20代で不動産投資を始められる?
20代で不動産投資を始めるのはそもそも可能かと言うと、20歳以上であれば、不動産投資を始めることは可能です。
不動産投資とはマンションなどの物件を購入し、第三者に貸し出して家賃収入を得ること、つまり不動産賃貸業を行うということです。
不動産事業を行うには宅地建物取引士の資格が必要ということはよく知られていますが、自らが家主となって賃貸業を行う際には免許はいりません。免許が必要とされるのは仲介業務を行う場合です。
また、投資用物件を購入する際にはローンを組むのが一般的ですが、20歳以上であれば申し込みができます。融資の年齢条件については後で説明しますが、若いうちに始めることのメリットがあるのは事実です。
基本的には毎月の家賃収入から返済していくため、自身の生活費に影響することはほぼありません。
20代に不動産投資をおすすめする理由
不動産投資をおすすめしたい理由はいくつもありますが、なかでも20代に向けてのおすすめポイントとして次の2点があげられます。
・本業に専念できる
・生命保険の代わりになる
それぞれ解説します。
本業に専念できる
20代は社会人としてこれから成長していく年代です。仕事で覚えることも多く、何かと忙しい毎日を過ごしている人も多いでしょう。不動産投資は株やFXなどと違い、日々投資に時間を割く必要がありません。
家主が行う家賃回収や入居者募集、更新手続きなどの実務は、不動産管理会社に委託できます。物件選びや確定申告など自分でやらなくてはならないこともありますが、日数で考えると数えるほどしかありません。その分、本業にしっかりと専念できます。
生命保険の代わりになる
20代から30代にかけては結婚・出産などのライフイベントが目白押しです。万一の備えに生命保険を検討する人も多いでしょう。不動産投資ローンを組む際には、団信(団体信用生命保険)に加入するのが一般的です。
ローン返済中にもしものことがあった場合、保険で完済されるため、家族にローンの負担を残す心配がいりません。物件はそのまま家族の資産になり、家賃収入も継続して得られます。
20代からの不動産投資で有利な点3つ
不動産投資を20代から始める際に有利となる点は、主に次の3つです。
・長期の借入ができる
・若者向けの融資が利用できる
・失敗してもやり直しがききやすい
それぞれ具体的に説明します。
長期の借入ができる
金融機関によって若干の違いはありますが、不動産投資ローンの借入期間は最長35年、満80歳までに完済することが条件とされています。
もし60歳でローンを組むとしたら、20年しか借り入れができません。借入期間が短くなれば月々の返済額が大きくなり、手元に残る額が少なくなってしまいます。
その点、20代でローンを組んだ場合は完済時年齢までに余裕があるため、最長35年の融資が受けられることがほとんどです。月々の返済額も少なく抑えられ、手元に多くのお金が残せます。
若者向けの融資が利用できる
国の金融機関である日本政策金融公庫の女性、若者/シニア起業家支援資金(新企業育成貸付)が利用できます。
その名のとおり、女性や35歳未満の若者、55歳以上のシニア層を対象とした融資制度で、比較的年収の低いサラリーマンや自営業者なども利用可能です。
条件によって利率が異なりますが、全般的に低金利での融資が受けられます。
失敗してもやり直しがききやすい
投資である以上リスクはつきものです。また、事業としてみても確実に成功するとは限りません。なかには多額の借金を抱えて自己破産したケースもあります。
定年後に退職金を元手にして不動産投資や資産運用を始める人は大勢いますが、失敗した場合の損失を取り戻すことは年齢的に難しいと言わざるを得ません。
万一失敗したとしても20代は年齢が若く退職までにも時間があるため、20代ならやり直しの機会は十分にあると考えられます。
20代からの不動産投資で不利な点3つ
反対に、次のような点では20代という若さがデメリットになることもあります。
・知識・経験不足
・資金不足
・融資の審査に通りにくい
理由を以下にて解説します。
知識・経験不足
不動産取引はもちろんビジネス全般において、20代の多くは知識や経験が不足気味です。
たとえば物件選びひとつとっても、市場の動向や近隣の家賃相場など、調べなくてはならないことがたくさんあります。自分でアパートやマンションを借りたことがない人は、物件の良し悪しが見分けられないかもしれません。
そうした知識不足や経験不足を補うために、不動産投資のノウハウを事前にしっかりと学ぶ必要があるでしょう。
資金不足
