1. 火災保険契約は住宅ローン契約の必須条件
住宅ローンを契約しマイホームを購入するときには、火災保険への加入が欠かせません。まずは借り入れに必要な火災保険について、基礎的な知識を見ていきましょう。
期日までに契約できるよう早めに準備を
火災保険は、住宅の引き渡し日を補償開始日に設定することが一般的です。仮に補償開始日が引き渡し日より後に設定されてしまうと、無保険の期間が生じます。その間に損害が発生しても補償されません。
引き渡し日に間に合うよう、火災保険は早めに契約することが大切です。見積もりを入手し比較検討し申し込むまでの期間を想定すると、『1カ月半~2カ月前』から探し始めれば余裕を持って手続きできます。
火災保険は自分で探してよいの?
金融機関は火災保険も取り扱っていることが多いため、住宅ローンの契約時には同時に火災保険もおすすめされます。しかし特別に指定されている場合を除けば、火災保険を自分で探し契約することも可能です。
加入したことを証明する書類の提出を金融機関から求められることがあるため、事前に用意しておくとスムーズに手続きができます。
火災保険料の相場は?
見積もりを比較しても、火災保険料の相場が分からず判断できないという人もいるでしょう。火災保険料は住宅の構造や地域によって異なるため、相場が分かりにくいのが実情です。
補償内容の充実度によっても保険料に差が出るため、補償の程度もポイントといえます。建物価格・築年数・専有面積で保険料の試算ができるサービスがあるため、見積もり前に利用すると目安として役立ちます。
2. 保険料が高くなるポイント
どのような保険でも、リスクが高いと判断されると保険料は高くなります。火災保険ではどのような点がリスクと考えられるのでしょうか?
地域、建物の種類によるリスクの高さ
まず挙げられるのが、建物が建っている地域です。例えば台風の勢いが強い・豪雪地帯・土地が低く浸水しやすいというように、自然災害の影響を受けやすい場所は保険料が高い傾向があります。
建物の種類によってもリスクは変わります。火災が発生した場合、鉄筋コンクリート造よりも木造の方が燃えやすいため、木造建造物は保険料が高く設定されるのです。
専有面積の広さも保険料に影響します。広いほど損害範囲も広がる可能性があるため、保険料は高くなります。
自然災害の発生頻度
台風や大雨による自然災害がどのくらい発生するかも、火災保険料が影響を受ける要因です。火災保険は自然災害による住宅や家財の損害も補償するため、自然災害の発生頻度が高いと保険料が上がります。
近年、相次ぐ自然災害の発生により、大手保険会社は保険料を値上げしています。場合によっては、それまでより1割以上値上げされたケースもあるのです。
3. 保険料が安くなるポイント
建物や地域・自然災害の頻度が保険料を高くする要因と分かりました。では保険料を安くするためには、どのようなポイントを意識するとよいのでしょうか?
契約期間、支払方法による割引を活用
同じ補償内容であっても、契約期間や支払方法により割引を受けられることがあります。補償内容を落とさずに保険料を安くしたいなら、検討するのがおすすめです。
例えば1年契約で毎年更新するよりも、5年・10年というように『長期契約』を結んだ方が安くなります。保険会社やプランにより異なりますが、3~10%の割引を受けられる可能性があるのです。
さらに支払方法を『年払い』や『月払い』にすることでも、割引につながるかもしれません。最大10%の割引が受けられる保険会社もあるため、契約時によく確認しましょう。
保険金額を適切に設定
適切な保険金額を設定することも、保険料を安くするためのポイントです。保険金額は『再調達価額』といって、損害を受けた住宅を再建するために必要な金額で設定します。
再建築に20,000,000円必要であれば20,000,000円の保険金で契約するのです。このとき30,000,000円で契約した場合でも、損害を受けたときには20,000,000円までしか支払われません。
10,000,000円分は支払われないため、保険料が無駄になってしまいます。しかし保険料を節約したいからと保険金額を少なくし過ぎると、費用不足により再建できない可能性もあるでしょう。保険金額は再調達に必要な費用と同額を設定するのが適切です。
リスクを把握して不要な補償は外す
補償内容を確認し、不要なものは外すことも保険料の節約につながります。例えば浸水や土砂崩れの被害を受けにくい場所に住宅があるなら、水災の補償はなくてもよいかもしれません。
住宅のある場所にどのようなリスクがあるか判断するには、自治体が提供している『ハザードマップ』が役立ちます。不要な補償を検討するときの参考にしましょう。
外部からの衝突に対する補償も、車通りの少ない立地にある住宅であればリスクが低いため外せるかもしれません。特約についても見直すことで、無駄を省き適切な補償を設定するのに役立ちます。
特に個人賠償責任補償特約は、自動車保険やクレジットカードに付帯していることもあるため、二重加入になっていないか確認しましょう。
4. 一戸建て、マンションの保険料の例
火災保険の保険料は、建物の構造や立地・補償の充実度などにより異なるものです。契約するときの参考になるよう、具体的な火災保険料の例を紹介します。
三井住友海上 GK すまいの保険の場合
金融機関によっては、ローンを借り入れると火災保険料のローン団体割引を受けられるケースがあります。『三井住友海上 GK すまいの保険』では、三井住友信託銀行で融資を受けた人に限り割引が適用されるのです。
このプランで、鉄筋コンクリート造のM構造マンションに10,000,000円の保険金をかけ5年契約にした場合、1年あたりの保険料は8,300円です。火災・水災・風災・盗難・破損などが補償されます。
加えて、事故時諸費用特約や防犯対策費用特約などが自動セットされており、手厚い補償が魅力です。
火災保険 GK すまいの保険(すまいの火災保険)|個人のお客さま|三井住友海上
損保ジャパン THE すまいの保険の場合
万が一損害が発生した場合、自分で負担する金額を『自己負担額』といいます。自己負担額の金額を高く設定することで保険料を抑えることも可能です。
『損保ジャパン THE すまいの保険』では、自己負担額を30,000円にし、保険料を抑えたプランを提供しています。新築のT構造住宅に15,000,000円の保険金を設定し、水災の補償があるモデルプランでは、1年間一括払いで14,400円です。
損害が発生したときに30,000円の自己負担があってもよいと考えるなら、お得に利用できるでしょう。
個人用火災総合保険『THE すまいの保険』 | 【公式】損保ジャパン
5. 思いのほか安くなるケースもある
火災保険料は住宅の構造や補償の充実度に左右されるため、相場が分かりにくいのも無理はありません。契約するときには、自分の所有する住宅に当てはまる条件で試算してもらうと参考になります。
割引の利用や適切な保険金の設定・補償の見直しにより、予定していたより安くなるケースもあります。必要な補償を過不足なく備えた条件で、お得に契約しましょう。
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