1.生活面に関する後悔
マンションの購入後は、生活面に関して後悔を抱きやすくなります。どのようなケースがあるのか、主な例を見ていきましょう。
近隣の騒音問題
生活面における後悔で最も多いのが、騒音問題での後悔です。外からの騒音よりマンション内を伝わる騒音のほうが、近隣トラブルを引き起こしやすいでしょう。
マンション内を伝わる主な生活音は、電話の呼び出し音・テレビの音・足音・家事の音・扉の開閉音などです。ペット飼育可の物件なら、ペットの鳴き声なども騒音になるでしょう。
特に壁や天井などを経由する『固体音』は、マンションの構造上、あちこちから響いてきます。一度気になり出したらストレスにつながりやすいのが、固体音の厄介な点です。
騒音問題で後悔しないためには、内見の際に音の響き具合などをチェックしておくとよいでしょう。中古物件なら、隣人やトラブル履歴を調べるのもおすすめです。
日当たりが良過ぎる・悪過ぎる
部屋の配置によっては、日当たりが良過ぎたり悪過ぎたりする場合があります。日当たりで後悔しないためには、部屋の向きを考慮することが大切です。
南向きの物件は、日当たりの良さで人気になりやすいタイプの部屋です。しかし、夏場に室温が高くなり過ぎたり、窓際の家具が傷みやすくなったりというデメリットもあります。
一方、日当たりが悪くなりやすいのは北向きの物件です。室内が暗くなり、湿気も多くなるでしょう。
日当たりは事前の確認がしにくい上、季節によっても差があります。部屋の向きを事前にチェックし、ある程度の対策を立てておくことも重要です。
周辺環境や立地に不満
マンションの周辺環境や立地に不満がある場合も、購入を後悔しやすくなります。近くにスーパーやコンビニがないマンションなら、買い物で不便や苦労を感じるでしょう。
思いのほか駅やバス停が遠かったり、鉄道やバスの本数が少なかったりするケースもあります。救急病院が近くにあるなら、頻繁に聞こえてくる救急車の音も気になりがちです。
周辺環境や立地に不満を抱かないようにするためには、事前の現地調査が欠かせません。実際に目で見たり歩いたりすることで、ネットなどの情報からは分からないことがある程度見えてきます。
引っ越しが難しい
分譲マンションは、賃貸に比べ引っ越しの難易度が高くなります。売ったり貸したりするのにかなりの手間がかかるほか、ローンが残っている場合とにかく完済しなければなりません。
転勤により現在のマンションから通勤できなくなったり、近隣トラブルが発生したりしたときに、引っ越しが難しいことを後悔しやすくなるでしょう。
住み替えしにくいことを後悔しないようにするためには、マンションの購入・賃貸の特徴や違いを、知識としてある程度身に付けておく必要があります。知識があれば考え方や対処法が分かるため、不測の事態が発生しても対応しやすくなるでしょう。
2.金銭面に関する後悔
分譲マンションは、お金に関することにも後悔しやすくなるでしょう。代表的なケースと対処法について解説します。
返済が生活を圧迫
分譲マンションでは、住宅ローンの返済が家計を圧迫して後悔しがちです。一般的に、ローンは数十年にわたり返済することになるため、想定外の出費が発生して返済に困るケースは十分に考えられます。
返済が生活を圧迫する理由の一つに、グレードの高いマンションを予算オーバーで買ってしまうことが挙げられます。物件に対して欲張り過ぎると月々の収支がぎりぎりになりやすく、小さな変化が起きただけで返済計画が狂ってしまうでしょう。
中古マンションを割安で購入した後、予想以上にリフォーム代が発生するケースもあります。一家の大黒柱が病気やリストラで収入源を失い、返済不能に陥るリスクにも注意が必要です。
ランニングコストが高い
自分でマンションを所有すると、さまざまなランニングコストがかかります。何も知らずに賃貸マンションから分譲マンションに移り住み、ランニングコストの高さに後悔する人もいるでしょう。
マンションを購入した人には、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。大規模修繕に備えるための修繕積立金も毎月徴収されます。
賃貸物件に住んでいる間は、これらの費用は発生しません。固定資産税や都市計画税、修繕積立金は、物件の所有者に支払い義務があるためです。
戸建てとマンションを比較した場合、マンションでは駐車場代が余計にかかります。駐車場代が高い地域では、戸建てに比べランニングコストが大幅に高くなるでしょう。
3.新築マンション購入に関する後悔
新築マンションを購入した場合、以下に挙げる二つについて後悔しがちです。新築マンション特有のリスクを知っておきましょう。
完成後のイメージが異なった
一般的に、新築マンションの入居者募集は、マンションが完成する前に始まります。完成後の内装や設備をイメージしやすいように、モデルルームで内見を行うのが基本です。
