なぜ複数社の査定が必要なのか?
大切なマンションを手放すのですから少しでも高く売りたいですよね。ところが、一社だけの査定では適正な価格かどうか判断できません。不動産会社によって査定額に開きがあることは珍しくなく、なんと数百万円もの差がつくことも!
なぜそんなことが起こるかというと、不動産会社によって得意な分野やエリアがあり、査定基準が異なるためです。一社のみの査定を信じると損をしてしまう可能性があるので、複数社で査定してもらうことは鉄則といっても過言ではありません。
また、複数の査定結果を見比べることで大体の相場も把握できます。相場よりも高い値段で市場に出した場合、なかなか購入希望者が現れず、結局は値下げするといったケースが少なくありません。売却をスムーズに進めるためにも相場を知り、適正な価格設定をすることが大切です。
売却価格の目安を知る方法
マンションを売却するかどうかは査定額次第…という場合、不動産会社に直接査定依頼するのはハードルが高いと感じる人も多いようです。
しかも複数の不動産会社に依頼するとなれば、かなり面倒に思うのも無理はありません。ざっくりとした金額を知りたいときには、次の方法を試してみてください。
- ポータルサイトで調べる
- 国のデータベースで調べる
- 自動シミュレーションツールで調べる
- 一括査定サービスを利用する
それぞれ具体的に解説します。
ポータルサイトで調べる
SUUMOやホームズなどの不動産ポータルサイトで、売却しようとしているマンションを検索してみましょう。同じマンションで売却活動中の部屋が掲載されているかもしれません。もちろん部屋番号まではわからないので安心してください。
階数・間取り・専有面積など条件が近い部屋があれば、ある程度の参考にはなるでしょう。なお、掲載されている価格は売主希望であり、実際にこの金額で売却できるとは限りません。
国のデータベースで調べる
実際の取引価格を調べたい場合は、国土交通省の土地総合情報システムを利用してみましょう。こちらは国土交通省が不動産の取引当事者を対象に実施したアンケート調査などをもとにしたデータで、四半期ごとに公表されています。
物件が特定できないように加工されていますが、町名までの絞り込みが可能です。最寄り駅からの距離、建築年、間取り、面積、改装の有無などが掲載されているので、似た条件のマンションが実際にいくらくらいで取引されたのかを調べることができます。
自動シミュレーションツールで調べる
近年は、ビッグデータとAI(人工知能)を活用した自動シミュレーションツールも登場しています。たとえば、ライフルホームズが提供するプライスマップでは、マンション名を入力するだけで参考価格がチェックできます。個人情報を入力する必要がないため、気軽に利用できるのではないでしょうか。
ここまでに紹介した方法でわかるのは、あくまで参考値です。しかしながら、不動産会社への査定依頼を予定しているのなら、自分でも大体の金額をつかんでおくことをおすすめします。何も知らないままでは提示された査定額が妥当かどうかが判断できません。複数社の査定額に開きがあった場合など、むしろ混乱してしまうでしょう。そんなとき、自分なりの基準があれば冷静に対処できるはずです。
なお、本記事を執筆しているINVASEであれば仲介査定と不動産会社が買い取れる買取査定の療法で査定をすることが可能です。投資物件も自宅物件もお気軽にご相談ください。
一括査定サービスを利用する
かつては自分で不動産会社を選んで査定申し込みをする必要がありましたが、現在はインターネット上の一括査定サービスを利用するのが一般的です。一括査定サービスは朝でも夜中でも自分の好きな時間に利用でき、一度で複数社に査定申し込みができるため、手間がかかりません。
査定結果は数日以内に電話やメールで届きます。より正確な金額を知りたい場合は担当者に現場を見てもらう訪問査定が必要ですが、断っても特に問題はありません。サービス利用にも不動産会社による査定にも、費用はかからないので気軽に利用してみましょう。
数多くの一括査定サービスがありますが、なかには対応エリアや物件種類が限定されていることもあるので、なるべく広範囲をサポートするサービスを選ぶと手間がありません。ちなみに、弊社がおすすめするHOME4Uの一括査定サービスは全国をカバーし、マイホームはもちろん収益用物件にも対応しています。ぜひチェックしてみてください。
一括査定から仲介スタートまでの流れ
一括査定の申し込みから仲介スタートまでの流れは次のとおりです。
- 机上査定
- 訪問査定
- 媒介契約
それぞれ具体的な内容と押さえておきたいポイントについて解説します。
1.机上査定
