1. 住宅ローン借り換えの基本をおさらい
住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンから、途中で全く別のローンに変更することです。
低金利が続き、住宅ローン金利も低下傾向にある中、メリットのあるローンへ借り換えをする人が増えています。
借り換えは低金利時代の正攻法
住宅ローンは、数十年もの長い期間をかけて返済を続けます。時代が進み世の中が変化していくと、契約時より好条件のローンが目に留まることもあるでしょう。
そのようなときに検討に値する方法が、住宅ローンの借り換えです。特に、契約時に比べて金利が下がっている状況では、借り換えによる恩恵を受けやすくなります。
現在は超低金利時代ともいえる状況です。市場金利による影響だけでなく、金融機関の競争の激化による影響もあり、金利は下がり続けています。
金利差だけを見ても、現在は借り換えに適した時期であるといえるでしょう。
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2. 住宅ローン借り換えのメリット
借り換えをすることで、どのような恩恵を受けられるのでしょうか。主なメリットについて詳しく解説します。
ローンの返済額を減らせる
現在のローンより金利が低いローンへ借り換えられれば、利息額が減るため総返済額を減らせます。老後のための資金も、より多く残せるようになるでしょう。
残りの返済期間が同じなら、総返済額が減れば月々の返済額も減ることになります。毎月のローン返済で家計を圧迫している状況であれば、月々の返済が減ることは大きなメリットです。
返済期間を延ばせる借り換えでも、毎月の支払額を減らせます。ただし、この場合は総返済額が増えてしまう可能性がある点に注意が必要です。
長期の固定金利に切り替えることも可能
住宅ローン変動金利は長きにわたって低金利の状況が続いています。
一般的に固定金利は変動金利より金利が高めです。
低金利の状態が今後も続くとすれば、変動金利のほうが得をする可能性が高いため、よく考えて金利タイプを決める必要があります。
モゲチェックとしても、今後も変動金利が低位安定すると予測しています。
ただし、変動金利や期間限定型固定金利でローンを組んでいる場合、将来的な金利の上昇により、返済負担が重くなる可能性を完全には否定できません。
変動金利に不安がある方の場合、借り換えで長期の固定金利に切り替えれば、金利上昇のリスクに不安を抱える必要がありません。
固定金利なら、どれだけ市場金利が高くなっても、契約時の金利が完済時まで一定に保たれます。
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保障の厚い団体信用生命保険に加入できる
住宅ローンを組む際は、団体信用生命保険(団信)への加入を求められるのが基本です。団信とは、契約者の死亡時や高度障がいを負った際に、保険金が残債の補てんに充てられる生命保険を指します。
現在はさまざまな種類の団信があり、基本保障以外にも、多くの特約プランを選べるのが一般的です。現在加入中の団信にはない、魅力的な保障を備えた団信もあるでしょう。
団信は住宅ローン専用の生命保険ですが、一般の生命保険が必要ないほどにまで、内容を充実させられる場合があります。団信の切り替えを目的として、借り換えを検討するのも一つの方法です。
3. 借り換えのデメリットは?
住宅ローンの借り換えには、いくつかのデメリットがあります。中には、メリットを帳消しにしてしまうものもあるため、利用する際はデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
数々の手数料が発生する
住宅ローンの借り換えでは、さまざまな手数料がかかります。新しくローンを組む金融機関だけでなく、利用中の金融機関にもローンを終わらせるための手数料が必要です。
借り換え先の金融機関には、保証料・事務手数料・印紙税・抵当権設定登記費用などがかかります。現在契約中の金融機関には、完済手数料や抵当権抹消登記費用などを支払わなければなりません。
残高次第ではありますが、これらの費用を全て合計すると、300,000~800,000円程度の金額になるでしょう。
借り換えることで金額的なメリットがあるかどうかを、これらの諸費用も含めて検討する必要があります。
なお、現在「保証料型」の住宅ローンを借りている人は、支払った保証料が戻ってくる場合があります。この場合は、借り換えで発生した手数料を相殺することもできるでしょう。
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審査や手続きが必要になる
借り換えの際は、新規でローンを組むときと同様に、審査を受けなければなりません。審査に必要な住民票や物件に関する書類を集めるのに、ある程度の手間がかかってしまいます。
特に物件関係の書類は、手元にない場合は不動産会社から取り寄せる必要があります。全ての書類がそろうまでに、時間がかかることも頭に入れておかなければならないでしょう。
ローンの借り換えで金融機関が変わると、ローン返済の引き落とし口座も変更する必要があります。給与振込口座から直接引き落とす場合は、勤務先への手続きも行わなければなりません。
住宅ローン控除の対象外になる可能性も
住宅ローン控除を受けている場合は、借り換えにより控除の対象外になる可能性があります。借り換え後も控除を受け続けたいなら、二つの条件に注意しましょう。
一つめの条件は、新しいローンが前のローンを返済するためのものであることが明らかな点、もう一つの条件は新しいローンの返済期間が10年以上である点です。
特に、借り換え後の返済期間の設定には気を付ける必要があります。ただし、新しいローンの返済期間を10年以上に設定しても、控除を受けられる期間は一つの物件につき通算で10年です。
参考:No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき|国税庁
4. 住宅ローン借り換えはいつやるべき?