しかし、モデルルームはあくまでも完成後のイメージに過ぎないため、完成後の実際の様子とは異なるケースがあります。モデルルームの内装を気に入っていた場合は、購入後に後悔することもあるでしょう。
新築マンションにおいて、モデルルームと現物が異なるリスクはどうしても発生するものだといえます。中古マンションなら、基本的に現物を見た上で購入を検討することが可能です。
購入後に資産価値が暴落した
新築マンションの購入に関しては、売りたくなったり売らざるを得なくなったりした際、予想以上の安値で後悔するケースがあります。
住宅ローンの返済ができなくなり、任意売却をして残債にあてても、まだ借金が残ってしまうパターンも多いでしょう。新築にこだわって無理をしたときにありがちな例です。
一般的に、新築物件は購入した瞬間に中古物件扱いとなり、資産価値が暴落します。盲信的に新築にこだわるのではなく、中古も含めて多角的に検討することが大切です。
4.中古マンション購入に関する後悔
中古マンションの購入でありがちな後悔についても知っておきましょう。実際に購入を検討する場合や、新築と悩んでいる場合に役立ちます。
理想のリノベーションができなかった
中古マンションの大きな魅力の一つに、リノベーションで思い通りの家にできることが挙げられます。リノベーションを前提とした中古マンションなら、内装にかかわらず好立地物件を安価で購入しやすくなります。
ただし、希望するプランを全て実現できるとは限りません。どこまで改装できるかを把握していなければ、理想のリノベーションができずに後悔することになるでしょう。
リノベーションは、建物の構造・設備や管理体制、隣接住戸との関係などの制約を受けます。マンションの管理規約を確認したり、建物の構造・設備を工事業者に見てもらったりする必要があります。
リノベーション費用が高額になった
中古マンションのリノベーション費用が高額になり、予算が足りなくなって後悔するケースもあります。設備選びに欲張ると、予算をオーバーしがちです。
設備の優先順位を決め、重要視しない設備のグレードについては妥協すれば、リノベーション費用が高額になるのを防げるでしょう。
優先順位を決めておくことで、妥協したことによる後悔も残りにくくなります。どうしても譲れない部分さえ希望がかなえられれば、ほかの設備の選び方には納得できるでしょう。
住宅ローン控除の対象外
マイホームの購入時に一定の条件を満たせば、住宅ローン控除の適用を受けられます。ただし、中古物件を購入する場合は、新築物件の適用条件以外にも満たすべき条件がある点に注意が必要です。
新築マンションであれば、適用条件を満たしているものがほとんどでしょう。一方で中古マンションの場合は、『耐震基準に適合』などの条件をクリアしなければなりません。
適用条件を知らないまま、条件を満たさない中古マンションを購入してしまうと、住宅ローン控除の対象外だと分かったときに後悔することになります。
築古マンションは耐震・耐久性に不安
地震が発生するたびに揺れを感じると、中古マンションであることに対する不安が増し、後悔することもあるでしょう。マンションには耐震基準が設けられており、築年数が古いマンションの中には、現在の耐震基準をクリアしていないものもあります。
現在の耐震基準は1981年に制定されています。1981年頃に経ったマンションが気になった場合は、現在の耐震基準に合致しているかを確認しましょう。
ただし、耐震改修や補強をしっかりと行っていれば、旧耐震基準のマンションでも丈夫な建物は数多く存在します。
耐久性の悪さで後悔しやすいのも、中古マンションの特徴です。配管・外壁・階段などが老朽化していると、汚れやにおい、危険な部分などが気になるでしょう。
建物の管理がしっかりと行われていれば、耐震性や耐久性に関する問題は発生しにくくなります。管理や修繕が定期的に行われているか、事前に確認することが大切です。
5.物件選びに関する後悔
物件選びで失敗してしまうと、さまざまな不満が生まれる恐れがあります。物件選びに関する代表的な後悔を見ていきましょう。
情報収集が不足していた
物件選びの際に情報収集が不足すると、予想外の状況になった場合などに後悔することがあるでしょう。物件の判断材料として、情報は多いに越したことはありません。
例えば、隣人が何かとクレームをつけてくる人だった場合などは、オーナーに確認すれば事前に分かっていた可能性があります。周辺環境や立地に不満があるケースでも、事前の情報収集で分かることは少なくありません。
情報収集不足で後悔しないためには、マンション購入後に発生し得るリスクを把握し、リスクを回避できるように情報を集めることが重要です。
業者選びを失敗した
マンション購入時には、不動産会社やリノベーション会社などの業者を利用することになります。業者選びに失敗してしまうと、後悔することにもなりかねません。
例えば、不動産会社の中には、仲介手数料を不当に請求する業者が存在します。仲介手数料の上限は法律で決まっているため、事前にチェックすることで悪徳業者を見分けることが可能です。
