1.注文住宅建設の費用は大きく二つ
注文住宅を建てる際は、土地と建物に費用が発生します。予算を考える前に、まずは土地と建物にかかる費用の内訳を覚えておきましょう。
土地購入にかかる費用
土地を所有していない場合は、建物を建てるために土地を購入しなければなりません。土地の購入費用において大きな割合を占めるのが土地代です。土地代には、面積や立地が大きな影響を与えます。
高額な取引となるため、売買契約時に土地代の約1割の手付金を支払うのが一般的です。残りの代金は土地の引き渡し時に支払います。
不動産会社を通して土地を購入する場合は、不動産会社への仲介手数料が必要です。土地代が400万円超なら、『土地代×3%+6万円』が仲介手数料の上限額となります。
そのほか、所有権登記で発生する登記費用や、売買契約書に課される印紙税も支払わなければなりません。土地に前の建物が残っているなら、解体撤去費用もかかります。
建物にかかる費用
注文住宅の建物にかかる費用は、『本体工事費』『付帯工事費』『諸費用』の三つに大きく分けられます。
基礎工事費・木工事費・内外装工事費など、建物自体の建築費が本体工事費です。建物にかかる費用の70~80%を占めます。
付帯工事費は、建物本体以外にかかる工事費です。引き込み工事費や外構工事費などが該当します。建物にかかる費用の10~20%が目安です。
諸費用には、工事請負契約の印紙代・登記手数料・住宅ローン契約手数料・家具や家電などの購入費が含まれます。主に事務や新生活に関連する費用です。
2.建物にかかる費用の詳細
注文住宅の建物にかかる費用のうち、本体工事費・付帯工事費・設計料について詳しく解説します。具体的にどのような費用なのかを確認しておきましょう。
本体工事費
本体工事では、建物の土台を作る『基礎工事』や工事のための足場・トイレを作る『仮設工事』、構造材などを加工する『木工事』が行われます。
外壁や屋根を装飾する『外装工事』や、天井・内壁・ドアなどを仕上げる『内装工事』も必要です。『設備機器工事』や『電気・水道工事』も実施されます。
住宅の広告で表示されている金額は、本体工事費のみを指しているケースがあります。本体工事費は建物にかかる費用の70~80%を占めるに過ぎず、実際にかかる費用とは違う点に注意しましょう。
付帯工事費
本体工事以外で発生する付帯工事には、照明器具・エアコン・カーテンの工事や水道・ガスの引き込み工事、塀・土間・庭などの外構工事などが該当します。
付帯工事費には、残された建物の解体工事費が含まれる場合もあります。建物にかかる費用のうち、10~20%を占めるのが一般的です。
付帯工事費は、場合によっては必要のない工事費が含まれているなど、状況や要望により金額に大きな差が出ます。工夫次第で建物にかかる費用を抑えられる部分です。
設計料
建物にかかる費用には、設計料が含まれています。設計料とは、建物の基本・実施設計や工事監理で発生する費用です。
工務店やハウスメーカーが工事を行う場合、設計料の相場は総工事費の2~5%とされています。ただし、設計料は別途費用として扱わず、本体工事費などに含まれているケースがほとんどです。
設計料無料を謳っているケースでも、必ず設計料は発生しています。工事を依頼する際は設計料も確認し、設計の責任は誰にあるのか、相場に近い金額かどうかなどの点をチェックしましょう。
3.予算はどれくらい必要?
データから見る注文住宅の平均費用を知り、予算を考える際の参考にしましょう。注文住宅の予算は調整が可能であることもポイントです。
平均費用はどれくらい?
