路線価とは
そもそも路線価とは「主要道路に面している宅地1平方メートルあたりの評価額」を指す言葉です。
土地の価格には何種類かあり、国土交通省が発表する「公示地価」、都道府県が発表する「基準地価」などが代表的です。
そして、毎年7月になると国税庁が発表する価格が路線価です。
なお、路線価における「主要道路」には私道を含みません。あくまでも不特定多数の人々が自由に利用できる道路のみを指します。
路線価には2種類ある
路線価には2種類種類があり、下記になります。
・相続税路線価
・固定資産税路線価
このうち、固定資産税路線価は、文字通り固定資産税を算出するときに用いられる数字です。
一方、相続税路線価は相続税や贈与税を算出するときに用いられます。
一般的に、「路線価」と使われる際には相続税路線価を意味していることが大半となります。
ただし、固定資産税路線価を表しているケースもゼロではないので、文脈から正しい判断を下すように注意しましょう。
路線価の決まり方
路線価は公示地価や不動産鑑定士による評価額など、さまざまな要素を参考にしながら決定されます。あくまでも目安として、公示地価の8割程度だとされています。
そのため、毎年3月に公示地価が発表された時点で、不動産投資家たちはある程度路線価の変動を予測することが可能です。
もちろん、これはあくまでも予測なので、7月になってから大きく額が変わることもあり得るため正式に発表された内容を確認するようにしましょう。
なお、路線価から相続税、贈与税を計算するときには、申告年度の額を利用しません。
相続や贈与があった年の額に基づいて計算を行うのがルールです。
2022年路線価発表の結果
国税庁が7月1日発表した2022年分の路線価(1月1日時点)は、全国平均で前年比0.5%上昇し、2年ぶりにプラスに転じています。
要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響が緩和され全体的な回復に繋がったことにあります。
しかしながら、37年連続路線価一位である、東京都中央区の銀座中央通りは前年から1.1%下落し、2年連続のマイナスとなっています。国内客による人流は回復傾向にあるものの、依然外国人観光客の需要の戻りが鈍いことが下落の背景となっています。
なお、上昇率が最も大きかったところは千葉県中央区の千葉駅前大通りで前年比5.1%と昨年の3.5%から上昇幅が拡大しています。千葉駅周辺の再開発が上昇の要因に繋がっています。
参考>>国税庁 路線価図・評価倍率表
参考>>ロイター 22年路線価は0.5%上昇、2年ぶりプラス コロナ影響和らぐ=国税庁
不動産投資に対する影響
路線価の回復を受けて不動産投資に対して考えられる影響は以下になります。
・上昇地域では高値で売却できる可能性がある
・相続発生時に相続税課税の可能性がある
具体的に確認していきます。
上昇地域では高値で売却できる可能性がある
路線価は公示地価の8割程度であることから、今回発表された路線価を基に現在の価格をある程度想定することができます。
路線価が上がっている地域の物件を保有しているのであれば、昨年よりも高値で売却できる可能性があるため売却の検討をしてみても良いかも知れません。
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相続発生時に相続税が課税される可能性がある
路線価が上がっているということは、それだけ相続発生時に相続税が課税される可能性があります。
相続時に現金で相続する場合の評価は金額そのものになりますが、不動産の場合は現金で相続するよりも評価によっては下がることがあります。
一般的には現金で相続するよりも不動産で相続するほうが有利になると言われていますが、路線価の上昇によって課税される可能性は出てきます。
著しく不当な場合は「路線価否定」されることも
路線価の評価に従い申告したとしても、著しく不当である場合には「路線価否定」されることが今年話題になりました。
引用:今回の訴訟では、こうした手法の在り方が争われた。原告は、故人が銀行から融資を受けて購入した不動産の相続人。一、二審判決によると、東京都内と神奈川県内のマンション計2棟を相続し、路線価に基づき財産を約3億3千万円と評価した。銀行からの借り入れがあったことから、相続税額を「0円」と申告した。一方、故人による購入価格は2棟で計13億8千万円に上っていた。国税当局の不動産鑑定でも評価は計約12億7千万円で、国税当局は「路線価による評価は適当ではない」と判断。約3億円の追徴課税をした。原告側はこれを不服として課税処分の取り消しを求める訴えを起こした。
引用元:「路線価否定」の相続課税、節税に影響も 4月に判決 事件・司法
よくある事象でないかも知れませんが、このようなことがあったことは知っておいて損はないでしょう
まとめ
今回は、2022年路線価発表に対する不動産投資への影響を解説しました。
路線価は、公示地価の8割程度からある程度の価格を想定することに活用できます。また、上がっている地域であれば高値売却できる可能性があります。一方で下がっている地域に関しては、要因を確認しておきましょう。
新型コロナウイルス感染症による観光制限により下落したのであれば、今後改善の見込はありそうですが、人口減少から流出超が続いており下がっているというものであれば今後もその物件を保有していくべきなのかは判断が必要です。
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