1.北陸銀行の住宅ローンの特徴
富山県を拠点とする北陸銀行は、北陸3県と北海道を中心に地域密着型の営業を展開する地方銀行です。銀行の基礎知識や住宅ローンの特徴を紹介します。
富山県に本店を置く地方銀行
「ほくぎん」の通称で呼ばれる北陸銀行は、富山県富山市に本店を構える地方銀行です。1877年から続く長い歴史を持ち、2004年には北海道銀行と経営統合を行いました。
北陸銀行の主な営業エリアは、富山県・石川県・福井県の北陸3県と、北海道・東京・大阪・名古屋です。各地域に根差した営業を展開しながら、地元企業の海外進出もサポートしています。
北陸銀行の住宅ローンは、北陸エリアや北海道でマイホームを購入したい人に最適です。物件のエリアごとに異なるメニューを提供しているという特徴を持っています。
独自ローンとフラット35を取り扱い
北陸銀行の住宅ローンでは、銀行独自のローンとフラット35の取り扱いがあります。独自ローンの商品名は、「ほくぎん住宅ローン」と「ほくぎん手数料定率型住宅ローン」です。
ほくぎん住宅ローンでは変動金利と固定金利、ほくぎん手数料定率型住宅ローンでは固定金利が用意されています。ネット銀行やメガバンクと比べて、金利はやや割高です。
北陸銀行は固定金利を10年固定までしか選べないため、長期固定金利でローンを組みたい場合はフラット35を検討しましょう。最長35年まで当初金利が変わらない住宅ローンを利用できます。
金利は居住エリアによって異なる
北陸銀行のほくぎん手数料定率型住宅ローンは、富山県・石川県・福井県・北海道で住宅ローンの利用を検討している人向けの商品です。基本商品であるほくぎん住宅ローンより当初金利が優遇されます。
保証料が無料になる点や、8大疾病団信の金利上乗せがない点も、ほくぎん手数料定率型住宅ローンの特徴です。指定4道県で利用する場合は、低金利と併せて強力な決め手となるでしょう。
一方、4道県以外の人がほくぎん住宅ローンを利用する場合は、金利が高めになります。保証料や団信に関する優遇も受けられないため、メリットは少なめです。
2.北陸銀行の住宅ローンはこんな人に最適
北陸3県や北海道でマイホームを取得したい人には、北陸銀行の住宅ローンが最適です。普段から北陸銀行を利用している人にも向いているでしょう。
北陸エリアか北海道に自宅を購入したい人
北陸銀行の住宅ローンは、富山県・石川県・福井県・北海道で自宅を持ちたい人に適しています。エリア限定商品を利用すれば、金利の優遇を受けることが可能です。
ただし、北陸銀行で変動金利の住宅ローンを利用したい場合には、エリアを限定しない基本商品を選ぶ必要があります。変動金利は決して低くないため、低金利にこだわる人には向かないでしょう。
地域密着型の地銀で個人の事情に融通を利かせてもらいたい人にも、北陸銀行はおすすめです。店舗に行けば担当者と相談しながらプランを設計できるため、ネット銀行と違って、状況に合わせて臨機応変に動いてもらえる可能性があります。
北陸銀行を日頃利用している人
北陸銀行の住宅ローンの新規借入金利が適用されるのは、北陸銀行の口座で給与を受け取っている人、または受け取る予定の人のみです。既に北陸銀行で給与を受け取っている場合は、スムーズに手続きを進められるでしょう。
住宅ローンの利用で銀行独自のポイントを貯められるのも魅力です。ポイントを貯めれば貯めるほど、北陸銀行をお得に利用できるさまざまなサービスを受けられます。
ポイントを貯めれば各種手数料が無料になる点も特徴です。日頃から北陸銀行を使っている人なら、住宅ローンで獲得したポイントを有効活用できるでしょう。
3.北陸銀行の住宅ローン金利
北陸銀行の住宅ローン商品は、手数料定率型住宅ローンと基本の住宅ローン、フラット35の3種類に大きく分けられます。2025年1月におけるそれぞれの金利をチェックしましょう。
手数料定率型住宅ローン
北陸銀行のエリア限定型商品が手数料定率型住宅ローンです。基本の住宅ローンに比べ、金利が優遇されています。適用金利は以下の通りです。
<ほくぎん手数料定率型住宅ローン>
