マンション売却の流れとは
マンションを売却するための流れは大きく以下の3つに分かれていきます。
- 価格査定(0.5ヶ月程度)
- 売却活動(2~3ヶ月程度)
- 契約・決済(1ヶ月程度)
価格査定から契約・決済までは平均すると4ヶ月程度の時間がかかります。
まずはご自身の保有しているマンションの価格を知ることから売却活動を始めることになります。
それぞれの流れを具体的に見ていきましょう。
マンション売却の相場を知る方法
マンション売却の相場を知るためにはマンションの売却査定を取る方法が一般的です。
- 一括査定サイトに依頼する
- 不動産会社に依頼する
主に2つの方法があります。
あなたがローンを借り入れしてその物件を持っている場合にはローン残債よりも高く売れるのか、そうでないのかによって売却活動に大きな支障が出てきます。
また、1社だけの見積もりですとその価格の妥当性もわかりにくいためいくつかの不動産会社に査定の依頼をするようにしましょう。
一括査定サイトに依頼する
マンション売却の一括査定サイトに依頼することのメリットとデメリットはこちらです。
メリット
- 一度の申し込みで複数社から相見積もりを取れる
- 相見積もりをもとに査定額の比較ができる
デメリット
- 複数社からのメール、電話が来るため煩わしい
- 一括査定とはいえ全国全ての会社で比較できるわけではない
一括査定のメリットとデメリットそれぞれがあるものの、価格を知るためには活用余地が高い方法であることは間違いないです。
不動産会社に依頼する
マンションを購入した不動産会社や、チラシが入っていた不動産会社など直接不動産会社に相談することも査定を貰う方法の一つです。
基本的には、一括査定で出したときも同じく不動産会社に相談をすることになるため、大きな違いは生まれません。
しかしながら、購入した不動産会社で売却を依頼すると過去の取引の実績から他の一見の会社に依頼するよりも熱量高く売却活動をしてくれる期待感はあるでしょう。
売却査定の方法は2つある
マンションの売却査定には大きく2つの方法があります。
- 仲介査定
- 買取査定
居住用マンションの売却査定の大半は仲介査定になりますが、投資用マンションは買取査定も多く行われています。それぞれの違いを確認していきましょう。
仲介査定とは
仲介査定とは、仲介業者が売り主の物件を市場で売却すればこの金額程度で売却できるであろう金額で査定するものです。
売り主の売却の意向もある程度沿って売却活動をしてくれますが、注意点としては高めの金額をあえて設定することで買い主がつかず結果いつまでも売れないので大幅に価格を下げざるを得なくなることもあります。
居住用物件の場合、不動産業者が高めの金額で売却を提案し、媒介契約獲得を狙う理由は、投資用物件よりも、仲介で販売をした際に、買い主が見つかりやすい傾向があるからです。
仲介査定の注意点
居住用マンションは仲介査定での売却活動が一般的ですが、注意点が1点あります。
それは、売却の囲い込みが行われる可能性があることです。
囲い込みは、査定を行った不動産会社が売り主のあなたと買い主の方の両手仲介を狙うものでそれによって売却活動が想定よりも遅くなることや、希望価格で売れないことにつながることもあります。
囲い込みにあっていないかを見極めるためには、信頼できる不動産業者に依頼することはもちろん、レインズの登録の有無、ポータルサイトへの広告掲載の有無を確認していきましょう。
買取査定とは
買取査定とは、売り主に対して買取業者が確実に買い取れる金額を提示するものです。
つまり、提示された金額で売り主が納得できれば現金化できるということです。
投資用マンションでは、買取査定の結果売却することが多いのですが、その理由として、仲介物件のローン付けが難しい点があります。
住宅ローンの場合、仲介であってもスムーズにローンを借り入れできますが、投資用マンションの場合、仲介案件で使うことができる提携ローンを持たない業者が多いでため、ローン付けが非常に難航します。
そのため、不動産会社が買い取る金額で納得がいけばそのまま売却を行うオーナーが多くいるということになります。
参考>>不動産ポータルサイトの投資物件を買うことが難しい理由をローン付けの観点で解説
マンション売却には売りどきがある?
