1.CPI(消費者物価指数)とは?なぜ大幅上昇?
CPIは総務省統計局が毎月発表する、消費者物価を表す指標です。前の年に対する上昇率として表されており、日本のインフレ率を表す代表的な指標として認知されています。
日本は人口減少社会なのでモノに対する需要が弱いこともあり、これまでCPIは前年比プラスマイナス0%付近で推移してきましたが、コロナ禍から徐々に経済が立ち直る中で今年に入りじわじわと上昇してきました。
読者の皆さんも食料品やガソリン価格など、身近なモノの値上がりを実感していることでしょう。そんな中で本日発表された最新のCPI(2022年4月分)は2.1%と大幅なジャンプアップとなりました。
出所:総務省統計局
今回CPIが大幅上昇したのは、大きく3つの要因があります。
1つ目はロシア・ウクライナ情勢です。
ロシアは世界屈指のエネルギー資源大国で、世界の原油生産量のおよそ1割のシェアがあります。原油はコロナ禍から世界経済が立ち直りつつあり需要が高まる中、ウクライナ侵攻によるロシア制裁で供給が減少したことで、価格が高騰してきました。
原油はガソリンの他にもプラスチックなど様々な用途で使われます。そのため、輸送コストだけでなく広範囲にモノの価格を押し上げているのです。
2つ目は円安です。
アメリカは昨年夏ごろからインフレ率が大きく上昇しており現在8%ほどとなっており、インフレ退治に向けて、アメリカの中央銀行であるFRBは3月から政策金利の「利上げ」を急速なスピードで開始しました。
利上げで米ドル金利が高くなり、通貨としての魅力が高まっていることで、ドル高・円安が進んでいます。円安は日本企業が輸入する際のコスト増に寄与し、インフレを促しています。
3つ目は日本の携帯電話料金引き下げです。
こちらは家計への影響が大きい携帯電話料金が昨年の春に大きく引き下げられたことによる特殊事情です。CPIは前年と比べた指標なので、その効果によって統計的な影響を受けました。
今回CPIが大きく上昇した背景には、こうした3つの要因があるのです。
2.住宅ローンとの関係と今後の見通し
インフレ率が上がることで、住宅ローンにはどのような影響があるのでしょうか。
結論からいうと、今のインフレによって変動金利が上がる可能性はかなり低いと考えています。固定金利も今くらいの水準が続くと見ています。
通常は過度なインフレによって景気が崩れてしまうのを防ぐために、その国の中央銀行が金融市場を引き締めることになります。具体的には政策金利を上げることになりますが、今まさにそれを実践しているのが上述のアメリカです。
一方、日本の中央銀行である日本銀行は以前より、
- 「これからインフレ率が2%を超える可能性があるが一時的だろう」
- 「インフレ率が2%を超える状態が続いても、賃金上昇が本格化しない限り金融緩和を続ける」
と、金融環境の引き締めではなく、金融緩和による景気の下支えを継続する方針を明示してきました。厚生労働省が発表する実質賃金指数も、直近はマイナス0.2%と賃金が上がっていません。
日銀の金融政策と住宅ローンの関係
出所:日本銀行よりMFS作成
日本の実質賃金指数
出所:厚生労働省
こうした日本銀行のスタンスを踏まえると、住宅ローン金利のベースである金融緩和政策が続き低金利環境が長期化する可能性が高いため、インフレが進む中でも住宅ローンは低金利が続きそうです。
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いかがでしたか?
インフレ率上昇の背景や、住宅ローンは低金利が続く可能性が高い理由を解説してきました。
みなさんの住宅ローン選びの参考になれば幸いです。
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