金利タイプ | 適用金利 |
固定3年 | 年0.350% |
固定5年 | 年0.510%(北海道では年0.71%) |
手数料定率型住宅ローンで選べる金利タイプは、3年固定と5年固定のみです。当初固定期間終了後は、変動金利または固定2年・3年・5年・10年の中から再度選択できます。
富山県・石川県・福井県で手数料定率型住宅ローンを利用する場合、当初固定期間終了後の金利引き下げ幅は年1.3~1.7%となっています。北海道で利用する場合の引き下げ幅は年0.9%です。
変動金利
北陸銀行の基本商品であるほくぎん住宅ローンでは、変動金利と固定金利が選べます。ほくぎん住宅ローンの変動金利をチェックしましょう。
<ほくぎん住宅ローン>
金利タイプ | 適用金利 |
変動金利 | 年1.125% |
北陸銀行の変動金利は、総じて金利が高い他の主要地銀と比較しても、割高なレベルです。エリア限定型商品を選べる地域でも、変動金利は金利優遇を受けられない点に注意しましょう。
固定金利
ほくぎん住宅ローンでは、変動金利以外に4種類の固定金利タイプも選択できます。それぞれの利率は以下の通りです。
<ほくぎん住宅ローン>
金利タイプ | 適用金利 |
固定2年 | 年0.600% |
固定3年 | 年0.700% |
固定5年 | 年1.000% |
固定10年 | 年1.300% |
ほくぎん住宅ローンでは、当初固定期間終了後も当初の金利引き下げ幅が完済時まで適用されます。金利引き下げ幅は年0.7~1.7%です。審査により引き下げ幅が決定します。
北陸3県や北海道で固定2年または固定10年のローンを組みたい場合、エリア限定型商品には固定2年や固定10年がないため、ほくぎん住宅ローンを選ぶしかないでしょう。
フラット35
北陸銀行のフラット35は、融資率と融資期間により金利が異なります。具体的な適用金利は次のようになっています。
融資率 | 返済期間 | 適用金利 |
9割以下 | 20年以下 | 年1.520% |
9割以下 | 21年以上35年以下 | 年1.910% |
9割超 | 20年以下 | 年2.030% |
9割超 | 21年以上35年以下 | 年2.420% |
融資率とは、物件購入価格に対する融資金額の割合です。借入時に1割超の頭金を用意すれば融資率が9割以下となるため、より低金利で融資を受けられます。
フラット35の取扱手数料は11万円(税込)です。フラット35の返済用口座と北陸銀行の給与受取口座を同一に設定すれば、取扱手数料が5万5,000円(税込)に割引されます。
4.北陸銀行の住宅ローンのメリット
北陸銀行の住宅ローンを利用すると、どのような恩恵を受けられるのでしょうか。他行のプランと比較検討する際に役立つ代表的なメリットを知っておきましょう。
店舗で住宅ローンについて相談できる
北陸銀行の住宅ローンのメリットとして、住宅ローンの相談を対面で行えることが挙げられます。最寄りの店舗に出向けば、プロのスタッフとの相談が可能です。
北陸銀行の営業エリアには、銀行の支店以外にローンプラザも設けられています。土日祝日に営業を行っているローンプラザなら、平日は仕事で忙しい人でも利用しやすいでしょう。
ローンプラザは予約なしでも利用できますが、土日祝日は混雑することが予想されます。無駄な待ち時間を作らないためにも、予約を入れて出向くのがおすすめです。
雇用形態や勤務年数の条件がない
北陸銀行の住宅ローンを利用できる条件は、『安定的かつ継続的な収入が見込まれる方』となっています。雇用形態や勤続年数に関する明確な条件を定めていない点はメリットです。
他行の商品で自分の属性が審査条件に引っかかる人でも、北陸銀行なら利用できる可能性があります。年収が低い人や転職直後の人、非正規社員として働く人におすすめです。
ただし、安定的・継続的な収入が見込めると認められる必要があるため、あまりにも属性が低い人は不利になります。審査に落ちたり利用条件が悪くなったりするケースもあるでしょう。
電子契約が可能なので印紙代を節約できる
