1.三井住友信託銀行の住宅ローンの特徴
三井住友信託銀行は、信託銀行の強みを生かした商品やサービスを提供している、老舗の大手金融機関です。銀行の特徴や住宅ローンの魅力を紹介します。
信託銀行ならではの金融サービスを提供
信託銀行とは、銀行業務以外に信託業務と併営業務も行っている金融機関を指します。
信託業務とは、個人や法人から委託された財産を管理・運用することです。併営業務は不動産関連業務や相続関連業務など、銀行・信託業務に付随する業務を意味します。
三井住友信託銀行は、日本で最も古い歴史を持つ、国内最大規模の信託銀行です。三井住友トラストグループの資産運用残高は2024年3月時点で国内1位、資産管理残高は国内2位を誇ります。
信託銀行ならではのメリットを生かし、幅広い種類の金融サービスを提供していることも特徴です。資産運用・資産管理・不動産・相続など、個人向けに豊富な商品やサービスが用意されています。
ネット銀行に近い低金利水準
三井住友信託銀行の住宅ローンでは、独自ローンの変動金利・固定金利とフラット35を利用できます。独自ローンに関しては、ネット銀行に迫る低水準の金利が魅力です。
2.三井住友信託銀行の住宅ローンはこんな人に最適
三井住友信託銀行の住宅ローンが向いている人の特徴を紹介します。以下に挙げるタイプの人なら、三井住友信託銀行は有力な選択肢の一つになるでしょう。
ペアローンを組みたい
三井住友信託銀行の住宅ローンは、夫婦や親子でペアローンを組みたい人におすすめです。ローン契約時に発生する保証取扱手数料の1本分が無料になります。
ペアローンとは、夫婦や親子の収入を合算して住宅ローンを組む借入方法です。1人では借入可能額が希望額に達しないケースでも、ペアローンなら借入可能額を増やせる可能性が高くなります。
一般的なペアローンは一つの物件に対して契約が2本となるため、手数料も2本分かかるのが基本です。しかし三井住友信託銀行の住宅ローンでは、1本分の保証取扱手数料3万3,000円(税込)がかかりません。住宅ローンの初期費用を減らせるお得なサービスです。
金融取引を三井住友信託銀行口座に集約可能
三井住友信託銀行の住宅ローンは、金融取引を一つの口座にまとめたい人にもおすすめです。給料口座の設定や証券口座の申し込みを三井住友信託銀行で行えば、金利の優遇を受けられます。
口座を一つに集約して住宅ローンをよりお得に利用できる独自サービスが、三井住友信託銀行の『家計応援プラン』です。下記いずれかをお申込いただくと、住宅ローン金利を0.03%引き下げることが可能です。(投資信託自動購入プラン・家計応援プラン専用定期預金プラン・三井住友信託ダイナースクラブカード)※2025年6月時点
3.三井住友信託銀行の住宅ローン金利
三井住友信託銀行の住宅ローンの変動金利と固定金利を確認しておきましょう。フラット35の金利も紹介します。
※以下、2025年6月時点での住宅ローン金利となります
変動金利
三井住友信託銀行の住宅ローンの変動金利プランでは、借入期間中の金利引き下げ幅が一定に保たれます。
金利プラン | 全期間一定金利引下げ |
変動プラン | 年0.73%~ |
上記の金利は、借入時に融資手数料型を選択、お借入総額が物件価格の100%以下の場合のものです。
固定金利
三井住友信託銀行の住宅ローンの固定金利プランは、2~30年の間で固定期間を選択できます。固定期間ごとの適用金利を確認しましょう。
固定期間 | 当初適用金利 |
2年 | 年1.505%〜 |
3年 | 年1.555%〜 |
5年 | 年1.605%〜 |
10年 | 年1.945%〜 |
15年 | 年2.565%〜 |
20年 | 年2.805%〜 |
30年 | 年3.315%〜 |
当初特約期間終了後は、残りのお借入全期間について、変動・固定各金利コースの店頭表示金利から金利引き下げがあります。
残り期間の引下幅は当初選択した固定期間が2・3・5年の場合は年1.895%引き下げ、10年以上の場合は年1.595%引き下げとなります。
フラット35
三井住友信託銀行ではフラット35も取り扱っています。フラット35とは、返済期間を最長35年まで設定できる、全期間固定金利型住宅ローンです。借入期間と融資率により適用金利が異なります。以下は手数料定率コースの金利です。