不動産投資には初期費用がかかります。
まずローンを組む際に物件種別にはよりますが、物件価格の17~27%ほどの頭金が必要です。契約時には、登記費用や仲介手数料などを現金で用意しなくてはなりません。そのほかにも家賃滞納などのリスクに備えて、ある程度まとまった資金を準備する必要があります。
購入時の自己資金と、購入後の突発的な支出に備えられるだけの資金、もちろん日々の生活費も必要になります。
20代ではまだ収入が少なく、十分な貯金ができていない人がほとんでではないでしょうか。初めての不動産投資をなるべく頭金少なく始めるのであれば、提携ローンを活用できる区分マンション投資を検討してみても良いかもしれません。
参考>>不動産投資はいくらからできる?必要資金や頭金についても解説
ローンの審査に通りにくい
ローンを借りる際は、購入物件の評価や事業性に加え、本人の属性も審査されます。年収や勤続年数も審査対象であり、社会人になって間もない20代はローンを借りることができないこともあります。
年齢で言うと、25歳以上であれば大学から新卒入社して勤続年数が3年を超えてくるため金融機関の審査の土台にのると言えます。
20代で不動産投資を失敗しないために
20代での不動産投資は、主に次の点に注意するようにしてください。
・金融機関ごとの審査基準をよく確認する
・借入比率が高くなりやすい
・ネットだけに頼らないこと
・営業トークは疑ってかかること
その理由について解説します。
金融機関ごとの審査基準をよく確認する
20代で不動産投資を始めるに際、最大のネックとなるのがローン審査です。
不動産投資ローンの借入の際には、物件の担保評価に加えて、個人の属性も審査します。
属性というのは、年収や勤続年数などです。20代ではこのような信用度を測る個人属性が低いことが弱点になります。
ただし、金融機関ごとに審査基準は異なりますので、比較的融資を受けやすい金融機関や融資制度を探すことが重要です。
返済比率が高くなりやすい
20代は年収が低いだけでなく、貯蓄も少ない傾向にあります。そのため、頭金が必要ないフルローンや、初期費用も含めてすべてを借り入れするオーバーローンを利用する方もいるでしょう。
このように頭金を入れずに借入をする場合、返済比率が高くなりやすい点に注意しましょう。
毎月の家賃収入から差し引かれるローンの返済金額の割合が高くなれば、空室が発生した際のダメージも大きくなります。自己資金からの持ち出しが出る可能性も、想定しておきましょう。
ネットだけに頼らない
インターネット上の情報だけで物件購入を決めてしまうのは危険です。
失敗しがちなのが利回り重視の物件選びです。高利回りの物件はワケアリであることも少なくありません。必ず現地へ足を運び、物件および周辺環境を確認するのは、不動産投資の鉄則です。
営業トークは疑ってかかる
全不動産営業マンが不誠実かと言うとそうではありませんが、残念なことにほとんど利益の出ない物件を購入させたり、頭金を持ち逃げしたりなどの詐欺行為がしばしば発生しています。
知識や経験の少ない20代は特にターゲットにされがちです。
不動産投資に興味を持ったら、まずは勉強することから始めてください。不動産投資に関する本を読む、セミナーに参加する、先輩投資家の話を聞くなどして知識を蓄えるようにしましょう。
注意すべき3つのキーワード
利回り・住宅ローン・家賃保証は不動産投資の初心者が誤解しやすいキーワードです。
・利回り
・住宅ローン
・家賃保証(サブリース)
知らないのをいいことに、騙して購入させようとする業者もいるので注意しましょう。
利回り
不動産投資の利回りには、表面利回りと実質利回りの2種類があります。物件情報に記載されているのはほとんどが表面利回りですが、これには経費が反映されていません。
高利回りを理由に売りつけようとする業者には要注意です。ちなみに、それぞれの計算式は次のとおりです。
表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100
実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間経費)÷(物件価格+購入時諸費用)×100
参考>>マンション投資の利回りの相場とは?気をつけたい高利回りの落とし穴
住宅ローン
投資用物件の購入には、一般の住宅ローンは利用できません。事業用の不動産投資ローンは金利が高いからと、住宅ローンの申し込みを勧められても断るようにしてください。
参考>>住宅ローン(特にフラット35)で不動産投資をしてはいけない3つの理由
