1.来月のフラット35の金利はどうなる?
2022年10月はフラット35の金利が1.60%、フラット20の金利が1.47%といずれも9月から0.08%上昇し、「機構団信」が基本付帯となるようリニューアルされた2017年10月以来、最も高金利になる可能性があると予想します。
これは、フラット35を運営する住宅金融支援機構が発表した「貸付債権担保住宅金融支援機構債券」(以下、機構MBS)の発行条件に基づき、モゲチェックが予想したものです。
モゲチェックでは従来より、「変動金利は安定した低金利が続き、固定金利は高止まりする可能性がある」と予想してきました。
今後も、固定金利の代表格であるフラット35の動向に注目し発信していきます。
なお、変動金利が上がらないと予想する理由については、以下の記事でも解説しています。ご興味ある方はお読みください。
>>変動金利が上がらないと予想する理由は?解説記事はこちら
住宅ローン変動金利はいつ何%へ上がる?2050年までの金利予想
住宅ローンの固定金利が上昇中!変動金利はなぜ上がらないのか?理由と予想を解説
図1 フラット35・フラット20の金利推移
図2 機構MBSの発行条件とフラット金利予想
|
2022年9月 |
2022年10月 |
差 |
機構MBS利率 |
0.50% |
0.58% |
+0.08% |
対国債スプレッド |
0.30% |
0.33% |
+0.03% |
フラット35金利 |
1.52% |
1.60%(予想) |
+0.08% |
フラット20金利 |
1.39% |
1.47%(予想) |
+0.08% |
参照元:
2.なぜフラット35金利が上がっているのか?
それではなぜ、フラット35の金利が上がっているのでしょうか。
実はフラット35の金利はその仕組み上、長期金利(10年国債利回り)をベースに機構MBSの利率が決まることで、毎月変更されています。そのため、長期金利の動向がフラット35金利に大きく影響します(図3)。
図3 フラット35金利の決まり方
そして現在の長期金利は、2016年1月に日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定して以来、最も高金利な水準で推移しています(図4)。
長期金利上昇の背景には、金融の中心地・アメリカでインフレ沈静化に向けた政策金利の利上げが歴史的な急スピードで続いていることが挙げられます。
現在でもアメリカでは8%を超える高インフレが衰えることなく続いており、政策金利の利上げは当面続くことが予想されています。結果的にフラット35をはじめとする日本の住宅ローン固定金利は、高水準での推移が続くと考えます。
図4 長期金利の推移
3.どうフラット35を予想しているのか?
図3の通り、フラット35は長期金利をベースとし、機構MBS利率によって金利が決まります。この機構MBSは毎月中旬〜下旬頃に住宅金融支援機構が発表しているため、その公表内容から翌月のフラット35の予想を立てることができます。
今回の予想は2022年9月16日に住宅金融支援機構が発表した第185回機構MBSの発行条件に基づいたもので、高水準で推移する長期金利同様に、機構MBS利率も2016年1月以来で最も高い0.58%となりました。こうした状況を踏まえ、2022年10月のフラット35の金利は過去最高を更新すると予想しました。
いかがでしたか。
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