住宅ローンの借り換えには、適したタイミングがあります。いつやるべきか判断できない人は、以下に挙げるポイントを参考にしましょう。
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現在、0.8%以上の金利のローンを借りている場合
住宅ローンの借り換えによる最大のメリットは、金利差で受けられる返済額の減額です。
利用中のローンと借り換え先のローンの金利差が最低でも0.3%あれば、金額的な恩恵を受けられる可能性が高くなります。
現在、代表的なネット銀行やメガバンクの変動金利は高くても0.5%程度なので、利用中のローン金利が0.8%あるかどうかが借り換えの恩恵を受けられるかどうかの目安の一つといえそうです。
ただし金利差が参考になるのは、同じ金利タイプのローンへ借り換えた場合に限ります。金利タイプが異なるローンへの借り換えは、金利差以外の要素も含めて考慮しなければなりません。
ローンの固定期間が終わるタイミング
3年・5年・10年などの固定金利期間を選択している場合、固定期間が終わるときタイミングも借り換えにおすすめです。
当初固定期間が終了した後も期間が残っている場合、同じ金融機関で継続すると、一般的に金利優遇幅は小さくなります。そのため金利が高くなり、返済額は増えるでしょう。
借り換えで金融機関が変われば、多くのケースで金利が低くなるため、返済額を減らせます。
ただし、同じ金融機関での継続なら審査はありませんが、借り換え時には審査が必要です。また、固定期間終了まで待たないほうが、借り換えでメリットを受けられる場合もあります。
転職の予定があるなら早めに行動
住宅ローンの審査では、勤続年数をチェックされます。勤続年数が短ければ、審査で不利になるのが一般的です。
借り換え時にも新しい金融機関による審査があるため、転職の予定があるなら転職前に借り換えをするようにしましょう。
一般的には、勤続年数が2年以上なら審査に影響は与えないとされています。金融機関によっては、半年や1年以上の勤続年数がなければ、審査すら受けられない場合もあるため注意が必要です。
5. 手続きに必要な書類と流れ
住宅ローンの借り換えで準備すべき書類を覚えておきましょう。手続きの大まかな流れも解説します。
借り換えに必要な書類は?
住宅ローンの借り換えでは、新しいローンの金融機関から審査を受ける必要があります。借り換えで準備すべき書類は、主に審査で必要な書類です。
運転免許証や健康保険証などの本人確認書類や、収入面での審査に必要な住民税課税証明書・所得税納税証明書・確定申告書の控えなどを準備しましょう。
物件関係の書類や登記事項証明書、現在のローンの償還予定表、火災保険証券なども必要です。他のローンがある場合は、そのローンの返済予定表も提出しなければなりません。
必要な書類は金融機関ごとに異なります。直前になって慌てることがないよう、早めに準備を始められるようにしておきましょう。
借り換え手続きの流れ
借り換えをする際は、最初に借り換えたい金融機関の審査を受けます。本審査を通過したら、現在利用中の金融機関に、一括返済する旨を申し出ましょう。
一括返済する際は手数料がかかる場合があります。また、一括完済の申し込み期日が定められているため、手続きが間に合うようにスケジュールを調整しましょう。
一括返済の申し込みが完了したら、新しい金融機関と契約を結びます。同時に、前の金融機関の抵当権抹消登記と、新しい金融機関の抵当権設定登記を行います。登記申請は司法書士に依頼するのが一般的です。
6. 借り換えにおすすめの住宅ローン
各金融機関では、それぞれが独自の借り換えプランを用意しています。以下に挙げるおすすめのローンをチェックし、特徴や魅力を比較してみましょう。
auじぶん銀行
一般団信とがん50%保障団信の保険料に加え、印紙代・保証料・返済口座への資金移動・一部繰り上げ返済手数料が、全て無料です。
がん50%保障団信では、がんと確定診断された際に、ローン残高の50%が支払われます。つまり、がんと診断確定されただけで、住宅ローン残高が半分になる保障を無料で付帯できるのです。
ケガや病気をカバーする全疾病保障が付帯していることも、がん50%保障団信の特徴です。
手続きは全てネットで完結します。契約書の作成や書類の郵送にかかる時間や手間を削減できるため、仕事で忙しく時間がなかなかとれない人にもおすすめです。
住信SBIネット銀行
保証会社を利用していないため、保証料がかかりません。一部繰り上げ返済の手数料も無料です。総返済額を減らすための繰り上げ返済を、手数料を気にせず何度でも行えます。
団信は金利の上乗せなしで付帯できます。全疾病保障を付帯させる場合も、金利の上乗せがありません。
ネット銀行の強みを生かし、金利も業界最低水準を実現しています。諸費用負担を抑えたい人や、団信の保障をより充実させたい人におすすめです。
りそな銀行
三大メガバンクに次ぐ規模を誇るりそな銀行の借り換えローンは、ネット銀行にも劣らない低金利が魅力的です。
自宅にいながら申し込めることや、借入金額によっては収入印紙の貼り付けが不要な点も魅力です。ネットで手続きを行えば、繰り上げ返済の手数料もかかりません。
団信に関しては、医療のプロが選んだこだわりの保障『団信革命』を利用できます。三大疾病をはじめ、病気・ケガ・要介護状態など、さまざまなリスクをまかなえるプランです。
7. 自分に合った住宅ローンで借り換えしよう
住宅ローンの借り換えをすれば、ローンの返済額を減らせたり、保障がより充実した団信に切り替えられたりできます。長期固定金利に変更できる点もメリットです。
金利差が0.3%以上ある場合や、ローンの固定期間が終わるときが、借り換えに適したタイミングです。各銀行のプランを比較し、自分に最適なプランを見つけて借り換えましょう。