家賃保証(サブリース)
運営会社が物件を借り上げ、空室があってもオーナーには一定の家賃を支払うという契約形態を家賃保証(サブリース)といいます。空室リスクを回避できるというメリットはありますが、オーナーに不利な内容になっているケースもあるため、安易な契約は避けましょう。
物件の探し方・選び方
初心者が不動産投資を検討する中で、物件種別の選択は非常に悩ましい問題です。
物件種別としては、区分マンション、一棟物件、シェアハウスや民泊、戸建てなどがあります。加えて、築年数において新築なのか中古なのかと様々な選択肢があります。
それぞれの物件種別、築年数においてメリットデメリットを確認していきましょう。
参考>>不動産投資の物件探しのコツ
不動産投資における物件の違い
物件ごとにリスク、リターンを分けると以下の通りになります。
・ミドルリスク・ミドルリターン:区分マンション、戸建て
・ハイリスク・ハイリターン:一棟物件、シェアハウスや民泊
区分マンションや戸建ては一戸から保有できるため、物件価格も数百万円から購入することができます。
近年では築古戸建てを購入して週末DIYでリフォームをして貸し出す大家も増えています。ただし、区分マンションと異なり融資付けが難しく、想定される多くのケースは自己資金で購入することになります。
区分マンションの場合は、不動産会社からの購入であれば提携ローンの活用でフルローンでの購入をすることができるでしょう。
戸建てと区分マンションの双方に当てはまりますが、1戸の保有になるため空室時には賃料収入がなくなってしまいますので空室時のリスク対策が大切になります。
一棟物件の場合は、2戸以上を保有することで多くの家賃収入を得ることができます。シェアハウスや民泊も同様のことが言えるでしょう。一棟物件やシェアハウスの場合、2018年以前であれば物件価格のフルローンや諸費用含めてオーバーローンで1億円を超える物件を購入できましたが、今は少なくとも17〜27%(諸費用込み)の頭金の用意が必要になります。
民泊の場合は融資付が区分マンションや一棟物件に比べ難しいことに加え、コロナの影響で宿泊業の先行きは不透明になっています。。コロナ以前であれば、稼働すればするほど賃料収入が入ってくるケースがほとんどでしたが、今は厳しい状況が続いています。
不動産投資における新築、中古物件の違い
新築物件と中古物件を比較するときどのようなイメージを持つでしょうか。
例えば新築の場合は、初めて住むためとてもキレイで当面の修繕費は必要ないですが、物件価格が高いです。
一方で中古の場合は、すでに人が住んでいた分新築に比べて物件価格が安いことが多いですが、突発的な修繕が必要になる可能性があります。
新築、中古物件には大きく下記4点において違いがあります。
・購入時のローンの借りやすさ
・購入時の価格の違い
・修繕費の違い
・売却のしやすさ
新築も中古もそれぞれのメリット、デメリットがあります。新築だと手間はかからない一方で、購入時価格が中古に比べると高くなりがちです。また、ローン残債を上回る価格で売却できない場合もあります。
新築が中古に勝てるとすると、土地から仕入れて物件を建てる場合で、初心者の方にとってはハードルが高いものになるでしょう。
参考>>不動産投資の新築、中古マンションのメリット、デメリットの違いを解説
20代が不動産投資を始めるなら
物件の探し方、選び方を元に20代が不動産投資を始めるのであれば、中古区分マンション投資が良いでしょう。
間取りがコンパクトなワンルームマンションはファミリー向けマンションよりも価格が安く、都内の中古で築古物件であれば1,000万円台でも購入することが可能です。
物件価格が安ければ自己資金や借入金も少なくて済むため、初めて不動産投資を行う人にとって一歩を踏み出しやすいのでは無いでしょうか。
まとめ 20代からの不動産投資はメリットが大きい
今回は、20代で不動産投資を始める有利な点と不利な点について解説しました。
将来に向けての資産形成は、若いうちに始めるに越したことはありません。20代で不動産投資を始めた人のなかには少しずつ物件を増やし、不動産オーナーならびに投資家として、サラリーマン生活から独立した人も大勢います。こうした先輩投資家の体験が綴られた書籍やブログなどは、一度目を通してみるとよいでしょう。
もし失敗してもやり直しがきくのが20代の強みです。まずは区分中古ワンルームマンションへの投資から検討してみてください。
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