北陸銀行の住宅ローンでは、審査の申し込みやローン契約の手続きをネットで行えます。ローン契約を電子契約で行うと、印紙代の節約につながるというメリットがあります。
印紙税法により、課税文書に指定されている文書を取り交わす際には、所定の条件を満たす場合に印紙税が課税されます。紙の住宅ローン契約書は課税文書であるため、基本的には印紙税を納税しなければなりません。
手数料定率型住宅ローンなら団信がお得
北陸3県と北海道で利用できる手数料定率型住宅ローンなら、8大疾病保障団信に金利上乗せなしで加入できます。一般団信より保障を手厚くすることが可能です。
8大疾病保障団信では、死亡や高度障がいに加え、がん・脳卒中・急性心筋梗塞と五つの重度慢性疾患に備えられます。パートナーの女性特有のがんを保障してくれる点も特徴です。
ただし、手数料定率型住宅ローンの8大疾病保障団信に金利上乗せなしで加入できるのは、満20歳以上50歳以下の人に限られます。満51歳以上なら金利に年0.3%上乗せされることに注意が必要です。
ほくぎんポイント倶楽部のポイントが貯まる
北陸銀行では、独自のポイントサービスである『ほくぎんポイント倶楽部』を運営しています。住宅ローンを利用すると、ポイントを獲得することが可能です。
ほくぎんポイント倶楽部では、住宅ローン以外にもさまざまな取引でポイントを貯められます。獲得ポイント数に応じてステージがアップし、お得なサービスを利用できる仕組みです。
ほくぎんポイント倶楽部に登録する際の費用は発生しません。普段から北陸銀行を利用している人なら、住宅ローンを組むことでさらに利便性が高まるでしょう。
5.知っておきたいデメリットと注意点
北陸銀行の住宅ローンには、メリットだけでなくデメリットもあります。適切な対策を講じるためにも、注意すべきポイントを押さえておきましょう。
ネット銀行等と比較し金利は割高
北陸銀行の住宅ローン金利は、ネット銀行やメガバンクと比べて割高です。地銀は限られたエリア内で営業しなければならないため、どうしても金利が高くなってしまうのです。
できるだけ低金利で住宅ローンを利用したい人には、北陸銀行は向かないでしょう。特に、現在の低金利時代における変動金利の低さを重視したい人にとって、北陸銀行の変動金利はおすすめできません。
ただし、地元密着型の地銀では、担当者と相談することで個別に金利の優遇を受けられる可能性もあります。大幅な引き下げは期待できないものの、交渉してみる価値はあるでしょう。
審査結果によって金利が上がる
北陸銀行の住宅ローンの各プランで提示されている金利は、いずれも最優遇金利と呼ばれるものです。審査結果次第では金利が上がる可能性もあります。
一般的に、住宅ローンの契約を結ぶかどうかは、審査結果を見た後に決めることが可能です。自分の属性に自信がない場合は、複数の金融機関の審査に申し込んだ上で、実際に審査結果で提示された金利を比較する必要があります。
ただし、北陸銀行の審査で金利が上がってしまうケースでは、他行の審査に通らない場合もあるでしょう。審査に通らなければそもそもローンは組めないため、金利が上がってもローンが組めることを優先すべきか、慎重な判断が必要です。
北陸エリア以外の人はメリットが少ない
知っておきたいデメリットとしては、北陸3県や北海道以外での利用にメリットが少ないことも挙げられます。北陸銀行でお得に住宅ローンを組みたいなら、ほくぎん手数料定率型住宅ローンの利用が大前提です。
ほくぎん手数料定率型住宅ローンなら、固定3年と固定5年の金利プランで、大幅な金利引き下げの優遇を受けられます。通常金利が約半分にまでなるほどの引き下げ幅です。
保証料や8大疾病団信が無料になるなど、ほくぎん手数料定率型住宅ローンには金利以外にも大きなメリットがあります。北陸3県や北海道以外でローンを組みたい場合、これらのメリットは受けられない点に注意が必要です。
最低金利利用には給与口座指定が必要
北陸銀行の住宅ローンを最低金利で利用するためには、給与振込口座を北陸銀行に指定する必要があります。給与を他行で受け取っている場合、口座を移さなければなりません。