リノベーション会社選びの失敗例としては、仕上がりに満足できないケースや、工事中の追加工事に不安を感じるケースなどがあります。しっかりと意思疎通を図れる業者を選ぶことが大切です。
部屋の数や間取りが不満
初めてマンションに住む場合は、部屋数や間取りをイメージしにくいものです。実際に住んでみて、思ったより広過ぎたり狭過ぎたりした場合は、後悔することになるでしょう。
部屋数や間取りに不満を感じないようにするためには、どのような住まいになるのか意識的にイメージすることが大事です。モデルルームや現物で確認できれば、実際の暮らしの様子もイメージしやすくなるでしょう。
物件を立地や価格のみで選んでしまうと、部屋数や間取りの確認がおろそかになってしまいます。余計なリフォーム費用を発生させないためにも、部屋数や間取りは事前にきちんとチェックしましょう。
6.購入後に後悔してしまったら
マンションを買った後に後悔した場合の対処法には、売却とリノベーションの2種類があります。それぞれの具体的な内容を確認しておきましょう。
売却して住み替える
マンション購入後に立地や近隣トラブルなどで後悔してしまった場合、売却して住み替えれば不満を解消できるでしょう。住み替えの方法には、『買い先行』と『売り先行』の2種類があります。
新居を先に購入する買い先行は、現在のマンションに住みながらじっくりと新居を探せる点がメリットです。ただし、住宅ローンを二重に借りなければならないリスクがあります。
一方、現在のマンションを先に売却する売り先行では、売却した金額も考慮して新居を探すことが可能です。デメリットとしては、仮住まいが必要になる点が挙げられます。
いずれの場合でも、資産価値が残っている間に売却することを意識しましょう。すぐに売りたい場合は、不動産業者に買い取ってもらうのも一つの方法です。
リノベーションをする
部屋の間取りや設備面で後悔しているなら、リノベーションで対応できる可能性があります。リノベーションで不満を取り除けるのであれば、住み替えより費用を安く抑えることが可能です。
周辺環境や立地を気に入っている場合は、リノベーションをするとよいでしょう。全面リノベーションを行った物件は、そのままの状態で住み続けるより、資産価値が下がりにくいのもメリットです。
ただし、リノベーションで改装できる範囲には限界があります。リノベーションで不満を解消できないなら、住み替えを検討せざるを得ないでしょう。
7.後悔しないマンション購入のポイント
分譲マンションの購入で後悔しないようにするためのポイントを紹介します。以下に挙げる項目を意識すれば、リスクやデメリットをある程度回避できるでしょう。
無理のない資金計画を立てる
返済が苦しくなることで後悔しないようにするためには、無理のない資金計画を立てることが大切です。資金計画を考える際は、返済比率を基準にしましょう。
返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合です。返済比率を20%以内に抑えられれば、余裕を持って返済を続けやすくなるでしょう。
住宅ローンの頭金にも注意が必要です。頭金をできるだけ多く入れれば、借入額を増やせる可能性があります。ただし、頭金を大きくし過ぎると予備費に回せる手元資金が少なくなるため、万が一の事態に備えてある程度残しておくことも重要です。
将来のライフスタイルを想像し検討する
マンションを購入する際は、将来のライフスタイルも考慮しましょう。子どもが生まれて家族が増えると、手狭な部屋なら住み心地が悪くなり後悔することになりかねません。
余裕を持った部屋数や間取りのマンションを購入しておけば、家族構成の変化にも対応しやすくなります。近隣に保育園や学校があれば、子育てもしやすくなるでしょう。
老後まで住むことを考えるなら、バリアフリーを意識した内装にするのも一つの方法です。何度もリフォームを行わなくても済むように、先々のこともイメージして検討しましょう。
物件周辺の環境もチェックする
マンションの周辺環境は、住み心地を左右する重要な要素の一つです。できるだけ現地に足を運び、自分の目で確かめるようにしましょう。
スーパーやコンビニだけでなく、病院・郵便局・公共施設などもあると、より便利に生活を送れます。あると役立つ施設以外に、子どもに悪影響を与えるような施設がないかも確認できればベストです。
現地調査は1回のみ行うのではなく、時間帯や曜日を変えて何度も行うのがおすすめです。通勤路の夜間の明るさや、曜日による混雑具合の違いなど、さまざまな視点から多くの情報を集めておきましょう。
8.よくある後悔事例を物件選びの参考にしよう
マンション購入後に不満を感じるようなことがあると、購入を後悔してしまうケースもあるでしょう。よくある事例を知り、対策を講じておけば、後悔しないマンションを選びやすくなります。
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