マンションにはいわゆる3月が盛り上がるなどの時期があるように思いますが、明確な売りどきはありません。
3月が盛り上がると言われる理由は、賃貸が盛り上がる時期のため同じくマンションの売却においても盛り上がる時期というように思われがちです。
確かに、引っ越しシーズンでは間違いなくありますので、その時期に合わせて売却を行いたいのであれば、12月頃から売却活動を行うと良いでしょう。
ローン残債よりも高く売れる
ローン借入により購入したマンションを売却するときのタイミングとして考えたいことは、「ローン残債よりも高い金額でマンションが売れる」ということでしょう。
売却時の仲介手数料など費用は加味しないといけないものもありますが、売却価格が残債以上であればであれば、手出しをして売らないといけないなどのこともなく売却活動に踏み切ることができるでしょう。
マンション売却のために媒介契約を結ぼう
各社に査定依頼を行った上で、売却活動に進みたい場合には不動産会社と媒介契約を結ぶことになります。
媒介契約は大きく3つに分類されます。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合、指定流通機構(以下レインズ)への登録は義務となっていることに加え、契約の期間は3ヶ月が上限として決められています。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
専属専任媒介契約
レインズへの登録は必須であること、契約期間が3ヶ月が上限ということに加えて、不動産会社からの活動報告の頻度が1週間に1回以上となっています。
そのため、より積極的な売却活動が期待できるでしょう。
何よりも、自己発見取引が許されないため、買主自身が購入者を見つけてくることができない、強いしばりのある契約です。
専任媒介契約
レインズへの登録は必須であること、契約期間が3ヶ月が上限ということに加えて、活動状況の報告を2週間に1回以上となっています。
専属専任媒介契約と比較すると売却活動報告の回数は減りますが、積極的な売却活動が期待できる契約形態でしょう。
一般媒介契約
一般媒介契約は上記2つと比較すると最も緩やかな契約です。
レインズへの登録や契約期間に決まりがありません。その上、複数の不動産会社と契約できることが契約の利点になります。
どの媒介契約がおすすめ?
媒介契約には大きく3つの種類がありますが、どの方法が良いかは売却活動をされるあなたのお考えにもよります。
信頼できる不動産会社が見つかり、任せたいのであれば専任媒介契約が良さそうです。
一般媒介契約で複数社と契約した場合は、契約した不動産会社から以下の対応を求められた際に対応する必要があります。
- 販売状況の問い合わせ対応
- 内見のスケジュール調整
- 鍵の受け渡し
これらの作業を普段仕事をしながらこなす必要があることは認識しておくと良さそうです。一方で、売却活動をご自身でスケジュール管理していきたい方にはおすすめの方法になりますが、各社が満足のいく広告宣伝活動まで行ってくれるのかはきちんとチェックする必要があります。
マンション売却時の費用はいくら?
マンション購入時には物件価格の3%〜8%程度の費用がかかりました。売却時は一般的には売却価格の3〜4%程度の手数料が費用となり購入時よりは少なくなります。
マンション売却時にかかる仲介手数料はいくら?
マンション売却時にかかる費用で最も大きいものが仲介手数料になります。
一般的には売却価格の3%+6万円に消費税となります。
5,000万円でマンションを売却した場合には、(5,000万円×3%+6万円)×1.1=168,3万円
買取で売却であれば仲介手数料は不要
仲介手数料がかかるケースは、不動産の売却を仲介で売却したときとなります。そのため、不動産会社が直接あなたのマンションを買い取る場合には仲介手数料は掛からないため費用の節約ができます。
しかしながら、一般的には仲介価格よりも買取価格の方が金額は下がるため高目の価格でチャレンジしたい場合には仲介にて売却するようにしましょう。
その他の手数料に関して
その他売り主のあなたが負担する手数料であるとすると、金融機関によってはローンの繰り上げ返済手数料が発生します。
費用としては、0円から55,000円までと幅広いことが多いです。
繰り上げ返済を節約する裏技
繰り上げ返済に関して、全額繰り上げ返済を行うと手数料がかかることが多く、一部繰り上げ返済であれば手数料がかからないことが多くあります。そのため、最後1ヶ月分だけ残して一部繰り上げ返済をする方法もあります。
手数料の有無などに応じて検討してみてください。
住所変更に伴う登記手数料
もし物件購入時と住所が変わっている場合には住所変更に伴う登記手数料が必要になります。費用としては2,3万円万円程度が相場になります。
マンション売却時の税金はどうなる?
