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すまい給付金をもらうには?対象者と物件の要件を整理

  • 最終更新日: 2024年11月27日

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2014年の消費税率引き上げの際、住宅取得者の負担緩和のために国はさまざま対策を講じました。その中の一つである『すまい給付金』の利用期限が、2021年末に迫っています。すまい給付金の給付を受けるための条件について、詳しく解説します。

目次
  • 1. すまい給付金とは
    • 消費税率引き上げ負担緩和の目的で誕生
    • 住宅ローン控除との併用は可能
  • 2. すまい給付金の対象者
    • 収入が一定以下
    • 現金購入の場合は50歳以上のみ対象
  • 3. 給付対象となる住宅の要件
    • 自分が所有し居住する住宅
    • 床面積が50平米以上
    • 消費税の課税対象
  • 4. 給付額の求め方
    • 住宅取得者の収入と持分割合で算出
    • 都道府県民税の所得割額に基づき決定
    • 給付額のシミュレーション方法
  • 5. すまい給付金の申請と受領方法
    • 個人単位で申請が必要
    • 入居後、期間内に郵送または窓口で申請
    • 申請から2カ月程度で指定口座へ振り込み
  • 6. すまい給付金の受給対象か確認しよう

    1. すまい給付金とは

    『すまい給付金』は、2014年の消費税率引き上げの際、引き上げ後の消費税率が適用される住宅を取得する人の負担増分を軽減するのを目的に、現金を給付することを定めた制度です。

    まずは、すまいの給付金の誕生の背景や、利用の仕組みについて解説します。

     

    消費税率引き上げ負担緩和の目的で誕生

    2014年の消費税率引き上げの際には、負担軽減を目指してさまざまな施策が導入されましたが、その中の一つに『住宅ローン減税』がありました。

    しかし住宅ローン減税の場合、あくまで支払っている所得税等から控除する仕組みになっているため、そもそも納税額が少ない低所得者に対しては、その恩恵が小さいという問題がありました。

    そこで、住宅ローン減税による負担軽減効果が薄い所得者に対しての救済策とし導入されたのがすまい給付金です。

     

    参考:すまい給付金とは|国土交通省

     

    住宅ローン控除との併用は可能

    住宅取得やリフォームに際して住宅ローンを利用した場合には、一定の要件を満たせば所得税と住民税の一部から一定額が控除される『住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)』が利用できます。

    住宅ローン控除は、年間で最大40万円(条件により50万円まで)の控除を最長10年間(条件により13年間まで延長)にわたって受けられる制度で、すまい給付金と住宅ローン控除は併用が可能です。

    ただし、それぞれ適用条件が異なるほか、申請のための必要書類や申請方法も異なるため、併用する際にはそれぞれに対して必要書類をそろえ、申請作業を進める必要があります。

     

    住宅ローン控除についてはこちらの記事もチェック!

    住宅ローン控除の基本

    住宅ローン控除の手続きはいつまで?やり方も解説

     

    2. すまい給付金の対象者

    すまい給付金制度を利用するためには、一定の条件を満たす必要があります。では具体的に、どのような条件が設定されているのでしょうか?

     

    収入が一定以下

    すまい給付金の利用条件には、大きく分けて『対象となる人の経済状況に対する条件』と、『対象となる住宅に対する条件』の二つの要素があります。利用対象者に対する利用条件には、以下のような項目があります。

     

    • 妻が専業主婦で中学生以下の子どもが2人のモデル世帯の場合、世帯収入が消費税8%の場合は510万円以下、消費税10%の場合は収入775万円以下であること
    • 住宅購入に際して住宅ローンを利用すること
    • 2014年4月から2021年12月までに住宅の引き渡し、入居が完了していること

     

    参考:すまい給付金の対象者|国土交通省

     

    現金購入の場合は50歳以上のみ対象

    上記に示した要件は、例えば年収には大きな差がなくても、子どもが何人いるのかといった世帯環境等によって給付の対象となるのか否かが異なります。そのため実際に自分が条件に合致するのかは、申請機関に必ず確認しましょう。

    中でも特に適用条件が大きく異なってくるのが『住宅購入に際して住宅ローンを利用すること』という部分です。年齢が50歳以上の人に限り、現金で購入する場合にもすまい給付金の利用が認められています。

     

     

    3. 給付対象となる住宅の要件

    すまい給付金の給付対象となる条件には、住宅に対するものもあります。その条件についても細かくチェックしましょう。

     

    自分が所有し居住する住宅

    すまい給付金の給付を受けるための申請者は、不動産登記上の持分保有者に限定されています。さらに実際に住宅の引き渡しまたは工事の完了から6カ月以内に、その住宅に入居していることが住民票で確認できる必要があります。

