1. 楽天銀行の住宅ローンの特徴
独自ローンとフラット35を取り扱い
楽天銀行では、独自の住宅ローンとして『金利選択型』と『フラット35』を取り扱っています。
金利選択型は、『変動金利』と『固定金利(2・3・5・7・10年)』の2タイプです。保証料・繰上返済手数料・団信保険料がかからず、住宅購入代金以外の諸費用が大きく抑えられるのがメリットです。
フラット35は、楽天銀行が住宅金融支援機構と提携して提供する『全期間固定金利型住宅ローン』です。返済完了までの借入金利と返済額が借入時に決定されるため、金融情勢による返済負担の変動はありません。
金利は変動金利よりも高くなりますが、無理のない返済計画を立てられるでしょう。
楽天グループならではのメリットが豊富
楽天銀行にはエントリー制の優待制度『ハッピープログラム』があり、楽天銀行口座を開設すると、会員ステージに応じた特典を享受できるのがメリットです。
- ATM利用手数料が無料(最大7回)
- 他行への振込手数料が無料(最大3回)
- 楽天ポイントの獲得倍率がUP(最大3倍)
- 振込手数料のポイント払いが可能
会員ステージは、『ベーシック』から『スーパーVIP』までの5ランク制で、楽天銀行での取引件数や預金残高に応じてステージと特典内容が決定する仕組みです。
楽天銀行の住宅ローンを借り、返済口座を楽天銀行に設定した場合は、会員ステージが1ステージアップします。他行口座を設定した場合は年0.3%の金利上乗せで借入となるため、楽天銀行口座を利用しない理由はありません。
2. 楽天銀行の住宅ローンはこんな人に最適
借入額が大きくなると、物件に関わる諸費用だけでも100万円を超える場合もあります。楽天銀行の住宅ローンは物件購入以外にほとんど費用がかからないため、安心してローンを組めるでしょう。物件価格の100%が借入でまかなえる点も魅力です。
自己資金が少ない人
楽天銀行の住宅ローンは、十分な自己資金がない人に向いています。住宅購入時、頭金を多く支払ったほうが返済負担は少なく済みますが、自己資金が少ない人は手元に現金がほとんど残らなくなる可能性があります。
頭金が貯まるのを待つといっても、その間は家賃の支払いが発生するため、ローンを早めに組んだほうが損をしないケースもあるでしょう。
楽天銀行では、『物件購入価格の100%』の借入が可能です。諸費用の一部を借入額に含められるため、住宅購入時の負担が軽減されます。
諸費用を節約したい人
借入時は住宅の購入代金のほかに、さまざまな諸費用がかかります。楽天銀行では、『保証料』と『繰上返済手数料』が不要で、ローンに関わる諸費用を大きく節約できるのがメリットです。
保証料は、債務者が保証会社と保証契約を結ぶ際にかかる費用です。『貸し倒れリスク』の軽減を目的に金融機関が導入しているもので、ローン返済が不能となった場合は、保証会社が債務者に代わって残額を支払います。
保証料は銀行ごとに異なり、借入額・支払い方法・返済期間によって金額が変動します。楽天銀行のフラット35及び金利選択型は、いずれも保証料がかかりません。
またローンの繰上返済をした際、金融機関によっては1回あたり数千円~数万円の繰上返済手数料がかかりますが、楽天銀行は0円です。
3. 楽天銀行の住宅ローン金利
楽天銀行で取り扱う『金利選択型(変動金利・固定金利)』『フラット35』の金利を比較してみましょう。同じプランでも、『設定する返済口座』や『加入する保険』によって金利が変わります。
変動金利
金利選択型の『変動金利』は、借入期間中の適用金利が変動するタイプです。
変動金利の基となる基準金利(店頭金利)は年1.167%で、適用金利は年0.517~1.167%です(2021年10月時点)。
基準金利(店頭金利) | 適用金利 | |
変動金利 | 1.167% | 0.517%~1.167% |
以下に当てはまる場合は、金利が上乗せされる点に注意しましょう。
- 100%保障がん団信(全疾病特約付)に加入した場合:+年0.2%
- 楽天銀行口座以外を返済口座に指定した場合:+年0.3%
- 夫婦連生団体信用生命保険を適用した場合:+年0.2%