一括査定サービスでは物件情報を入力し、売却希望時期などの簡単な質問に回答します。それらの情報をもとに物件種類やエリアなどにマッチした不動産会社がピックアップされ、机上査定が行われます。机上査定とは、周辺の成約情報や市場の相場などを参考にしながらざっくりとした査定額を算出することです。結果は早ければ当日、通常3~5日以内に電話やメールで知らされます。
2.訪問査定
投資用(オーナーチェンジ)物件ではお部屋の中が見られないため必要性は低いですが、自己居住用物件でより正確な査定額を知りたい場合は、訪問査定が必要です。同じマンションでも室内の状況によって査定額が異なります。査定額に影響する可能性があるため、簡単でも構わないので片付けや清掃を行っておきましょう。
また、訪問査定は担当者との相性をチェックする機会にもなります。査定額の根拠をはじめ疑問に感じることは積極的に質問し、納得できる回答が得られるかをチェックしてみてください。訪問査定の所要時間は30~60分程度です。登記済権利証や図面などの書類を揃えておくとスムーズに進むので、どのような書類が必要か不動産会社に確認し、、訪問査定までに手元に準備しておきましょう。
3.媒介契約
売却のサポートをお願いしたい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。媒介契約には次の3種類があり、売主にも不動産会社にも制約が設けられていることに注意してください。
一般媒介契約
【売主】
- 複数の不動産会社と契約できる
- 自分で買主を見つけることができる
【不動産会社】
- 指定流通機構(レインズ)への登録:任意
- 売主への業務報告:任意
専任媒介契約
【売主】
- 売主と契約できるのは一社のみ
※買主はどの業者が連れてきたものでも契約が可能です。そのため、専任媒介契約でも、売主が契約した仲介会社の買主との契約(両手取引)のみならず、他の仲介会社が紹介する買主との契約(片手取引)が可能です。
- 自分で買主を見つけることができる
【不動産会社】
- 指定流通機構(レインズ)への登録:契約締結の翌日から7営業日以内
- 売主への業務報告:2週間に1回以上
専属専任媒介契約
【売主】
- 売主と契約できるのは一社のみ
※専任媒介契約と同じで、他の仲介会社の紹介する買主とももちろん契約ができます。
- 自分で買主を見つけるのは不可
※直接自身に問い合わせが来て契約をするような「自己発見取引」ができないため、かなり厳格な契約となっています。
【不動産会社】
- 指定流通機構(レインズ)への登録:契約締結の翌日から5営業日以内
- 売主への業務報告:1週間に1回以上
信頼できる不動産会社を選ぶためのチェックポイント
一括査定で複数の不動産会社から連絡を受けた際、信頼できるかどうかを見極める必要があります。担当者とのやりとりの中で、次の点をチェックしてみてください。
- 査定額が他社に比べて高すぎないか
- 「囲い込み」の可能性がないか
- 説明がわかりやすいか
それぞれ具体的に解説します。
査定額が他社に比べて高すぎないか
他社に比べて際立って査定額が高い場合は、なぜその金額になったのか根拠を尋ねてみましょう。自社に仲介を依頼してもらいたいがために、あえて高い査定額を提示している可能性があるためです。専属専任媒介契約を強く勧められ、契約締結後に大幅に値下げされるケースもあるので注意してください。
「囲い込み」の可能性がないか
物件の「囲い込み」を避けるため、他社の広告掲載を許可しているかどうかを確認しましょう。「囲い込み」とは、故意に物件情報を隠す行為を指します。売買契約が成立した際には、その物件を紹介した不動産会社(客付け業者)は買主から、売却を依頼された不動産会社(元付け業者)は売主から、それぞれ仲介手数料を受け取ります。
原則として、市場に出た物件の広告活動は自由に行えることになっていますが、それには元付け業者の許可が必要です。ところが、売主・買主双方から仲介手数料を得る「両手取引」をするために、他社の広告掲載を許可しない元付け業者も存在します。売却をスムーズに進めるには、物件の情報をより多くの人の目に触れさせることが大切です。広告掲載可であるかどうかを事前に確認したうえで、仲介の依頼先を決めるようにしてください。
説明がわかりやすいか
不動産取引には専門用語も多く、不安に感じることは多いでしょう。わからないことはそのままにせず、ぜひ積極的に担当者に質問してください。その際、誰にでもわかるように噛み砕いて説明してくれるかどうかもチェックポイントのひとつです。
特に査定額に関しては、具体的なデータを示しながら根拠を説明してもらえると安心できるのではないでしょうか。大切なマンション売却が満足のいく結果になるように、納得できるまでしっかり説明を求めましょう。
一括査定の上手な利用方法