    例えば会社の社宅に居住したまま新築住宅を購入し、定年まではそのまま社宅で暮らし、購入した家は賃貸に出したといった場合には、住民票は当然社宅の住所になり、すまい給付金の給付対象とはなりません。

    さらに別荘用として購入した住宅の場合も、通常住民票は普段暮らす住所に置く必要があるため、給付の対象とはなりません。

     

    参考:住宅ローン減税制度利用の要件|国土交通省

     

    床面積が50平米以上

    すまい給付金の給付対象となるためには、住宅の広さにも一定の条件が設定されています。基本的には床面積が50平米以上であることが条件です。ただし、下記のような一定期間に契約した場合には、床面積40平米以上が要件とされています。

     

    • 注文住宅の新築の場合:2020年10月1日〜2021年9月30日
    • 分譲住宅の取得等の場合:2020年12月1日〜2021年11月30日

     

    また、床面積が40平米以上50平米未満の場合には、合計所得金額が1,000万円以下の年のみが適用対象となります。

    床面積の測定方法は不動産登記上の床面積の測定方法と同じです。戸建て住宅には上から見た壁の厚みや柱の中心線で囲まれた部分を測定する「壁心」が、共同住宅には柱や建具などの内側部分である「内法(うちのり)」が適用されます。

     

    参考:住宅ローン減税制度利用の要件|国土交通省

     

    消費税の課税対象

    すまい給付金はあくまで消費税率が変更になったことに対する負担軽減施策なので、給付を受けるためには、購入する住宅に消費税率8%または10%が適用されている必要があります。

    通常住宅を購入する場合、消費税の課税対象となるのは建物部分だけで、土地は課税対象ではありません。

    中古住宅を購入する場合には、仲介する不動産会社が対象の住宅を買い取ってから販売するパターンと、所有者が不動産会社を仲介して個人に販売するパターンがあります。消費税の対象となるのは、不動産会社が買い取って直接売却する場合のみです。

    このほか、第三者の検査を受け、品質が担保されていることを証明できる住宅であることという給付条件もあります。

     

     

    4. 給付額の求め方

    すまい給付金の給付額は、消費税8%の場合で最大30万円、10%の場合で最大50万円ですが、収入額の目安によって段階的に異なります。ここでは具体的な給付額の算出方法について解説します。

     

    住宅取得者の収入と持分割合で算出

    すまい給付金の給付額は、『給付基礎額×持分割合=給付額』の公式により算出されます。このうち『給付基礎額』とは、都道府県民税の所得割額を基準として算出される数字です。

    『持分割合』とは、その不動産の自分名義の持分を指します。例えば夫1人の名前で不動産を登記した場合には、その不動産の持分割合は夫が100%ということになります。

    一方、妻と夫が権利を半分ずつ分けて登記した場合には、夫と妻それぞれの持分割合は50%ずつになります。なお、登記内容を確認したい場合には『登記事項証明書』で確認できます。

     

    都道府県民税の所得割額に基づき決定

    給付基礎額の算出基準となる都道府県民税の所得割額について、新築住宅を購入した場合、消費税8%、10%のそれぞれの場合の給付基礎額の目安は以下の通りです。

    【消費税額8%の場合】

    都道府県民税の所得割額が

    • 6.89万円以下:30万円
    • 6.89万円超8.39万円以下:20万円
    • 8.39万円超9.38万円以下:10万円

     

    【消費税額10%の場合】

    都道府県民税の所得割額が

    • 7.60万円以下:50万円
    • 7.60万円超9.79万円以下:40万円
    • 9.79万円超11.90万円以下:30万円
    • 11.90万円超14.06万円以下:20万円
    • 14.06万円超17.26万円以下:10万円

     

    対象となる収入は、引き渡し時点で発行できる直近の課税証明書の対象となる年収であり、住居の引き渡し時期によって対象期間が異なるので注意が必要です。

    • 住居の引き渡し時期が1月~6月:2年前の年収
    • 住居の引き渡し時期が7月~12月:前年の年収

     

    参考:

    収入について|国土交通省

    給付基礎額と都道府県民税の所得割額|国土交通省

     

    給付額のシミュレーション方法

    給付額については、すまい給付金のウェブサイトにあるシミュレーションツールを活用して事前に確認することが可能です。シミュレーションを行う場合には、以下の項目について入力が求められるので、事前に資料を手元に準備しておきましょう。

     

    • 取得時の適用消費税率
    • 所有権
    • 契約の種類(工事請負か不動産売買か)
    • 契約(予定)の時期
    • 引き渡し(予定)の時期
    • 入居(予定)の時期
    • 住宅ローンの利用の有無
    • 年収
    • 扶養家族の数

     

    参考:すまい給付金シミュレーション|国土交通省

     

     

    5. すまい給付金の申請と受領方法

    最後に、すまい給付金の具体的な申請方法と、給付金の受領方法について解説します。

     

    個人単位で申請が必要

    夫婦いずれかが登記上100%所有している場合には、その登記上の名義人が申請すれば問題ありません。それでは、夫婦共有名義で登記している場合には、世帯単位で申請できるのでしょうか?