マンションの売却においては手数料の他に税金が必要になります。
税率は5年以下か5年を超えるかによって変わってきます。
- 短期譲渡所得(所有期間が5年以下)39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
- 長期譲渡所得(所有期間が5年を超える)20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
参考>>国税庁 土地や建物を売ったとき
保有物件の期間の数え方
5年を超えているかどうかによって税率は倍近く変わってきます。この期間の考え方ですが、実は物件を購入してから5年間という考え方ではありません。
考え方としては、年末を何回超えたかで考えるとわかりやすいです。
マンションを2021年中に売却した場合、取得したタイミングが2015年12月31日以前であれば長期譲渡所得になり、2016年1月1日i以降であれば短期譲渡所得になります。
参考>>国税庁 土地や建物を売ったとき
マンション売却時の固定資産税は誰が払う?
マンションを保有していると、例年5月から6月頭にかけて固定資産税の納付書が自宅に届きます。
一括で支払っている方もいれば、分割で支払う方もいらっしゃるでしょう。
固定資産税の納付義務者は、1月1日時点の保有者になるため、固定資産税の納付は売却を行ったとしても現在の所有者であるあなたが支払う必要があります。
ただし、一般的には決済後年末にかけての部分は所有者が買い主に変わっているためその期間は日割りにて買い主に負担いただきます。
つまり、決済のタイミングで日割りで計算した固定資産税分は支払ってもらえるということです。
マンション売却時に確定申告は必要?
マンションを売却した際に、確定申告は必要なのでしょうか。利益が出ている場合には原則必要になります。
マンションの売却損益は以下の式で算出できます。
マンション売却損益=売却価格-(購入費用+取得費用-減価償却)
単純に売却価格から取得費用を差し引くわけではありませんので注意が必要です。
取得費用とは
取得費には、売った土地や建物の購入代金、建築代金、購入手数料のほか設備費や改良費なども含まれます。なお、建物の取得費は、購入代金または建築代金などの合計額から所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額となります。
- 土地・建物の購入代金
- 建築代金
- 購入時にかかった税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税など)
- 仲介手数料
- 測量費
- 整地費・建物の取り壊し費用など
- 設備費
- 改良費
- 一定の借入金利子
つまり、物件の取得費用とは購入時の物件価格とその他費用を合算したものとすると考えやすいのではないでしょうか。
参考>>国税庁 取得費となるもの
投資用マンションは減価償却に注意
居住用マンションの場合は、減価償却のことを気にする必要は少ないでしょう。一方で投資用マンションの場合は、毎年の確定申告で減価償却費を申請しているはずです。
つまり、物件価格と取得費から減価償却分は差し引いて考える必要があります。
売却損が出た場合確定申告をすると?
売却損が出た場合の確定申告ですが、必ずしも確定申告は必要ではありませんがこちらも実施しておくと有利になるケースがあります。
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を活用すると、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。
参考>>マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)
なお、確定申告を通じてどの程度納税が必要なのかやどの程度控除が発生するかの計算については税理士に確認するようにしてください。
まとめ
今回は、はじめてのマンション売却の流れを売却活動開始から確定申告まで徹底解説していきました。
マンションの売却には平均4ヶ月程度かかり、思い立ってもすぐに完了しないものです。
そのため、いつでも売却ができるようにマンション売却の流れを知っておくことはもちろんのこと、今の売却価格、マーケットの情報など情報収集しておきたいものです。
最後に、今保有している物件がどのくらいで売却できそうか知りたい方はINVASEでは買取・仲介の両方から売却活動をお手伝いさせていただいております。
少しでも売却について検討されているのであれば無料カウンセリング売却編をご利用ください。