一括査定でピックアップされる不動産会社には、全国展開の大手もあれば、地場で事業展開している中小の不動産会社もあります。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握しておくと、仲介の依頼先を選ぶときに役立つでしょう。また、売却査定には、仲介査定のほかに買取査定を希望するかどうかを尋ねられることもあります。仲介査定と買取査定にはどのような違いがあるのかも押さえておきましょう。
売却査定の仲介査定と買取査定の違い
売却査定には仲介査定と買取査定と大きく2種類あります。
仲介査定は、査定をした不動産会社が買主を探す方法で一般的に買取査定よりも高く売れることが特徴です。代わりに、買主を探さないといけないため、売却活動に時間を要することがデメリットです。
買取査定は、買主が査定を出した不動産会社になります。不動産会社が査定金額で買い取ることが確定しているためスムーズに売却できることが特徴です。代わりに、仲介に比べると金額は低くなる傾向にあることがデメリットです。
それぞれの査定方法があることは認識しておきましょう。
>>参考 はじめてのマンション売却の流れを売却活動開始から確定申告まで徹底解説
大手と地場の不動産会社の違い
全国展開の大手不動産会社は知名度が高く、集客力・営業力に期待できます。顧客も豊富なので、スムーズに売却が進められるでしょう。ただし、その集客力ゆえに物件を囲い込む傾向が高いといわれています。自社で買主も獲得した場合、条件交渉では売主に寄り添ってくれるとは限りません。
地域密着型の事業を行う地場の不動産会社には、地域を知り尽くしているという強みがあります。大手ほどの集客力はありませんが、独自の人脈や販売ルートを持っていることも。顧客ひとりひとりに親身に対応してくれることが多く、売主に寄り添った熱心な売却活動が期待できます。ただし、サービス品質の均一化、という点で担当者による差異等が発生するケースも有るため、その見極めも意識しましょう。
1社で複数の比較が可能な方法も
大手がいいのか地場の不動産会社が良いのか記載をしてきましたが、1社で仲介査定と買取査定の両方を行うことができる会社もあります。
本記事を作成しているINVASEであれば、自社での買取、また買取してくれる不動産会社とのネットワークがあるだけでなく、自社で買主となるお客様が2.8万名いらっしゃるため仲介での査定も可能です。
- 買い手をもっているのでマッチングができる
- 売れる価格を把握している
- 確実な買い手にリーチするので、高目の売り出し価格でチャレンジして、その価格の妥当性のチェックができる
なお、一般的に投資物件の仲介は買い手にとっては不利なことがあります。それは、仲介物件はローン付けが難しいことです。
その点、INVASEであれば貸金業者で銀行との媒介業を通じての取引が深いため、買主のローン付けが可能です。
高く売却したい、早く売却したいなどお客様のご要望によって仲介でも買取でもご提案することができます。
今の売却金額がいくらか知りたい方もお気軽にご相談ください。カウンセリングを通じて最も良い方法でのご売却方法をすり合わせさせていただきます。
「売却」査定と「買取」査定の違い
個人間の不動産取引を仲介するのと違い、買取では不動産会社が買主になります。そのため、仲介手数料は発生しません。また、仲介に比べて成約までの期間が短く、スピーディーに現金を手にすることができます。ただし、買取では査定額が市場相場よりも3~4割安くなることがデメリットです。
実際のところ、老朽化が激しい物件や事故物件などは仲介が難しく、買取のほうがおすすめといえます。しかしながらコロナ禍では、ローンの支払いが苦しくなったために、安くなるのは承知のうえで買取を選ぶケースも増えています。そうなる前に、金利の低いローンへ借り換えるなどの対策も必要ではないでしょうか。
マンション売却査定には便利な一括査定サービスを利用しよう!
今回は、仲介を依頼する不動産会社を選ぶポイントや注意点などを解説しました。
マンションをはじめ不動産を売却する際には、一括査定サービスを利用して複数の不動産会社に査定申し込みをしましょう。なお、事前にある程度の相場を自分でも把握しておくと、査定額が妥当かどうかが判断しやすくなります。多くの一括査定サービスは、さまざまな種類の不動産に対応し、売却査定と同時に買取査定を申し込むことも可能です。また、収益用物件に対応しているサービスもあります。大切なマンションを少しでも高く売却するために、便利な一括査定サービスの利用をおすすめします。
最後に、今保有している物件がどのくらいで売却できそうか知りたい方はINVASEでは買取・仲介の両方から売却活動をお手伝いさせていただいております。
少しでも売却について検討されているのであれば無料カウンセリング売却編をご利用ください。