借入期間 | 融資率 | 適用金利 |
20年以下 | 90%以下 | 年1.50% |
90%超 | 年1.61% | |
21年以上 | 90%以下 | 年1.89% |
90%超 | 年2.0% |
融資率とは、物件価格に対する借入金額の割合です。頭金を多く入れるほど借入金額の割合が下がり、適用金利も低くなります。
4.三井住友信託銀行の住宅ローンのメリット
三井住友信託銀行の住宅ローンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なメリットをチェックし、他行の住宅ローンとの比較に役立てましょう。
住宅ローン家計応援プランで金利引き下げ
住宅ローン家計応援プランは、諸条件を満たすことで金利を最大年0.03%下げられるプランです。ほかの金利引き下げと併用できるメリットがあります。
家計応援プランを利用する場合、下記いずれかをお申込が必要です。
投資信託自動購入プラン・家計応援プラン専用定期預金プラン・三井住友信託ダイナースクラブカード ※2025年6月時点
変動金利の5年ルール、125%ルールあり
三井住友信託銀行の住宅ローンの変動金利を元利均等返済で利用した場合は、『5年ルール』が適用されます。5年ルールとは、月々の返済額を5年ごとに見直すルールです。
5年ルールが適用されていれば、金利が上昇しても5年間は月々の返済額が変わりません。いきなり返済額が増えて家計が苦しくなってしまうのを防ぐことが可能です。
三井住友信託銀行住宅ローンの変動金利には『125%ルール』も適用されています。5年ごとの返済額見直しの際、前回返済額の125%を上限として見直すルールが125%ルールです。
見直し時に返済額が増えたとしても、前回返済額の125%までしか増えないため、返済負担が急激に増加せずに済みます。ただし、持ち越し分が最後まで残った場合は、一括返済を求められる点に注意が必要です。
ミックスローンを選択可能
三井住友信託銀行の住宅ローンでは、ミックスローンを選択できます。ミックスローンとは、借入金を固定金利と変動金利に分けて返済できる仕組みです。異なる金利タイプを組み合わせることで、それぞれのメリットを生かしつつリスクを分散できます。
『ワンライティングミックスローン』を利用すれば、二つのプランを組み合わせても、各種書類を1通にまとめての借入が可能です。
通常のミックスローンではプランごとに契約が必要となるため、諸費用が割高になります。しかしワンライティングミックスローンでは、提出書類や契約書類などを1通にできるため、司法書士に支払う登記費用を節約することが可能です。
保証料型と融資手数料型を選べる
保証料型と融資手数料型のいずれかを選択できるのも、三井住友信託銀行住宅ローンのメリットです。
保証料型では、保証取扱手数料と保証料がかかります。保証料の支払い方法は、一括前払い方式と金利上乗せ方式の2種類です。融資手数料は発生しません。
融資手数料型は、借入金額の2.20%を借入時に支払う必要があります。保証取扱手数料と保証料は不要です。
保証料型を選択される場合、融資手数料型の金利に0.05%〜0.25%金利上乗せとなります。
保証料型では繰上返済時に返金を受けられる可能性があるのに対し、融資手数料型では戻ってくるお金はありません。
担当者に直接相談できる
三井住友信託銀行は全国各地に実店舗を設けています。店舗に足を運べば、住宅ローンについて対面で担当者に直接相談することが可能です。
自分に合った商品を提案してもらったり、ほかの金融商品について情報を得られたりするメリットもあります。
5.知っておきたいデメリットと注意点
三井住友信託銀行の住宅ローンには、いくつか注意しておきたいデメリットもあります。重視したい要素にリスクがあるなら、他行のローンも検討したほうがよいでしょう。
審査結果によっては金利が高くなる
三井住友信託銀行の住宅ローンでは、変動金利と固定金利のいずれも、当初固定金利に幅が設けられています。審査結果によっては金利が高くなる点に注意が必要です。
金利の引き下げ幅が最大になれば、ネット銀行並みの低金利で借入を受けられます。一方、審査の評価が悪く十分な引き下げを受けられなければ、魅力的な金利とはならないでしょう。