楽天銀行では、年2回の『基準日(2月1日・ 8月1日)』に借入利率の見直しを行います。
- 基準日が2月1日の場合:3月の約定返済日の翌日から適用
- 基準日が2月1日の場合:9月の約定返済日の翌日から適用
固定金利
金利選択型の『固定金利』は、固定金利期間が2・3・5・7・10年から選べます。以下は、2021年10月時点での基準金利と借入金利です。
期間 | 基準金利 | 借入金利 |
2年固定 | 年1.379% | 年0.729~1.379% |
3年固定 | 年1.379% | 年0.729~1.379% |
5年固定 | 年1.388% | 年0.738~1.388% |
7年固定 | 年1.420% | 年0.770~1.420% |
10年固定 | 年1.495% | 年0.845~1.495% |
変動金利と同様に、『返済口座に他行口座を指定した場合』『夫婦連生団体信用生命保険に加入した場合』『がん保障特約(100%保障)に加入した場合』は、金利が年0.2~0.3%上乗せされます。
フラット35
フラット35の金利は、『団体信用生命保険(団信)の有無』で適用金利が異なり、『団信あり』は『団信なし』に年0.2%を上乗せした金利となります。借入額が90%以内の場合は以下の通りです(2021年10月1日時点)。
返済期間 | 団信あり | 団信なし |
15年以上~20年以下 | 年1.18% | 年0.98% |
21年以上~35年以下 | 年1.30% | 年1.10% |
借入額が90%を超える場合は以下が適用となります。
返済期間 | 団信あり | 団信なし |
15年以上~20年以下 | 年1.44% | 年1.24% |
21年以上~35年以下 | 年1.56% | 年1.36% |
加入している団信の種類によって、『団信あり』の借入金利に以下が上乗せされます。
- デュエット(夫婦連生団信)に加入している場合:+年0.18%
- 3大疾病付団信に加入している場合:+0.24%
4. 楽天銀行の住宅ローンのメリット
保証料や繰上返済手数料がかからない以外にも、楽天銀行の住宅ローンには多くのメリットがあります。特筆すべきは、『融資事務手数料』が定率式ではなく、定額である点です。借入額が多い人ほどお得さが実感できるでしょう。
団信を0円で付帯可能
『団体信用生命保険(団信)』とは、債務者が死亡や高度障害状態で借入金の返済ができなくなった場合に、生命保険会社が債務相当の保険金を金融機関に支払う仕組みの保険です。
楽天銀行の団信には、『全疾病保障』に50%保障の『がん保障』が付帯しています。所定のがんと診断された際はローン残高が半分になるため、治療を続けながら完済を目指せます。
金利選択型(変動金利・固定金利)の団信保険料は0円で、オプションをプラスしない限り料金はかかりません。フラット35の団信加入は任意(原則加入)で、加入する場合は金利が年0.2%上乗せされます。
融資事務手数料が一律
融資事務手数料は金融機関ごとに異なり、一律のところもあれば、借入額に一定の料率を掛けて算出するところもあります。
楽天銀行の金利選択型(変動金利・固定金利)の事務手数料は、借入額に関係なく、一律33万円です。
例えば、金利額を『借入金額×2.2%』と定めている金融機関で2,000万円の借入をした場合、事務手数料は44万円です。借入額が1,500万円を超える人にとっては、楽天銀行の手数料はお得といえるでしょう。
なお、フラット35の融資事務手数料は以下の通りです(最低融資事務手数料11万円)。
- 楽天銀行口座を返済口座に設定:借入金額×1.1%
- 楽天銀行以外を返済口座に設定:借入金額×1.43%
返済中に金利タイプの変更が可能
楽天銀行の金利選択型(変動金利・固定金利)は、変動金利と固定金利の変更が可能です。状況に合わせて金利が低いほうを選択できるのは、大きなメリットといえるでしょう。
低金利が続く場合は変動金利のままにし、金利が上昇する兆しがあれば、固定金利に変更する手もあります。