    結論としては、世帯単位での申請はできず、持分保有者が個人単位で申請を行う必要があります。

    ただし夫婦共有名義の場合のように、同じ住宅に住んでいる場合には、複数の名義人が本人受領で申請する場合『まとめて申請』を利用することで、一部の重複する確認書類については提出を省略することが可能です。

    まとめて申請を利用する場合は、それぞれの申請者の書類を同時に提出する必要があります。郵送の場合には、一つの封筒に同封して提出しなければなりません。

     

    参考:よくあるご質問|すまい給付金について|国土交通省

     

    入居後、期間内に郵送または窓口で申請

    すまい給付金の申請書の提出方法には、『窓口』『郵送』『代理受領』の三つの方法があります。

    窓口の場合、不備があってもその場で指摘してもらえますが、窓口まで足を運ばなければいけません。一方、郵送の場合は不備があった場合のやりとりが大変ですが、申請に出向く手間が省けます。

    代理受領とは、住宅事業者が代理で申請を行う方法で、給付金を住宅代金の支払いにあてる場合に便利な方法です。

    なお、すまい給付金の申請期限は住宅の引き渡しを受けてから1年3カ月以内と定められているので、給付条件を満たしている場合には、必ず期限内に申請しましょう。

     

    参考:

    申請方法と受領方法(概要)|国土交通省

    代理受領について|国土交通省

     

    申請から2カ月程度で指定口座へ振り込み

    すまい給付金は、申請内容に不備がなければ、申請書提出からおよそ1カ月半~2カ月程度で指定した口座に振り込まれます。審査が完了して給付が決まると、給付金額と振込予定日が記載された『給付金額通知書』が届きます。

    もし代理受領を利用する場合には、契約時にすまい給付金事務局指定の特約を締結する必要があります。

     

    参考:

    申請方法と受領方法(概要)|国土交通省

    代理受領について|国土交通省

     

     

    6. すまい給付金の受給対象か確認しよう

    すまい給付金は、最大50万円まで受け取れる大変お得な制度です。住宅を購入した際には、自分が給付対象なのかを必ず調べ、もし対象であれば期限内に申請をしましょう。

    もし申請方法や給付金額について不明の点があれば、購入の際にお世話になった不動産会社などに相談するのがおすすめです。

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    WRITER

    著者: モゲチェックメディア編集部

    株式会社MFS

     

    モゲチェックは住宅ローンのポータルサイトです。 金融機関や不動産会社出身の住宅ローンのプロ&テクノロジー集団が運営し、公平・中立な立場で住宅ローン情報をお届けします。

    SUPERVISOR
    supervisor

    中山田 明

    株式会社MFS 代表取締役CEO

    プロフィール

    外資系投資銀行で日本初の住宅ローン証券化を手掛け、その後約10年に渡り住宅ローン証券化業務に従事してきた、日本における住宅ローンファイナンスのプロフェッショナル。フラット35を取り扱うSBIモーゲージ(現:SBIアルヒ株式会社)ではCFOを歴任。テクノロジーによる新しい住宅ローンサービスを生み出すべくMFSを創業。「住宅ローンを必要とする全ての人が、最も有利な条件で借り入れ、借り換えできる」世界の実現を目指す。

    趣味は登山で、テントを背負って槍ヶ岳や剱岳、海外ではキリマンジャロやキナバル山に登頂。

    経歴

    • 1991年3月 東京大学経済学部学部 卒業
    • 1991年4月〜 三井物産株式会社 入社
    • 1993年7月〜 モルガン・スタンレー、ベア・スターンズなど外資系投資銀行を歴任
    • 2000年8月〜 株式会社新生銀行(現:SBI新生銀行)キャピタルマーケッツ部部長
    • 2011年8月〜 SBIモーゲージ株式会社(現:SBIアルヒ株式会社)CFO
    • 2014年10月〜 株式会社MFS創業

    主な保有資格

    貸金業務取扱主任者

    登壇実績

    • 2021年9月 金融DXサミット(日本経済新聞主催)等 登壇実績多数
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