勤務先によっては、給与振込口座を簡単に変えさせてくれないケースもあります。給与振込先銀行が増えると、会社側の振込手数料の負担が増すためです。
会社による給与振込先銀行の指定は、法律上は不可となっています。しかし、給与振込先銀行を指定している会社が一定数存在するのも事実です。
このような会社では、指定銀行以外の銀行を指定すると、振込手数料の自己負担を求められる場合もあります。給与振込口座を変更するにあたっては、面倒な事態に発展する可能性があることを覚えておきましょう。
6.北陸銀行の住宅ローン申し込み手順
北陸銀行では、インターネットによる住宅ローンの申し込みを行うことが可能です。手続きの大まかな流れや必要書類を紹介します。
審査から契約までの流れ
北陸銀行の住宅ローン審査は事前審査と正式審査の2段階です。公式サイトにログイン後、マイページからオンラインで事前審査への申し込みを行えます。
事前審査の申し込み時には、申し込み情報の入力に加え、申し込み情報に関する書類もアップロードしなければなりません。審査結果は銀行からの電話で分かるほか、マイページでも確認可能です。
事前審査に通過したら、正式審査のための申し込みや資料提出を行います。正式審査でも問題がなければ、住宅ローン契約を結べるようになります。
ローン契約は店頭または電子契約で締結することが可能です。ネットによる手続きが不安な場合は、審査の申し込みから店頭で行いましょう。
申し込みに必要な書類
審査の申し込み時には本人確認書類の提出が必要です。『運転免許証または住民票』と『健康保険証』を用意しましょう。健康保険証は勤続年数の確認に使われます。
給与所得者の場合は、収入確認書類として『源泉徴収票』と『所得・課税証明書または市民税・県民税特別徴収税額通知書』も準備しなければなりません。北陸3県で申し込む場合は、いずれか1点の提出でも受け付けてもらえます。
物件関連書類の提出も必要です。『土地や建物の登記簿謄本』『土地公図』『売買契約書』『重要事項説明書』『建築確認通知書』などを準備しておきましょう。
7.北陸・北海道在住者におすすめの住宅ローン
北陸銀行の住宅ローンは、北陸3県と北海道に住んでいる人に向いている住宅ローンです。大幅な金利の優遇を受けられるエリア限定型商品が用意されています。
店舗で相談しながらプラン設計を行えることや、雇用形態・勤続年数の審査条件がないことも、北陸銀行住宅ローンのメリットです。銀行の営業エリアでマイホームを買いたいなら、有力な選択肢の一つとなるでしょう。
8.北陸銀行の住宅ローンに関するよくある質問
北陸銀行の住宅ローンの利用を検討するにあたって、よくある質問についてまとめました。完済年齢や、借入可能金額の目安を知っておきましょう。
北陸銀行の住宅ローンの完済年齢を教えてください。
北陸銀行の『ほくぎん住宅ローン』と『ほくぎん手数料定率型住宅ローン』の年齢に関する条件は、融資時の年齢が満18歳以上71歳未満であることと、完済時に満80歳未満であることです。これらの商品では最大40年までの借り入れが可能です。なお、フラット35の借入期間は最大35年間ですが、完済時年齢の上限は同様に満80歳未満となっています。
住宅ローン借入可能金額は年収の何倍ですか?
北陸銀行の住宅ローンにおいても、他金融機関と同様に、借入可能金額は30~40代の正社員・公務員の場合は年収の7~8倍が目安になります。年齢がそれ以上またはそれ以下の方や、雇用形態・年収によっては4~5倍を目安に考えたほうがよい場合もあります。借り入れを検討している方は、無料で使えるモゲチェックの「住宅ローン診断」で融資承認確率を知ることもできますので、ぜひ試してみてください。
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※本記事に掲載している記事は2021年11月現在のものです。
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