ただし適用金利に幅があるということは、審査に通りやすいともいえます。自分がどのくらいの金利で借入できるのかを審査してもらった上で、他行と比較するとよいでしょう。
融資事務手数料は高め
三井住友信託銀行の住宅ローンで融資手数料型を選択した場合、借入金額×2.2%の融資事務手数料が発生します。都市銀行としては平均的ですが、ネット銀行と比べると割高です。
金融機関によっては、融資事務手数料を定額制としているケースもあります。三井住友信託銀行の場合、借入金額によっては定額制の金融機関より手数料が高くなるケースもあるでしょう。
場合によっては、融資事務手数料の差が10万円を超える可能性もあります。借入希望額から融資事務手数料を計算した上で、他行と比較検討する必要があるでしょう。
8大疾病特約の付帯には金利上乗せが必要
三井住友信託銀行の住宅ローンの団信には、8大疾病特約を付帯できます。8大疾病特約とは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中の3大疾病と五つの重度慢性疾患に備えられる保険です。
8大疾病特約には、年齢や保障内容により、計六つのプランが用意されています。ただし特約を付けるためには、全てのプランで金利上乗せが必要です。
保障内容が最も充実したプランになると、借入金利に年0.3%を上乗せしなければなりません。現在加入中の保険と比較し、特約を付けるべきか慎重に検討する必要があります。
当初固定金利終了後の金利優遇が大きくない
一般的な住宅ローンでは、当初固定金利終了後の金利引き下げ幅を、当初引き下げ幅より小さく設定しています。三井住友信託銀行も、当初固定金利終了後は大きな金利優遇を受けられません。
2021年11月時点での当初期間金利引き下げ幅は、年2.05~2.90%となっています。一方、期間終了後の引き下げ幅は、最大で年1.75%にしかなりません。
当初固定金利型での利用を検討するなら、固定期間終了後のことも考慮しておく必要があるでしょう。他行への借り換えを検討するのも一つの方法です。
6.三井住友信託銀行の住宅ローン申し込み手順
審査の申し込みからローン契約まで、手続きの手順を大まかに確認しておきましょう。審査に必要となる書類についても詳しく解説します。
住宅ローン審査の流れ
三井住友信託銀行の住宅ローン審査では、最初に仮審査が行われます。店舗に書類を持参して申し込めるほか、オンラインでの仮審査申し込みも可能です。
仮審査に通過したら、住宅ローンの正式な申し込みを行います。本審査にも通った場合は、返済用口座の開設や家計応援プランに必要な手続きを済ませておかなければなりません。
続いてローンの契約手続きを行い、融資が実行されればローン契約の手続きは完了です。ローン契約時には、契約者本人と保証人が店舗に行く必要があります。
審査に必要な書類
申し込みに必要な書類は、本人確認書類・年収確認資料・物件に関する資料の3種類です。ほかに借入がある場合は、それらの返済予定表も用意しなければなりません。
本人確認書類は、運転免許証・パスポート・健康保険証のいずれか一つです。年収確認資料としては、直近の源泉徴収票または課税証明書などの公的所得証明書類を準備しましょう。
物件に関する資料とは、物件の住所・面積・間取りなどが分かる書類のことです。販売用チラシ・登記簿謄本・土地公図・間取り図といった資料を求められます。
7.三井住友信託銀行は低い長期固定金利が魅力
三井住友信託銀行の住宅ローンは、30年固定金利型で融資を受けたい人におすすめの商品です。ペアローンの手数料が1本分で済むため、夫婦や親子でローンを組みたい場合にも向いています。
家計応援プランやワンライティングミックスローンなど、魅力的な独自サービスが充実している点も特徴的です。メリット・デメリットを理解し、他行ローンとの比較検討に役立てましょう。
モゲチェックでは住宅ローン金利ランキングで数多くの金融機関の住宅ローンを紹介しています。
ぜひ金利ランキングで理想の住宅ローンを見つけてください。
※本記事に掲載している記事は2021年11月現在のものです。
変動金利・固定金利の違いとは?