国土交通省が公表する『令和3年度 住宅市場動向調査報告書』を見ると、注文住宅にかかる費用の全国平均が分かります。
建物と土地を購入した新築世帯の平均費用は5,112万円です。また、土地を所有しており建物のみ購入した世帯の平均費用は3,299万円となっています。
土地の価格は立地による差が大きい
土地付注文住宅の費用は地域ごとに大きく異なります。土地の価格が立地により違うことが主な原因です。
住宅金融支援機構の『2021年度 フラット35利用者調査』では、土地付注文住宅にかかった費用について、都市部とそれ以外で違うことが分かります。
土地付注文住宅の所要資金の平均額は、首都圏5,133万円・近畿圏4,658万円・東海圏4,379万円です。一方、その他の地域の平均額は3,980万円となっています。
首都圏とその他の地域を比べると、1,000万円以上の差があります。土地付注文住宅の予算を考える際は、立地の違いによる土地代の差も考慮する必要があるでしょう。
参考:2021年度 フラット35利用者調査 P.11|住宅金融支援機構
注文住宅の予算は調整が可能
注文住宅とは、文字通り業者に注文してから建築が開始される家です。建物の構造・間取り・設備など、全ての要素に対して自分の希望を注文できます。
ハウスメーカーや工務店側も、注文者の希望に応じられるよう、さまざまな価格帯の住宅を作れるように準備しています。予算を調整してマイホームを作れることが、注文住宅の大きなメリットです。
注文住宅の建築費として最も多い価格帯が2,000万~3,000万円台です。1000万円台の注文住宅は、工夫を凝らしてコストを抑えたシンプルな家になります。4,000万円台なら、さまざまな要望がかなえられるでしょう。
4.予算をオーバーしてしまう原因
注文住宅では、当初の予算をオーバーしてしまう場合があります。主な原因を知り、実際の注文時に役立てましょう。
金銭感覚が麻痺してしまう
注文住宅の購入では、数千万円もの高い金額が動きます。多くの人にとって、普段から扱っているレベルの金額ではないでしょう。
予算のベースが2,000万円や3,000万円といった金額になると、数十万円のオプションが安く感じられるようになってしまいます。金銭感覚が麻痺すれば、オプションを次々と追加してしまいがちです。
一つのオプションが数十万円でも、いくつも追加すればそれなりに大きな金額になります。予算を考える際にオプションが安いと感じ始めたら、一度冷静になって本当に必要なものかどうか考えましょう。
理想を詰め込み過ぎる
注文住宅を建てる際は、理想を反映させた家の見積りを最初に出してもらうことになります。見積りが予算をオーバーしていれば、予算内の価格になるまで理想を削っていかなければなりません。
理想を詰め込んだ家は魅力的であるため、削れる部分を探すのが難しい場合もあるでしょう。しかし、予算内に収めることを重視するなら、いくつかの理想を諦めるしかありません。
予算に限りがあるということは、理想の実現にも限りがあることを意味します。最終的に予算オーバーしないためには、欲を出し過ぎないことが重要です。
プランを大幅に変更した
施工開始後、実際に目の前で建てられていく家を見ているうちに、当初の予定を大幅に変更したくなることもあるでしょう。
施工前にイメージした家は、あくまでも想像上のものでしかありません。変更したい部分が出てくるのは、ある程度は仕方のないことであるともいえます。
しかし、建築中にプランの大幅な変更を行うと、施工前の変更以上に余計な費用がかかりかねません。変更したい部分が出てきたら、後からDIYで対応するなどの方向で考えましょう。
5.注文住宅を予算内に収めるコツ
注文住宅で予算オーバーしないためには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。予算内に収める三つのコツを紹介します。
家族の希望を事前にすり合わせる
家作りに取り組む際、家族に相談せず自分1人で住宅の構想を練る人がいます。家族全員を納得させられる家が完成すれば問題ありませんが、そうならない可能性も低くありません。
建設中に家を見た家族からプランの変更を求められれば、結果的に予算をオーバーしてしまう恐れもあります。プランを考える際は、家族の要望を事前にすり合わせておくことが大切です。
また、希望する土地が決まっていない場合は、不動産会社とも密にコミュニケーションを取っておきましょう。安く購入できる土地を紹介してもらえる可能性があります。
シンプルな設計にする
住宅の設計を考えるときは、できるだけシンプルな設計にすることを意識しましょう。シンプルな構造であるほど、建築費を低く抑えられます。
例えば、外壁に凸凹がある『部分2階』より、1階と2階がほぼ同じ面積や構造である『総二階』のほうが低予算で済みます。柱の本数を減らせる点も、予算面における総二階のメリットです。
住宅の設計をシンプルにするためには、生活スタイルをシンプルにすることから始めるとよいでしょう。無駄を省く習慣が身に付けば、住宅に対する考え方にも変化が生まれやすくなります。
予算を優先して判断する
注文住宅を予算内に収めるためには、何よりも予算を優先することが大事です。予算より優先するものがあれば、予算は二の次となってしまい、結果として予算オーバーになりかねません。
予算が増えそうな部分に対しては、既製品で対処できないか考えてみましょう。既製品を使うことで、コストをより抑えられる可能性が高くなります。
DIYが得意であれば、できる範囲で自作するのも一つの方法です。家族のアイデアを集めて、みんなでDIYに取り組めば、よりユニークな自宅が完成するでしょう。
6.注文住宅は実現可能なプランを立てよう
注文住宅は予算を調整できるため、予算オーバーになってしまうケースがあります。金銭感覚が麻痺しやすいことや、理想を詰め込み過ぎることが、予算オーバーの主な原因です。
家族の希望をすり合わせたり、シンプルな設計にしたりすれば、物件価格を予算内に収めやすくなります。実現可能なプランを立て、上手に予算を組みましょう。
人生で最も大きな買い物といわれているのが住宅です。注文住宅の購入の際、住宅ローンの利用を検討している人が多いのではないでしょうか。
注文住宅ではハウスメーカー等への支払いが複数になるため、分割融資に対応した銀行での住宅ローンが望ましいでしょう。
分割融資はSBI新生銀行やりそな銀行、地方銀行などの金融機関が対応しているので、検討してみてください。
======================================
【Pick Up】▼注文住宅を建てるなら分割融資対応ローンを。おすすめ2選!
注文住宅向けおすすめNo.1!土地先行融資で費用を大幅削減!
イオングループでのお買い物が毎日5%オフに!
======================================