

 

図12 元利均等返済での返済イメージ

 

(4−2)これから新規で住宅ローンを借入する場合

 これから家を買い住宅ローンの利用を検討している方に、モゲチェックとしては変動金利の利用をおすすめします。

少しでも低い金利を使うことで、当初10年の利息総額を減らすことができるためです。

 

また低い金利を利用すると、相対的に高い固定金利の場合に比べて元本の返済を早く進めることができます。

将来的に万が一変動金利が上昇することを想定しても、元本の減りが進んでいる人の方が、返済額が上がって生活が苦しくなるリスクを下げることができるのです。

こうした理由から、変動か固定かで迷っている方には、モゲチェックとしては変動金利の利用をオススメします。

 

それでもどうしても固定金利が気になるという方は、全期間固定金利ではなく10年固定や20年固定といった、少し期間の短い固定金利も検討してみるとよいでしょう。

全期間固定よりは当初の金利が低く設定されていることが多いので、返済総額を抑えやすいでしょう。



(4−3)いま住宅ローンを利用している方の場合

 いま変動金利・固定金利のどちらを利用している方も、住宅ローンの借り換えを検討してみましょう。借り換えによって、月々の支払いを抑えたり、総返済額を減らすことができます。

利用中の金利や残存期間にもよりますが、目安として0.7%以上の金利を使っている方は、借り換えでおトクにできる可能性があります。



5.[補足資料]米国の利上げについて

 

2022年3月16日(現地時間)に、アメリカの中央銀行であるFRBが政策金利の利上げを決定しました。このとき、FRBはドットチャートと呼ばれる、将来の金利の見通しを示す表も公開しています。これはFRBの意思決定を行うFOMCという会議に参加するメンバー各々が、将来の政策金利を予想した結果をプロットした表です。

 

現在のFRBの政策金利(federal funds rate)は0.25%-0.50%の幅となっていますが、このドットチャートの中央値を見ていくと、2022年末に1.875%、2023年末に2.750%になることが示唆されています。

これは、向こう2年弱で約2.5%もの利上げが見込まれているということになり、今後アメリカの金利は上昇が続くと予想されます。

Federal Reserve Boardより

 

 

いかがでしたか?

本稿では固定金利の上昇の背景と、変動金利をオススメする理由について解説してきました。

みなさんの住宅ローン選びの参考になれば幸いです。



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WRITER

著者: 堀江 勇介

モゲチェック運営会社 株式会社MFS

チーフアナリスト

銀行にて有価証券運用業務に従事。2019年にMFS入社。金融市場に関する深い知見を武器に、チーフアナリストとして活躍。金利の将来予想など、住宅ローンに関する様々な情報を発信。日本証券アナリスト協会認定アナリスト。

SUPERVISOR
supervisor

中山田 明

株式会社MFS代表取締役CEO

プロフィール

外資系投資銀行で日本初の住宅ローン証券化を手掛け、その後約10年に渡り住宅ローン証券化業務に従事してきた、日本における住宅ローンファイナンスのプロフェッショナル。フラット35を取り扱うSBIモーゲージ(現:SBIアルヒ株式会社)ではCFOを歴任。テクノロジーによる新しい住宅ローンサービスを生み出すべくMFSを創業。「住宅ローンを必要とする全ての人が、最も有利な条件で借り入れ、借り換えできる」世界の実現を目指す。

趣味は登山で、テントを背負って槍ヶ岳や剱岳、海外ではキリマンジャロやキナバル山に登頂。

経歴

  • 1991年3月 東京大学経済学部学部 卒業
  • 1991年4月〜 三井物産株式会社 入社
  • 1993年7月〜 モルガン・スタンレー、ベア・スターンズなど外資系投資銀行を歴任
  • 2000年8月〜 株式会社新生銀行(現:SBI新生銀行)キャピタルマーケッツ部部長
  • 2011年8月〜 SBIモーゲージ株式会社(現:SBIアルヒ株式会社)CFO
  • 2014年10月〜株式会社MFS創業

主な保有資格

貸金業務取扱主任者

登壇実績

  • 2021年9月 金融DXサミット(日本経済新聞主催)等 登壇実績多数
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