原則、変動金利から固定金利への変更はいつでも可能ですが、『固定金利の適用期間中』は変動金利への変更ができない点に注意しましょう。
5. 知っておきたいデメリットと注意点
楽天銀行には、フラット35以外の長期固定金利プランがないのが難点です。主力商品である金利選択型の金利も業界最低水準ではなく、人によっては他行プランのほうが魅力的に感じるかもしれません。
金利が最低水準ではない
金利選択型の変動金利と固定金利は、審査によって適用金利が変わります。例えば、2年の固定金利は、年0.729~1.379%(2021年10月時点)ですが、実際の金利がいくらになるかは、審査の結果次第です。
金融機関の中には、2年の固定金利が0.5%を切るものもあるため、複数を比較した上で決めましょう。
また、楽天銀行以外の銀行口座を返済口座に指定すると、金利が0.3%高くなります。借入期間が何年も続くことを考えると、+0.3%は大きな出費といえます。この機会に楽天銀行口座の開設も検討しましょう。
長期固定金利プランがない
多くの金融機関には最長35年の『長期固定金利プラン』があり、フラット35よりも金利が低く抑えられるケースがあります。一方、楽天銀行には10年以上の固定金利プランがなく、返済期間が10年を超える場合は、フラット35を選択するしかありません。
楽天銀行の住宅ローンは、『早期完済を目指したい人』に向いています。金利選択型であれば、『団信の保険料0円』『事務手数料が一律』『保証料が無料』といったさまざまなメリットが享受できます。
借入期間をできるだけ長くし、月々の返済額の負担を減らしたい人は、楽天銀行以外の住宅ローンを検討したほうがよいかもしれません。
6. 楽天銀行の住宅ローン申し込み手順
楽天銀行の住宅ローンの申し込みは全てWebサイト上で行えます。店舗に出向く必要がない上に、借入までの期間が最短26日と短いため、時間をかけずにスムーズに手続きを進めたいという人には最適です。
申し込みから契約までの手順
住宅ローン申し込み(金利選択型)の大まかな流れは、以下の通りです。申し込みをする前に、住宅ローンの借入要件を確認しておきましょう。
- Web申し込み
- 楽天銀行による事前審査
- 申し込み書類の記入と郵送
- 楽天銀行による本審査
- 口座振替の手続き
- 契約書類の記入
- 融資実行
Web申し込み後は、本審査に進む前の『事前審査』を行います。審査に承認されると、楽天銀行より申し込み書類一式が届くため、必要書類をそろえて返送しましょう。
『本審査』の期間は1~2週間が目安で、審査中に『勤務先への在籍確認(電話)』が行われる場合があります。
必要書類
審査過程では、借入申込書をはじめとするさまざまな書類の提出が求められます。以下は、申し込みに欠かせない『必須書類』です。
- 借入申込書
- 個人情報及び個人信用情報の取扱いに関する同意書(兼火災保険及び家財保険見積依頼)
- 団体信用生命保険申込書兼告知書
- 本人確認書類(住民票原本・健康保険証コピー・運転免許証コピー)
- 収入に関する資料(源泉徴収票コピー・住民税特別徴収税額の通知書など)
- 物件に関する書類(不動産売買契約書コピー・重要事項説明書コピーなど)
- そのほかの借入明細
必要書類は、個人の状況や選択したプランによって異なります。書類に不備や誤りがあると審査期間が長引くため、最終チェックは念入りに行いましょう。
7. 低金利と事務手数料の安さが魅力
楽天銀行の住宅ローンは、保証料がかからない上に事務手数料が安く、初期費用が大きく抑えられるのがメリットです。
金利選択型は変動金利と固定金利の2タイプから選択ができ、その時々の状況に応じて変更が可能です。審査結果によっては思った通りの金利が適用にならないケースもあるため、他行と比較した上で借入を決めましょう。
金利は業界でも比較的低いほうですが、楽天銀行以外の口座を返済口座にすると、年0.3%の金利が上乗せされる点に注意が必要です。
※本記事に掲載の住宅ローン金利は2021年10月のものです。
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