特徴やメリット・デメリットを解説
住宅ローンの基本的な金利タイプで、年2回(4/1と10/1)見直しされることから変動金利と呼ばれています。
金利の急変動で利用者が困らないよう、返済額を5年間据え置く「5年ルール」や月々の返済が25%以上増えないようにする「125%ルール」を設定している金融機関も多く存在します。固定金利に変更するオプションが付帯しており、金利上昇時には固定金利に切り替えることも可能です。
| 変動金利のメリット・デメリット
メリット:銀行間の低金利競争が激しく金利水準が低いため、月々の返済額を抑えることができます。
デメリット:将来金利が上がり、月々の返済額が増えるリスクがあります。対策として、金利が低いうちにしっかり貯蓄をして万が一の金利上昇に備えると良いでしょう。
| 5年ルール・125%ルールとは?
5年ルールとは、変動金利が上がっても月々の返済額を5年間一定とするルールです。5年ルール有りの場合、最初の5年間は変わらず、6年目から返済額が増えることになります。5年ルール無しの場合、翌月や翌々月から返済額が増えます。
金利が上がっても返済はすぐには増えず、5年間は変わらないというメリットがある一方、6年目になるまでは本来より低額での返済となり、完済時に未払利息が発生する可能性がある点がデメリットとなります。
125%ルールとは、5年ルールを適用している金融機関で返済額が増える際、今までの返済額の1.25倍を上限とするルールです。例えば従来の月々の返済が10万円の場合、返済がどれだけ増えても12.5万円が上限となります。
返済額が増えても上限値があるのがメリットとなる一方、5年ルール同様に本来よりも安く返済が進むため、予定通りに残高が減らず完済時に高額返済が必要となる可能性がある点がデメリットです。
| 変動金利の推移・相場は?
変動金利はバブル崩壊以降、ほぼ一貫して低下傾向を続けてきました。しかし2024年になって日銀のゼロ金利解除により、変動金利が遂に引き上げられることとなりました。いよいよ「金利のある世界」に突入したことになります。しかしながら、依然としてネット銀行を先頭に、変動金利が顧客獲得競争の主戦場という状況は続いています。
| 固定金利とは?
文字通り金利が変わらないのが固定金利です。フラット35のような全期間固定金利のほか、5年、10年など一定期間の金利を固定する固定期間選択型もあります。
| 固定金利のメリット・デメリット
メリット:返済額が変わらない安心感があります。変動金利より金利水準は高いものの、一定期間または全期間の返済額が変わらないため、長期の返済計画や生活設計を立てやすいことが特徴です。
デメリット:金利水準が高く、返済額が多くなります。返済中に大規模な金利上昇が起こらない限り、変動金利を使った場合に比べて固定金利を使う方が多額の返済となるでしょう。また固定期間選択型の場合、6年目や11年目など固定期間が終了するタイミングで、当初固定期間よりも高い金利に切り替わることが多いこともデメリットです。
| どんな人が変動金利・固定金利に向いている?
少しでも返済額を抑えたい方やコストパフォーマンスを重視する方には変動金利がオススメです。日本銀行の金融緩和政策や住宅ローン業界の競争激化を踏まえ、モゲチェックでは変動金利は今後も低金利が続くと予想しています。
一方、固定金利は金利や返済額が変化するリスクをなくしたい方に向いています。例えば最初の10年間が子どもの教育費がかさむ時期と重なるなど、住宅ローンの返済額が増えることをどうしても避けたい方には10年固定金利がオススメです。
| 変動金利・固定金利の利用割合
変動金利を選ぶ人の割合が年々増え続け、全体のおよそ7割とほとんどの住宅ローン利用者が変動金利を選んでいます。また、固定期間選択型は2割、全期間固定型は1割であり、年々減少しています。
(出所:独立行政法人住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」より)
| モゲチェックのオススメは?
モゲチェックでは低金利政策が長期化する可能性が高いとの見通しや、住宅ローン業界で顧客獲得競争が激しくなっていることから、変動金利では安定した低金利が続くと予想しています。
迷った方はまず変動金利から検討することをオススメします。最新情報は住宅ローンランキングでチェック!